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君を守るため
こわい!! ~信頼した俺がバカだった!! 畜生!!~
しおりを挟むグリースはまずったかなと思いながらルリを抱きかかえたまま背中をとんとんとさする、まるで幼子をあやすように。
アルジェントは悔しそうな忌々しそうな表情をしているが、ここまで怖がられているなら大丈夫かなとグリースは別の意味で安心した。
「いいか、お前は、お前らはルリちゃんから恐怖対象で見られてるんだ、接触とか世話は最低限にしろ、近寄るなよ、ルリちゃんがダメージ喰らう可能性が出るからな」
「ぐ……」
「ヴァイス、其処にいるんだろう」
グリースが呼ぶと、ヴァイスが姿を現した。
ヴァイスの姿を見たルリは顔色をより真っ青にしてグリースの胸元に顔をうずめた。
「……ルリちゃん、少しだけ我慢して俺の目を見てから周囲を見てくれる?」
「……? ……ん」
ルリはこくりと頷くとグリースの灰色の目を見た。
ルリの瑠璃色の目と灰色の目の視線が重なる。
「――ルリちゃん周囲を見てくれる?」
「……ん」
ルリが周囲を見渡すと、グリースは表情を歪めた。
診た通り、ルリの視界では、ヴァイスとアルジェントの顔は黒い仮面で覆われて見えないのだ。
グリースはルリの聴覚と感情を同期させる術を発動させる。
「……おい、ヴァイス、アルジェント、ルリの名前を呼んでみろ」
「……ルリ様どうなさいました?」
「ルリ、どうしたのだ?」
ここでも異常に気付く、ルリの不安や恐怖感情が一気に胸に入ってきて、その上声が自分が聞こえているものよりも何処か恐怖を感じさせるような声色になっている。
脅すような、危害を加えるような、そんな色が付与されているのを感じ取った。
グリースは同期を全て止めてふうと息を吐いた。
「残念なお知らせだ、ルリちゃんにはお前らの顔は全く見えていない、声は脅すような危害を加えるようなもんが付与されて聞こえている、お前ら二人とも恐怖対象だ、だから明々後日には俺は連れ帰る」
「――今すぐではないのか?」
「本音は今すぐだけど、今ちょっと人間政府関係で手が離せない事案が出てきたからそれを今日と明日で片づけるから、それまではお前らくれぐれも扱いに気をつけろ、いいな?」
グリースはそういうと、ルリに薬を飲ませた。
睡眠薬だ。
「ルリちゃん、明々後日、迎えに来るから。今日はもう寝ちゃいな?」
「……ん」
ルリはうとうとしはじめ、グリースはルリをベッドに寝かせて毛布をかけて額を撫でる。
ルリは目を閉じ、すやすやと眠り始めた。
「いいか、お前らマジ気をつけろよ」
「……」
ヴァイスは何も言わずその場から姿を消した。
「あの野郎」
グリースは返事がないことに一抹の不安を抱えながら、アルジェントを睨みつけてそして部屋から姿を消した。
部屋からグリースが居なくなると、アルジェントはルリに再び近寄った。
「ルリ様……何故なのです……?」
アルジェントは眠って目を覚まさないルリに問いかける。
グリースの言ってることは基本嘘ではない、アレはよほどのことがない限り嘘はつかない。
真実ばかり語って、自分たちを苦しませる、忌々しい存在だ。
アルジェントはルリの薄紅の唇に触れる、柔らかい。
堪え切れず、そっと口づけをする。
触れるだけなのに、酷く甘く感じた、甘美な果実を貪るかのように貪りたい気持ちを堪えて触れるだけで抑えて、急いで部屋を出て行った。
自室に戻り、アルジェントは部屋に鍵をかけるとずるりと扉にもたれかかりながらその場に座り込んだ。
頭を抱え込む。
どす黒い感情が噴き出る、頭の中がルリを汚す思考で汚染される。
アルジェントはその汚れた感情に耐えきれずその場に蹲った。
ヴァイスは自分の寝床である棺の中で、頭を押さえた。
喉が酷く乾く、体を貪りたいという衝動が抑えられない。
ヴァイスは自分の中に出てきた欲を何とか抑え込もうとその日、棺から出ることはなかった。
ルリは目を覚ました。
枕元のスマートフォンを見ると寝た日の次の日になっていた。
明日になればグリースが迎えに来てくれる。
ルリはそれが安心材料になっていたのか、ほっと息を吐いて安堵の表情を浮かべた。
部屋の扉が開く音がした、ルリはびくりと体を震わせた。
がちゃりと鍵のかかる音、何か高い音がルリの耳に入る。
