悪女と呼ばれた私は吸血鬼の国に嫁ぐ~嫁いだからって黙ってると思ったら大間違いですわよ~

琴葉悠

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悪女と呼ばれた私は吸血鬼の国に嫁ぐ

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 私はフィミア・ローレンス。
 ローレンス伯爵家の長女。
 私は屋敷に戻って一人優雅なティータイムを楽しんでいた。

 少し遡ること──
「フィミア・ローレンス、貴様とは婚約破棄だ! 私はこのアンジェと一緒に──」
「グレイ陛下、私と婚約関係がありながら、その方と浮気をしていましたよね、つまり慰謝料を払っていただきます。勿論そちらが有責ですので、国王陛下にはお伝え致しました」
「なっ⁈」
「それと、その女性貴方以外の男性とも関係をお持ちですよ、そんな方を選ぶなんてよほど目が曇ってますのね、国王陛下が貴方に除籍処分を言い渡すと決めたのも無理はありません」
「んな⁈」
「それに貴方自身も複数の女性と浮気をしてらしたし、その上ギャンブルに国費をつぎ込むこれでは次期国王は任せられないと」
 婚約者であるグレイ陛下──王太子様は口をはくはくとさせて居ます。
 二人とも顔が真っ青。
 私は続けて王太子様の色々な事情を暴露すると周囲の方々はドン引き。
「と、言うわけで二人仲良く辺境で暮らすようにと頑張って下さいね、ああ国王陛下のお慈悲で一ヶ月は支度の猶予が与えるそうですので、では」
 そう言って私はその場を後にし屋敷に帰還しました。

「お嬢様、良いのですか本当に?」
「いいのよ、婚約破棄したのは向こうだし、浮気してたのが分かったから慰謝料大量にとれたからね、少し貧乏な我が家も潤ってお父様とお母様も嬉しいことでしょう」
「ですが! おかげで、金の亡者とか悪女とか言われるようになったんですよ!」
 そう、私は悪女と呼ばれている。
 金髪碧眼の悪女色白の金の亡者などなど。
「言わせておけばいいじゃない」
「お嬢様はそんな方ではないのに、素敵な方なのに……」
「はいはい、メリーは優しいわね」
「本当に優しいのはお嬢様です! 親を亡くして一人途方に暮れていた幼い私を雇ってくれて……」
「人手が足りなかったからよ」
「もう、そんな嘘おしゃって」
 優しくて可愛いメリー。
 私みたいな偏屈な令嬢に仕えて嬉しいなんて、本当可愛い侍女だわ。

「お、おい、フィミア‼」
「何ですの? お父様」
 青白い顔をしてお父様がやってきた。
「い、今し方国王陛下の命令で──」

「お前を吸血鬼が支配する国、メア王国の王太子の妻として差し出すと」

「はぁ?」
 あの国王陛下、息子が愚息で赤っ恥書かされたから嫌がらせですか?
 ついでに不倫で多額の慰謝料も取られたことへの。
「それ、国王からですか?」
「い、いやそのメア王国の王太子がお前を是非妻にしたいと」
「はぁ?」
 どこかの夜会でお会いしたかしら記憶がないわ。
 一体どんな物好きが私を妻にしようと思っているのかしら。
「いいわ、お受けいたしますわ」
「ほ、本当か⁈ 本当にいいのか⁈」
「これ、お受けしないと多分向こうの国に我が国が滅ぼされますわ」
 私はきっぱり言い切った。

「私もついて行きます!」
「メリー、本気⁈」
「はい、私はお嬢様の侍女です‼」
「もう、仕方ないわね……」
 嫁ぐ準備をしていると、メリーも荷物をまとめていた。
 この子はしょうがない子ね。
 好きにさせてあげるわ、私の可愛い侍女。

