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紅き王の花嫁
エルフの里~未知の病とエリクサー~
しおりを挟む「もうすぐエルフの里よ」
四時間ほど飛ぶと森が広がっている場所に来た。
「森の中にあるんですね、やっぱり」
「だから森の前で下りるわ、罠とかあるから気をつけてね」
「わぁ」
「安心しろ、罠は全て防いでやる」
「有り難うございます、紅き王」
紅き王は四足歩行形態になり、私は乗る。
「じゃあ、行きましょうか」
緑さんはそう言った。
罠は全て緑さんが解除して里らしき場所に近づくと──
「止まれ! 何者──」
「我は緑神王、そして他も神王、人なる娘は我らが巫女なるぞ」
緑さんがいつもと違う口調で話す。
それにビックリしてると、緑さんは私を見てウィンクをした。
げほごほと咳き込むエルフさん達が少し離れた所から膝をつく。
「げほっ……緑神王様ご光臨有り難き幸せです」
「世辞は良い、何故薬に長けているエルフが皆病に冒されるのだ」
「それが分からないのです……ごほごほ!」
「仕方ない、全員の様子を見て回ろう、其方等はここで待っていてくれ」
「分かった」
緑さんは一人でエルフの里に入ってしまった。
しばらくして戻ってくると──
「これ、新種の病だわ。そりゃあ既存のものでは効果が薄いわ。となると面倒だけどエリクサーを作るしか無いわね」
「でも、材料が……」
「病を治すだけならドラゴンの血と肝があればいいわ。持ってるでしょう」
「あ……」
私はアイテムボックスをあさり、血と肝が入った壺と瓶を取り出す。
「これでいいですか」
「ええ」
緑さんは青色の水の球体を作り出した。
それに血と肝を入れる。
ぐるぐると水の球体が回り回り──
「でーきた。さてこれを瓶に移し替えて……」
アイテムボックスの瓶に移し替えていく。
100本くらいできた。
それをいれる手伝いをしてエルフの里に入っていく。
「緑神王、様、げほげほ……」
「よい、これを飲みなさい」
顔色が悪く咳き込むエルフさん達に飲ませていく。
「ああ、体が楽になった……!」
エルフの里にいる人数は50人くらいだったので、作った薬──緑さん曰くエリクサーもどきが余る位でちょうど良かったと言っていた。
「緑神王様有り難うございます」
「緑神王様、本当に有り難うございます」
「良い」
「ところであの人間の娘は……」
「我ら六神王の巫女よ」
緑さん、相変わらずエルフにはなんか高圧的だなぁ。
『カズエちゃん聞こえる?』
『あ、はい』
念話で語りかけてきた。
『私もこんな態度は取りたくないのよ、でも大分前に緑神王なのだから威厳を持って下さいって向こうから言われてるのだもの』
『……大変ですね』
どうやらエルフから大昔かな?その当たりにもっと威厳をもって話すように頼まれたらしい。
だから威圧的なんだなぁ。
なんか、面倒くさいなぁと思った。
「巫女よ、我は疲れた食事を所望する」
「は、はい」
空き地を見つけて──
「旅するレストラン二号店!」
バーンと最初の頃よりちょっと豪華なお店が現れた。
「み……緑神王様どうぞ」
「うむ」
私は六神王様達とレストランに入る。
「オーナーようこそ。こちらでもVIP席ができました」
「では其処に移動しましょう。緑神王も宜しいですか?」
「うむ」
緑さん達とVIP席に移動すると──
「ぶへぁ~~」
だれ~~と疲れ切った緑さんが。
「威厳というか威圧的にするの疲れた~~だからエルフの里は嫌なのよ~~ご飯くれるのは良かったけど~~」
「あー……」
「疲れたからパフェ制覇しちゃうもん!」
「パフェ制覇って全部食べるの?」
黄さんが驚いている。
「うん!」
「普段と違う態度を取るからそうなるのだ」
「そうね」
「うわーん、カズエちゃん、紅と白がいじめるー!」
「え、え?」
私は混乱するばかり。
「緑、少しは落ち着け、カズエが混乱してる」
「むっ」
黒さんがそう言うと紅き王は少し不機嫌になった。
まるで、それを指摘するのは自分だといわんばかりの表情に見えて──
「紅そんな事で一々嫉妬してたら身が持たんぞ」
「やかましい」
青さんの言葉に、紅き王がむっと言い返す。
「紅き王、今は食事をしましょう?」
「む、そうだな。カズエお前は何にする」
「私はそうですね……オムライスにします」
「我も同じのにしよう、サイズは大きいもので」
「はぁ」
「では私はカレーライスとやらを食べよう、サイズは大きいもので」
「私も」
「じゃあ、私はチョコパフェの大きいサイズで!」
「刺身定食」
と、次々と決めていき、私が店員を呼び出して注文をする。
そして料理が運ばれてくる。
ふわとろの卵の優しさと、チキンライスのトマトと鳥肉の旨みが米粒に凝縮されていて美味しかった。
私が食べ終える頃には緑さん以外全員食べ終えていた。
緑さんは八割くらい食べ尽くしていた。
「んー! プリンパフェ美味しい! 甘く苦いのと、甘く蕩けるのとフルーツの酸味と甘みが相性抜群! 下のクリームとも相性いいわ!」
嬉々と食べているのを見て、緑さん大変だったんだなぁと割れながらに思った。
威厳があるのを演じるのって確かに疲れるかもしれない。
私も求められたら困る。
求められたらどうしよう。
そんなことをぐるぐる考えながら食事を終え、一階に下りると誰もいない。
まぁ、そうだろう。
エルフさん達は見慣れない建物に入るなんてある意味危ない行為はしない。
そもそも私も客引きしてないし。
店から出ると、エルフさん達が集まっていた。
「りょ、緑神王様! この建物は何ですか⁈」
「この建物はレストランといって我らが巫女のスキルで生み出された物だ」
「巫女の⁈」
「そ、それで、れすとらんなる建物は一体何をする場所で……」
「食事を提供する場所だ、美味なるものが金を引き換えに提供される」
「美味なる物……」
ごくりとつばを飲み込む音が聞こえた。
「りょ、緑神王様」
「許す、利用してみよ」
緑さんがそう言うとわっとエルフさん達が入って行く。
『いったん戻りましょう、居住スペースあるかも?』
『そうですね』
緑さん達と念話で会話して、店に戻ると居住スペースがあった。
緑さんははぁと息をして布団にダイブ。
「もーああいうのつーかーれーたー」
「緑さん」
「カズエちゃんは私にそういう威厳とか押しつけないから好きー!」
「おい、カズエは我のだぞ!」
「六神王の巫女であるのは間違いないだろう」
黒さんが空気を読んでるのか読んでないのか分からない発言をする。
「うがー‼」
「紅き王、落ち着いてください!」
「むぐ……」
私は紅き王を宥めて、落ち着いて貰う。
「黒さんも、あまり紅き王を怒らせないでください」
「む……そうか」
「とりあえず、今日は休みましょう……」
「そうね、慣れない事をして疲れたわ」
私達は布団にくるまって眠るにした。
風呂かシャワーは明日の朝浴びるなり、浸かるなりすればいい、そう思いながら眠りに落ちた──
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