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子だくさんな家族~ただし、旦那一人に子一人だけど~
浮気について~絶対しない男達~
しおりを挟む「カナター! 久しぶりー‼」
「アイカ久しぶり、アキナさんもお久しぶりです」
「カナタ、久しぶり」
「マヤ、久しぶり」
アイカ達の家に招かれてカナタはやって来た。
子ども達は夫組に預けて。
「それにしても一軒家借りるなんてどうしたの?」
「……実は養子縁組しようと思って」
「おお、いいじゃん」
カナタは同意した。
「今相性がいいか毎日会いに行ってるんだ、今日もあってきたんだよ」
「それは良かった、ところでアキナさん」
「何ですか?」
「初期の頃アイカの奴浮気しませんでした!」
「カナター⁈⁈」
アイカは顔を真っ青にして絶叫する。
「ええ、未遂ですが。私の仕事が忙しくて」
「「アイカ~~?」」
「今、今はしてない! してない‼」
マヤとカナタはアイカに冷たい視線を送る。
アイカはぶんぶんと首を振った。
「当時は未遂でもしたってことでしょう」
「うわ、最悪」
二人はアイカに冷たい視線を向けた。
「ええ、アイカさんには本当苦労させられました」
「でしょうね」
「ですよね」
「私が『そんなにそちらの方が良ければ言ってもいいんですよ』と突き放すこと数回、漸く止めてくれました」
「いや、一回で止めろよ」
アキナの言葉を聞いて、カナタがアイカに呆れて言う。
「だ、だってぇ……」
「だってもクソもねぇだろ」
アイカの言葉にカナタは吐き捨てる。
「か、カナタの夫達はどうなのさ」
「はぁ?」
「う、浮気とか……」
「ねーよ、そんな気配すらねぇし」
「わ、わかんないよ⁈」
アイカが強く言うので、カナタは少し気分がモヤモヤしてきた。
「──という事があった」
カナタは夫達にそう説明する。
「浮気しようとかしたいとか思ったことある」
「「ない」」
「ねぇな」
「ないよ!」
「ないな」
「あるわけがない」
「ないにきまってるじゃんか!」
「ないよー」
全員否定の言葉を口にする。
「……まぁ、やっぱりみんな否定するよな」
「ディオンとアルビオンなんか、他の女は無視一択だぜ、レインの命令は聞くけど食事行く仲って訳じゃないしな」
マリがディオンとアルビオンの現状を説明する。
「マリちゃんは『俺の嫁はカナタと二次元のかわいこちゃんだけだ、他の女は興味ねぇ!』って言ってたけど、二次元もどうよ」
「いんじゃねぇの、二次元だし」
「さすがカナタ」
サリがマリの事を説明し、少し非難するが、カナタは「二次元」なら別に構わなと言い切った。
「三次元のオタクになるなら話して」
「俺中の人興味ねぇからいいよ」
「そっか」
カナタが言う言葉をマリが否定し、カナタはそうかと納得する。
「サリとレンは?」
「あーサリは『見てみて俺の奥さんと子ども達、可愛いでしょう、ねぇねぇねぇ!』ってしつこく主張するからうざがられてる」
「ちょっとマリちゃん⁈」
「サリ……うざがられるのはやめような」
「はい……」
カナタの言葉にサリはしゅんとしょぼくれた。
「レンはどうなんだ?」
「あー割と飲みに誘われたり、甘党だからパフェ誘われたりしてたんだが今は『すまんな妻に一秒でも早く会いたい』って拒否ってるよ」
「レン、甘党なら無理に我慢しなくても……」
「安心しろ、サリかマリに付き合わせてる」
「ならいいか」
レンが我慢してるのを危惧したが、それは無かったことを知りカナタは安堵の息を吐き出した。
「リヴン組はどうなの?」
「ジュラスはカナタと付き合う前は女性とも会合という食事会に出てたけど、今は一切そういうことしてないよ『妻が待ってる』で帰っちゃうからね」
「当たり前だ」
レオンが説明し、ジュラスは当然のことのような態度を取る。
「会社関係で何か問題が起きたりしない?」
「大丈夫だ、寧ろ妻が居る身で、他の女と二人きりになる方が問題だ、もしくは女性だけの集まりに参加するとかな」
「なるほど」
ジュラスの説明にカナタは納得する。
──それもそうだ──
──そんな事をすれば、社長であるジュラスがゴシップ雑誌に書かれる──
「まぁ、ゴシップ書いたら潰すだろうけどね、ジュラスなら」
「キリヒト五月蠅いぞ」
ジュラスが不機嫌そうに言うとキリヒトは肩をすくめた。
「そういやレオンは」
「僕は女性にモテる顔でもないし……」
「でもレオン君、結婚してから女性に言い寄られるようになってなかった?」
キリヒトがニヤニヤと笑いながら言う。
「結婚したから群がってくるんだよ、じゃなきゃこないだろ。だからみんな断ってるしつこい用なら社長に言うって言ってあるし」
「そうなんだ……」
「度々私に女性社員の事でいってくるのはそういう理由か」
「そうだよ」
レオンは不機嫌そうに言った。
「僕からしたら、カナタ以外はあり得ないからね。だからカナタが好きだからその関係を壊したくない」
レオンの言葉を聞いてカナタの心がほんのりと温かくなった。
「それは俺達も同じだ」
「そうだ」
ディオンとアルビオンも同意する。
「俺等もだよ、カナタや子ども達が大事だから他には目もくれねぇ」
「二次元には目をつけるけどね」
「うっせ」
「ふっ……」
「カナタに心配はかけさせたくない」
夫達の言葉に、カナタは自分が幸せだなぁと感じた。
「そういえばキリヒト、お前はどうしてる?」
「僕の所にもきたけど……実験台になる? って言ったらこなくなったよ」
「流石はマッドサイエンティスト」
「問題児」
「カナタちゃんの悪口を言おう者なら実験台直行だよ」
「誰も言わないだろそうだと」
「うん」
レオンに指摘され頷くキリヒトにカナタは盛大なため息をついた。
──せっかく、ほっこりしたのが台無しだ、と──
「アサヒ、レイジ、お休みなさい」
「お休みママ」
「おやすみまま」
そう言ってベッドで眠る二人を見送ると、抱きかかえたツムギと共に寝室に向かう。
「ツムギ、ねんね?」
くぁと欠伸をするツムギを抱いて優しく撫でる。
「じゃあ、ねんねしよっか」
ベビーベッドに寝かせると、すやすやと眠りだす手のかからないツムギを見つつ、カナタは近くのベッドで仮眠を取った。
定期的にツムギの寝相を変えるためである。
「俺等の奥さん頑張ってるよな」
「そうだな」
男達は集まり話をしていた。
「無理はしないで欲しいな」
「その分俺達も頑張ればいいだろう」
「そうだな」
そしてツムギが生まれて一年と半月が過ぎ──
「そろそろ四人目だな」
とカナタは呟いた。
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