 嫁入りの準備も終わり、馬車に荷物を積み込んでいく。
 そして国を挙げて出発の儀が行われる。

「フィミア・ローレンス。この国を守る為に行ってくれるな?」
「はい、国王陛下」
 隅っこでこちらを睨む元王太子婚約者

 身勝手な婚約破棄をした結果、色々と暴露されて名誉も何もかも地に落ちて、王籍を除籍処分されてしまった。
 浮気相手は多額の借金を負い、父母に泣きついて払ったそうだが、その後年老いた伯爵の元に嫁がされたと言う。

 やれやれ、不倫する位なら、先に婚約破棄してくっつけばいいのに、婚約期間中に不倫をしているとこうなるんですよ。

 そういえば、そろそろ王都追放でしたっけ。
「元婚約者様ー? 私は最後の王都を楽しみました、貴方も楽しんでくださいましねー」
 と煽ると、元婚約者は顔を真っ赤にして私につかみかかろうと寄ってきたが兵士達によって阻まれる。
「では、失礼します」
「う、うむ」
 王様引いちゃってるけど、構うもんですか。

 馬車に乗り込み、足が風のようになっている風馬かざうまの馬車に乗り、国を出発する。

 普通の馬車なら数日かかるが、風馬の馬車なら一日もかからず。
 そんなのを用意するなんて、この国ではできない。
 メア王国、どうしてそこまで私を欲しがるのかしら?
 と首をかしげて考え込む。
「お嬢様、大丈夫ですか」
「ええ、大丈夫よ。ちょっとどうしてここまでして準備をするんだろうって思っただけよ」
「そ、そうですね。それにお嬢様を名指しで……一体なんでしょう? もし何かありましたら、私が身代わりになりますからね!」
「貴方と私じゃ見目が違いすぎて身代わりにならないわよ」
「はうう」
「でもその気持ちは嬉しいわ、有り難う」
「はい!」
 魔法道具で作られた馬車だから揺れも感じず快適に過ごせる。
 あと、何時間くらいでつくんだろう、そんなことを考えていたら──

「着きました」

 扉が開き御者が言う。
「有り難う」
 私が馬車から降り、メリーが荷物を抱える。
「大丈夫、メリー?」
「はい、大丈夫です!」
 そんなやりとりをしていると、この世に存在するのかと思う程の美丈夫が現れました。
 絶世の美形。
 神が彫刻したのではないかと思うほどの美しさ。

 女の私も少し見とれましたが、直ぐさま口に出します。
「どなた様でしょうか?」
「ああ、フィミア・ローレンス。ようこそ、私はルカード・メア。この国の王太子で──貴方の婚約者です」
 金色の髪は美しく、黄金の目は輝き、白い肌は美しく、声は美しい男の声。
 何でこんな美しい方が私を婚約者にしたのでしょうか?
「君と私を引き裂こうと考えている輩がいる、式の準備は済んでいる、さぁこちらへ」
「え、どなたですの」
「君の元婚約者だよ。結婚式で君を悪女と罵って国民に悪評をつけようと企んでいる」
 あの糞野郎。
 もう少し痛い目見せておけばよかった。
 と思いながら従者達が荷物を運んでいき、私はルカード様に手を引かれて式場へ着いていくことに。
 メリーも慌てて私の方へ着いてきた。

