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「愛」を知らなかった調教師は「愛」を語る

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 店を閉め、遠く離れた別荘へとセドリックは異能を使って三人を連れてきた。
 ダリルとアルディは静かに別荘を見つめており、クライヴだけが動揺していた。
「こ、ここは?」
「今度から私達が暮らす場所です、他者が迷い込まぬように結界も張っております」
「クライヴ、貴方が言ったから積極的に作らないよう引きこもることにしたのですよ」

「では、入りましょう」

 屋敷の中に入ると、中は綺麗で、清潔感にあふれていた。

 人型のロボットが掃除しているのをクライヴは目撃する。

「アレが……ずっと一人で掃除を」
「ええ、庭の手入れも、一人で」
 セドリックは人型のロボットを抱きしめた。

「お疲れ様、しばし休息を」

 セドリックが離れると、ロボットは会釈をして隅の部屋に入っていってしまった。
 クライヴは気になり、ロボットの後を追いかける。

 ロボットは充電装置の上に静かに座っていった。

「次大丈夫、処分なんてしませんよ」
「そ、そうか」
「でも、しばらくの間有り難う、父達の思い出を守ってくれて」
 そう言ってセドリックは微笑みを浮かべロボットの顔を撫でた。




 セドリックは自分がこんな事をするなんてと内心戸惑っていた。
 だが、それは心地よい戸惑いだった。




「部屋を割り当てますから」
 そう言ってセドリックはアルディとダリルを連れていった。

 セドリックがいなくなり、クライヴはほんの少しだけ逃げだそうかと思って足を動かそうとしたが動かなかった。
 クライヴの体が疼いた。
 クライヴはセドリックの指の感触、舌の感触、唇の感触、雄の感触、全てが無意識に感じられ、その愛撫を思い出してしまっていた。

 その愛撫の感触が、彼の足を止めた。
 愛のささやきはなくとも確かに愛情のあるまぐわいは、クライヴの逃走意識を止める鎖となっていた。

 クライヴはその場に蹲る。

──ああ、ラルフに言った通り私は彼奴がいなければ生きられない体と心になってしまった──

 クライヴは自分の堕とされている様を自覚し、絶望とほのかな何かに困惑した。

「クライヴ、どうしました」

 その場に屈んで顔を覆っているセドリックに声をかけた。

「……せど、りっく……」
「はい」

「抱いて、くれ」

 クライヴは声を絞り出すように懇願した。




 クライヴの懇願に、セドリックは表面上は今まで通り、内心は歓喜に満ちていた。
 必死ににやけそうになる顔を隠していた。
「……クライヴ、勿論です。抱きましょう」
 微笑みを浮かべてクライヴを抱きかかえて自分の寝室に向かった。


 ベッドに横に寝かせると、服を脱がせ、ローションで手をぬらし、指を後孔に入れる。
「ん……ぅ」
 ぬちゅぬちゅと指を出し入れして増やしていく。
 そして、四本程入ると、指を抜いた。

 くぱぁと広がる其処に、セドリックは自分の雄をゆっくりと挿入する。
「おっおっお……」
 粘質的な音とともに、中を掻き回すように腰を動かして突く。

「あ……あぁ……あ゛……あ゛」

 肉壺と化した腸壁は、セドリックの雄に絡みつき、ぎゅうぎゅうと締め付けていた。

「あ゛、あ゛──‼」

 ビクビクとクライヴは体をびくつかせた。

「メスイキが本当にお気に召したんですね、良かった」
 セドリックはそう言って、クライヴの前立腺と奥を擦り上げた。

 ぷしゃ

 クライヴの雄から透明な液体が吐き出された。
「潮も噴けるようになるなんて、貴方は最高だ」
 セドリックはうっとりとした視線をクライヴに向けて抱き続けた。

 クライヴの意識が失われるまで。




 とある森の奥深く。
 誰も知らない別荘があった。
 其処では美しい男と逞しい男達と、儚げな男が暮らしていた。
 時折、外から何者かが運び込まれるが、一ヶ月もしないうちに出て行く。

 別荘では男達だけが生活を続けていた。

「アルディ、良い子ですね」
「んう……」
 アルディがセドリックの指を舐めていた。
「はむぅ……んぐ」
「ダリル、その調子です」
 ダリルはセドリックの雄を舐めていた。

 ベッドに散らばる使用済みのコンドーム。

「クライヴ疲れたでしょうもう少し寝てていいですよ」
「ん……」
 抱かれ終わったクライヴがセドリックの横脇で眠っていた。

 依頼が無い限り、彼らは毎夜の如くこのように過ごす。
 抱き合ってむさぼって、主人セドリックの精液まみれになる。
 堕落の楽園と言っても良いだろう。

「『愛して』ますよ、クライヴ、ダリル、アルディ」
 セドリックはそう言って優しく笑う。

 与えられる快楽を受け入れる日々。
 だが、彼らはそれで良いとそこで過ごしている。
 ずっと、ずっと──





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