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君を守るため
少し困る副作用 ~色々と思うこと。それでも……~
しおりを挟む二週間グリースはルリの世話をしつつルリと、自分の体の調査も行った。
分かった事と言えば、自分の体はルリのフェロモンを受け取っても何も反応しないというのが分かった。
つまり、ルリが他の人間や不死人や、吸血鬼に影響を与えるフェロモンは自分には無害そのもので、他の連中のようにフェロモンで欲情するまた理性を一時的にぶっ壊されて欲望のまま動くということはないことが証明された。
そして自分がいる時は悪さをするルリのフェロモンも中和されるのが分かった。
フェロモンに左右されるあの二人は大変だなぁとグリースは他人事のように思った。
また偽造妊娠薬はきちんと効果を発揮していた、ルリのフェロモン、特にある種悪さをするものがルリから発せられなくなったのだ。
また、何となくだがルリに時折起きる発情にも効果があるように思えた。
妊娠していると体に嘘をついているのだから、妊娠させようとする発情も起きないのも納得できた。
この薬を服用すると、稀に精神的に攻撃的になるというのがあるがルリには副作用としてでてこなかった、それに少しだけ安堵した。
ただ、体には副作用は現れていた。
胸が張って、汁――基母乳が出る様になっていた。
少量ならルリに少し我慢してもらう――という手が取れたのだが、量が少々予想外だった。
「あ゛ー……ちょっと俺が予想していたのよりも出てるなぁ……」
ベッドでルリが上半身裸になっている、グリースはその正面に座るようにしながらルリの胸を触る。
小ぶりだった胸が予想よりもちょっとばかり大きくなって張っているのが分かった。
胸の先端から白い液体がだらだらと零れている。
「どうりでブラジャーも濡れる訳だよ……妊婦さん用のブラジャー買ってくるか……? 汁吸ってくれる奴ついてるの」
グリースは胸の先端部らしい部分から濡れた痕がついているルリのブラジャーを見て言う。
「……ごめんなさい」
「いや、これはルリちゃんは悪くない、薬が原因だからね。しかしここまでこの副作用が強くでるのは予想外だよ本当……ルリちゃん、胸苦しい?」
「ちょっと張って、痛い……」
「……ルリちゃん、胸搾れる?」
「うーん……」
グリースが言うと、ルリは胸の先端を搾った、白い汁がたらたらと零れる。
「……全然良くならない……」
――あー、何で何か解決すれば別の問題とかでるわけマジで!!――
――神様って本当悪趣味だな、死んでくれ!!――
グリースはふうと息を吐きながら、ルリの胸に触る。
「……?」
「多分ルリちゃんのやり方だとあんまり出てこないから、俺にやらせてくれる?」
「……うん」
ルリはこくりと頷いた。
グリースはルリの胸を触りマッサージをする。
おそらく妊婦のように母乳を作ろうと体が働いているのではないかと考え、それ用にマッサージを施してから、全体に刺激を与える様に絞ってやる。
「っ――!!」
勢いよく白い汁が胸の先端から噴き出した。
暫く絞ってやると、両胸とも勢いが弱まり、たらたらと汁が零れ、そして出なくなった。
「……うん、胸の張りも一時的だけどとれたね」
「ん……」
「寝る前とかにやれば胸の張りで寝られないとかはなさそうだね」
グリースは汁で汚れた上着を脱ぎながら、ルリの新しいブラジャーを取り出そうとベッド近くのタンスに手を伸ばそうとしたところ、ルリがくいくいと袖をひっぱっているのを感じ、ルリの方を向くとルリが顔を赤くして切なげな表情をしている。
グリースはそれを見て硬直する。
――あれー?――
――もしかして俺やっちゃったー?――
――バレたら後でアルジェントに確実に俺の命狙われるわ……いや、死なんけど――
「……ルリちゃん、どうしたの?」
グリースは念のためルリに何を求めているか聞くことにした。
「……して」
――はいやっぱりー!!――
――毎回こうだったらあいつの城に帰した時結構やばいぞこれどうしよう!?――
「――分かった、念のため避妊薬とか持ってくるから待ってて」
「ん……」
グリースは急ぎ足で薬などを取りに行き、戻ってくる。
ルリはズボンやショーツもぬぎもじもじとしていた、また胸の先端から汁が再び垂れ始めている。
――わー……なるほどこれは一部に受けたわけだは、そういうプレイ目的で……――
ルリの状態を見つつも、グリースはどこか遠い目をした。
「……グリース?」
「あーちょっと人の性癖って本当色々だなぁって考えてただけ」
「……?」
ルリは分からないと言わんばかりに首をかしげている。
「ルリちゃんは分からんでいいよ、じゃあ俺も脱げばいい?」