 ドレスは私のサイズ寸分違わぬ美しい黒いドレスが用意されていた。
 黒い薔薇が胸で咲き誇り、レースも美しい、黒なのに、美しい黒のドレスだ。

 メリーと他の侍女達が手伝いながら私にドレスを着せ、化粧をし、髪を結い、鏡を見せる。
 正直これが私かと、思うくらい綺麗に化粧をされていた。

 そして結婚式は滞りなく進んだ。
 美しい黒い花婿衣装のルカード様はそれはそれはおきれいでした。

「ルカード様、一体何故私を婚約者基結婚相手に」
「君が糾弾された場所に居たんだよ私は」
「まぁ」




 それは一ヶ月近く前に遡る──
「フィミア・ローレンス! 貴様の悪行は明白だ、よって貴様とは婚約破棄をし、王都追放を──」
 最後まで言わせることなく口を開いた。
「悪行とおっしゃいましたが、婚約者がある身で他の女としけこんでいるフォルム様はどうなのでしょうね?」
 私の言葉に、婚約者たる王子は顔を青くしはくはくと口を開けた。
「それにその隣の御方、私にいちゃもんをつけて、適当なところで帰って行ってるので悪行があるのは貴方達の方では?」
 王子の隣で被害者づらしていた女性も顔色を少し悪くする。
「このことは国王陛下にもう伝えております、フォルム殿下。貴方とは婚約破棄いたします。そして国王陛下より、あなた方は一ヶ月後王都追放、それまで準備をしておけ、だそうです。これが最後の慈悲だと」
 二人は真っ青になった。
「後、貴方達二人の浮気で婚約破棄するのですから、私が慰謝料を貰うのは当然ですわ、王様からも許可をいただきましたので、それ相応の金額を払って貰います」
「この悪女! 金の亡者!」
「浮気した上、そこの小娘の事を鵜呑みにして婚約破棄しようとした貴方に非しかありませんわ」
 それから徒然と王子の駄目さ加減を語っていく。
「──とこんな貴方が国を継いだら駄目になると王様も理解した上での王籍を除籍処分でもありますの、全部身から出た錆ですわ」
 私はそう言ってから会場の令嬢、令息達に頭を下げた。
「ここにいる皆々様、このような空気にしてしまい、申し訳ございません。あちらのお馬鹿さん二人は無視してどうぞ夜会をお楽しみくださいませ」
 私はそう言って夜会を後にしました。




 と、言う感じです。
 王都からもうじき追放される元王子はどこへ行くんでしょうね?
「メア国には入れないようにもうなってるから此処にはこないと思うけど……素性を隠してくるかもしれないね」
「返り討ちにして差し上げますわ」
 私の方が王子より成績も体術の成績も上でしたし。
「君は強い女性だ、だから守ってあげてくなるのです」

「貴方が本当に傷ついたとき、側に寄り添ってあげたいと思うのです」
 恥ずかしくなるような台詞を真顔で言う為、私の方が恥ずかしくなってしまいます!
「あ、あまりそのようなお言葉をいうのはおやめになってください、恥ずかしいのです」
「そんなところが可愛らしくてたまらない」
 ああ、もう!
 調子が狂いますわ!

「それよりも、この国の事を教えて欲しいですわ。実際目で見てみたいのです」
「分かりました、フィミア」

 次の日、私の母国の料理が朝食にでて驚きました。
 一ヶ月以上前から、シェフを雇っていたそうです。
 一流のシェフなのでしょうか、味などもどれも我が家で食べるものとは格が違いました。

「どこのシェフですの?」

「君の国の元王室のシェフさ、才能を妬まれて追い出されたところを勧誘したんだ」
 全くあの国は、こうやって才能あるものを追い出して行く。
 近いうち破滅しますわよ。

 とは思えど、もう口出しする気はないので後のことは国王陛下と次期国王陛下に任せるのみ。


「では、国を案内しよう」
 そうして少し長旅となる領地巡りが始まった。
 各領地は吸血鬼の貴族が統治しており、領地によって人間の扱いは様々。
 普通に扱う場所もあれば、そうでない場所もある。
「これはいけない」
「そうでしょう、我が妻よ」
「何より医療機関が少ないですわ」
「医療機関……そうですね、我ら吸血鬼は病気にかからぬ故」
「では、父上に判断を仰ぎましょう」
「そういえば貴方様のお父様はどこに?」
「いつもどこかに移動して忙しいですから……ただ、今の時間ですと吸血鬼が日の下でも歩けるような結界を貼り続けている聖女達の元に、食事を自ら運んだり交代の指示を出したりしています」
 通りで日の下でも吸血鬼が歩いていると思いましたわ。
「結婚式の時はどこに?」
「上のテラスから覗いていたそうです、花嫁が私を見たらおびえるだろうと。」
 そんなに恐ろしい方なのかしら、外見が。
「ともかく、このままではこの国も一部が傾きかねませんわ!」
「分かりました、では王宮へ戻りましょう」
 そう言って風馬の馬車に乗り王宮へ戻る。

「アノルド、父上はどこに?」
「国王陛下なら──御真祖様でしたら、先ほど戻られました。今は謁見の間に」
「分かった。行こうフィミア」
「はい、ルカード様」
 私はルカード様に手を握られ、そのまま謁見の間へと向かいました。

 謁見の間は明かりで薄暗く、吸血鬼用の場所なのだなというのが少し分かりました。
「フィミア、足下は大丈夫かい?」
「ええ、大丈夫ですわ」
 とは言え、目が慣れるのが早いおかげで足下は大丈夫。
「父上、お話があります」
「何だルカード」
 コウモリが玉座に集まり、白い髪に、赤い目、白い肌、白いひげを蓄えた美しくもどこか恐ろしい壮年の男性に姿を変えました。
「フィミアと国の各地を巡って参りました」
「私がフィミアでございます、国王陛下」
 挨拶をする。
「おお、其方が我が子が恋しくてやまぬと求めた娘か」
「はい?」
「ち、父上。今はその話ではなく!」
 ルカード様が少し慌てた様子で話を中断させようとする。
「恐れながら、ルカード様と各領地を巡らさせてもらいました」
「ほほぉ」
「はい、父上、やはり地域によって人間の扱いの差が出ています」
「やはりか、私があれほど言っていたのに」
「リスト化しておきましたので時間があればお目通しを」
「フィミア⁈ いつの間に」
「馬車で移動する時間にできますわ」
「我が息子の妻よ、見せてくれ」
「はい」
 私はリストを渡す。
 すると渋い顔をしていた。
「やはり私が苦言を百年も前に呈した馬鹿共ばかりだ、変わっておらぬ」
「そうでしたか」
「フォード大公を呼べ、奴に引き継ぎにふさわしい者を選ばせる」
「フォード大公様ですか?」
 人間に慕われる、吸血鬼の貴族の方でした、確か。
 美しい黒髪に、紅い目の、白い肌、そして武人と呼ばれるのか常に自分の近衛兵達と訓練し鍛錬し続ける御方。
「フォード大公は、この国が侵略されそうになった時たった一人で侵略者達を追い払ったのです」
「それはすごいですわ!」
「本人曰く『あんな連携のとれていない兵士共で我が国を侵略しようとは笑止千万』だそうだけど」
「それはそれですごいですわね……」
「実際私は見てないけど、フォード大公はそれほど偉大な吸血鬼だよ」
「そんな風な圧は感じさせませんでしたが……」
「真面目だからね、私の妃にそんな圧を感じさせてはいけないと思ったのでしょう」
「まぁ」
 そんなやりとりをしていると、フォード大公がおいでになさったわ。
「御真祖様、ルカード様、フィミア様、なんでしょうか?」
「このリストの者をお前が良いと思う者とすげ替えてこい」
「この者達は?」
「家の取り潰しだ、百年経っても反省せぬ馬鹿はいらぬ」
 結構怖いことを淡々とおっしゃってますわね。
「御真祖様、もう一つ良いでしょうか?」
「我が息子の妻よ、申すが良い」
「この国圧倒的に医療機関が足りておりません」
「其方の言う通りだな、だがこの国に来ようと思う医者は少ないのだ」
「ならば私に案があります」
「どのような案だ?」
 私は微笑みました。
「医師達を酷使する我が国からかっ攫ってしまえばいいのですわ。好待遇をつけて」
 もう母国には未練はない。
 なので利用するだけ利用させて貰う。