「ん……」
ルリはこくりと頷いた。
グリースは持っている薬をルリの口に入れてから水を飲ませ、それから服と下着を脱いだ。
裸になってベッドに乗っかるとルリの頬を撫でる。
「ルリちゃん、いつも思うけど、俺裸になったりして怖いとかない?」
「……」
ルリはグリースの性器を見ない様にグリースの事を見始めた。
男性的かと聞かれたら少しだけ疑問が残る、女性的と聞かれてもわからない。
薄い胸板なので、男性より、だが筋肉な要素はない。
くびれもソコ迄ない、男性より。
グリースの性格と態度と行為などから、グリースは男性よりだと思っている。
だが、問題はそこではなかった、女性だろうと男性だろうと、自分より力が弱いものを力で抑えつける輩が居る、ルリが苦手な種類の存在だ。
他にも恐怖を与えて自分の思うが儘にするタイプも苦手だ、ルリにとってはこの間襲って無理やり行為に及んだアルジェントと真祖がそれにあたる。
グリースはどれでもないのだ、良き者が持つ包容力と慈愛を持ってルリに接してくれる。
「愛」してくれているのに、「愛」を返すのを要求しないというところも酷く心地よかった。
ルリは未だ自分を「愛」している三人の内、誰も「愛せない」のだ。
これにはルリも困っていた。
一番自分にとって心地の良い、グリースを「愛」するのが精神的に落ち着くだろう、でもそれが未だにできないのだ。
何故できないのか自分にもわからない、どうして自分は誰かを「愛」せないのだろう、他に誰か自分が「愛」する者がでてくるのだろうかと疑問すら湧いてくる。
グリースの事を恋愛的な意味で好きになり、彼を選べたらきっと幸せなのにとルリはここをの中で思ったが、口にはださなかった。
言ってしまったら不味いことになるのは分かっているからだ。
今はグリースに保護されているが、話を聞く限り未だ自分は「真祖の妻」その立場は変わらないということに。
ルリとしてはその立場、誰か変わってくれないかと祈ってしまう。
アルジェントの「愛」も、真祖の「愛」も、自分に辛くて無理強いをしてきて苦しいのだ。
立場としては真祖を「愛」せと周囲は要求するだろう、でも今のルリには苦しすぎるのだ。
だから、未だグリースの隠れ家でグリースに大切に抱かれる日々に浸かっている、その日々から出るのが怖いのだ。
グリース以外が怖いのだ。
「……怖くない」
ルリは少し顔を赤くしたままふるふると首を振った。
「そっか、ありがとう」
グリースはそんなルリを見て微笑み、彼女の唇にそっと触れるような口づけをしてルリを押し倒した。
優しく体を愛撫し始める、手で、口で、舌で、優しく愛撫する。
汁を出し、敏感になっている胸の先端を舌で舐り、しゃぶる。
「あぅ……」
――あ、少し甘い、母乳飲んだ記憶ないけど、ミルクと変わらないなら、少し甘いのか?――
グリースはそのまま、手と口で胸を愛撫する。
たらたらと汁が垂れ、体と手を汚す。
ルリは声を殺してぴくぴくと体を震わせた、軽く絶頂したようだ。
グリースは胸の愛撫を止めて、愛撫でとろとろと濡れ始めた秘部にローションで濡らした指を入れる。
グリースは思う、ルリの秘部は何度情事を行っても、綺麗なピンク色で、ナカは良く締まり、それでいて敏感だ。
男からすれば好ましい体なのだろうと考える。
不死人なのもあるだろうが、綺麗なままというのもすごいものだと感じた。
膣内の愛撫で愛液でぐっしょりと濡れたソコに、自身の雄を挿入する。
愛液で濡れ、締め付けのよい膣内をゆっくりと突き上げながら奥を刺激する。
「あ、やぅ!!」
ルリは声を上げて、体をのけ反らせる。
粘質な音が響く。
グリースは、ルリの唇に深く口づけ、愛で、それが終わると、たらたらと汁を垂らす胸の先端を舐った。
深く繋がりながら、体を愛でる。
貪るのではなく、一つ一つ慈しむように、大切に愛でる、壊れてしまわぬように大切に。
ずるりと雄を抜くとごぷりと秘部から精液が零れる。
ルリはふぅふぅと息をしながら、腹を撫でていた。
グリースはルリの頬を撫でてから、ルリの腹を撫でる。
誰かの子を宿せば、現状は大きく変わるだろうが、どちらにしろルリへの肉体的、精神的負担はかなりのものになる。
だから誰もルリを孕ませるのは避けている、誰が父親であれ、生まれてくる子どもはおそらく普通の子ではないだろうから。
不死人になってしまったあの日から、きっとこの子は普通の幸せは手に入らないだろう。
グリースは裸のままうとうととし始めているルリの頬を撫でる。
それでも、幸せになることを願ってしまう、身勝手だと分かっていながら。
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