 私は知り合いの医師に手紙を出した。
 まだ若いのに、働かされすぎて髪の毛が薄くなってしまうほどストレスと闘い続ける医師に。

 この国の現状、そしてもしこの国に来たらこれだけの好待遇が待っていますよという内容を書き記した。
 そして一週間後、医師の集団がこの国にやってきた。

 既に居る医師達と協力して各領地に医師を配置し、貴賤関係なく見てもらえる環境づくり等をした。

 休みなく働かされていた彼らは休みがあると大泣きして喜んでいた。
 この評判は他国にも渡り、他国からも医師が来て働くような環境になった。

 医療が充実するのは良いことだ。

 そして領地の問題は、フォード大公が選んだ吸血鬼が変わりに領地を管理することになり、生活環境も激変した場所が多数出た。

「もう、娘を生け贄に出さなくていいんだ!」
「妻を奪われなくて済む!」

 とか、どんだけ非道な行いをしていらっしゃったのかしらその吸血鬼の方々。
 ちなみにおかげで私は悪女と呼ばれるようになりました。
 何故ですかって?
 今まで御真祖様に見逃されていた悪行が全部私の所為でバレ、家は取り潰し、吸血鬼の面目丸つぶれになった、からだそうです。

 それで悪女呼びされるならば悪女上等です。

「ため池が複数あると便利ですが、この国ではあまりないのですね」
「吸血鬼は水を苦手としますから」
「ですが住んでいる民は人間です、雨が降らない時期などが起きたら大変です」
「そうですね……」

 と言うわけで私主導でいくつかのため池を領地に作らせていただきました。
 人間の方々に指示を出しながらため池を作り、水をためます。
 念のため「吸血鬼の皆様は立ち入り禁止、溺れるから」と立て看板も立たせていただきました。

「流れ水でないので溺れない」

 と、言われたが念のためである。

 案の定、水が溜まってからしばらくして雨が降らなくなり、聖女が祈り続けて数日経つまでを、ため池でしのげたのはいいことだと思った。


 この国は良い国だが、もっと良くしたいと欲がでました。
「他国には人材が豊富ですわ、ですが貴賤の為才能を認められなかったり奪われたりする方々がおります」
「そのもの達を登用せよ、と」
「可能であるならば、私の人脈を活用して見せます」
「許す、やってみよ」
「有り難うございます」
「フィミア、無理はしてないかい」
「無理はしてませぬわ、それよりもルカード様、何か隠し事をされてません」
「何も」
 あ、目がちょっと逸れてます。
 嘘つくときはいつもそれですわよね。
「ルカード様、私は貴方の妻です。貴方の嘘くらいお見通しですよ」
「これは参ったな……」
 ルカード様は観念したように言った。

「実は君を悪女だと言う連中がやってきてね、不敬罪で牢屋にぶち込んだんだ」
「もしかして、ブラウンの髪に青い目の男性と、赤い髪に、緑の目の女性?」
「すごいね、よく分かったね」
「それ、リア国の元王太子フォルムと、その浮気相手になったアリーゼですわ」
 フォルムはともかく、嫁がされたアリーゼは逃げ出したのかしら、せっかく結婚できたのに、年老いて息子に後を任せているようなご老体とですが。
「かなりボロボロだったからね、でも誰もそいつらの事を信じて無くて石なげられていたよ」
「あら……」
 ちょっと可哀想。哀れですわね。
 でも慈悲の心は持ちません。
「処刑や処遇は貴方に任せて良いかしら、私したい仕事があるの」
「勿論だよ、愛しのフィミア」
 そう言ってルカード様は私に口づけをします。
 少し恥ずかしいですが、さて、やることをやらなければ。


 私は身分が低いという理由だけで不遇な扱いを受けている他国の友人達に声をかけました。
 声をかけると言っても手紙を出すだけ。
 こちらでは貴賤問わず研究などを行うだけの準備がある、もし貴方が来たいならどうぞ。

 という内容の手紙に、皆やってきた。
 開発の栄誉を取られた人、身分が低いから基礎しかさせてもらえない人など、色々居ますが、御真祖様が用意した研究所で基礎も大事にしつつ思い思いの研究を始めました。

 その結果──

 魔法を使わない明かりがついた柱が各地に立ち、夜でも人が安心にすすめるようになり、またその明かりは太陽光ではないので吸血鬼にも無害というもの。
 これを筆頭に様々な開発や研究がされました。

 国は豊かになる一方です。




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