ルリはぬいぐるみの手を握りながらガタガタ震える。
「ルリ様」
酷く恐ろしい声が耳に届いた。
振り返るのが怖くてできない、恐怖で声も出ない。
黒い仮面を付けた男はルリに近寄り、ルリの口の中に何かを押し込んだ。
ルリはたまらず吐こうとした。
「お飲みください」
恐ろしい声に反応して飲み込んでしまう。
「いい子です」
仮面の男はそういうとルリの服をはぎ取った、ショーツだけの恰好になる。
ルリはガタガタと体を震えさせてなんとか逃げようとしたが、体を押さえ付けられる。
恐怖で声が出せない、助けを呼べない。
「……!!」
指がナカに入ってくる、痛みしか感じない。
痛みに口がはくはくと動く、痛みによる声は出せない。
膣内の膣肉をむりやり広げられる感触が酷く辛い、その感触にガチガチと歯を鳴らしていると、ぬるりとした物体が膣内に入ってきた。
「!!」
声は変わらずでない、湿り気のあるような、厚みのある肉質的ですこしざらりとした物が膣内を蹂躙する。
しばらくするとその物体が膣内からずるりと出て行った、その時何が入ってきたのかルリは分からなかった。
「ルリ様、挿れますね」
ルリは声は出せないが体をよじったり、首を振って拒絶したが、がっちりと腰を掴まれ、一気にそれはナカに入ってきた。
ルリはナカに入ってきたそれが男性器であるのが分かった。
ソレは遠慮なく、膣内の奥を突き、脳にびりびりと強い快感が押し寄せてくるのが非常に怖かった。
――壊される、私が、壊される、ぐちゃぐちゃにされる――
ルリは声が出ているなら絶叫して、助けを求めている状況で必死に自分を保たせていた。
仮面の男の仮面がずるりと突如ずり落ちた。
「ルリ様、愛しておりますよ」
独占欲や支配欲、所有欲に汚れ切った、アルジェントの表情がルリの目に映った。
ルリはぶつりと意識を飛ばした。
ルリが目を覚ますと、時間は夜になっていた。
お腹には違和感が残っていた。
アレが悪夢ではなく現実だと分かり、ルリはガタガタと震えた。
そして夜――
――とても、怖い、人、が、来る――
ルリがガタガタを体を抱きしめ、震えていると闇が部屋の中に入ってきて人型をとる。
ルリの蒼白の顔が更に青白くなる。
黒い仮面をつけた、巨躯の男が立っていた。
男から荒い呼吸が聞こえてきた、ルリは後ずさり逃げ出そうとしたが腕を掴まれ転移させられた。
棺と巨大なベッドがある部屋、ルリは体を抱きしめて後ずさるが男はルリの腕を掴み、強引にベッドに寝かせられ、服が消えた。
口を塞がれる、口の中に舌が入ってくる、酷く気持ち悪い、それなのに体は勝手に快感を拾っているのが更に気持ち悪くて耐えがたかった。
口を開放され、必死に呼吸をしていると、頭と肩を掴まれて次は何が起きると思っていたら首に牙が食い込む感触が走る。
「~~!!」
強い快感が脳みそに伝わり、とても怖くなる。
首から牙がぬけると、ルリはぐったりとベッドに力なく横わたっていた。
膣内に指が入る、少し動いて抜かれたと思ったら、前同様湿ったぬるりとした物体が入ってきた。
ルリは歯をガチガチと鳴らしながら耐える。
ぬるりとした物体が抜かれると、再び指が入ってきて、膣内を広げるかのように本数が徐々に増えていく。
みっちりと膣内が広がると指は全て抜かれ、ぽっかりと開いているのが分かる、外気が膣内を少し刺激する感触が酷く怖かった。
ずり、と明らかに違う圧迫感のある物体がすりつけられ、ゆっくりとナカに入ってくる感触に、ルリはシーツを掴む。
――早く、終わって、いや、怖い――
ルリはカタカタと震えていた。
膣内を圧迫するようにソレは入ってきた。
みっちりとナカは広がし、奥は押しつぶされる。
酷い快感だが、それがルリには苦痛だった。
突き上げられ、のけ反り、シーツを掴んで、びくびくと震える。
恐ろしくてずらした視線を、自分を犯している相手にやれば、顔の仮面がずるりと落ちた。
「ルリ、愛している」
真紅の目をした、独占欲に満ちた表情の真祖が目に映る。
ルリは再度意識を飛ばした。
迎えに来る日、グリースはちょっと早めにヴァイスの城のルリの部屋に入ってきた。
「ルリちゃん……まだ早いか」
と思いながらルリの顔を覗き込む、グリースは目を疑った。
彼女の顔色は非常に悪く、眠っているというよりも気を失っているという感じが強かった。
「ルリちゃん、どうしたルリちゃん」
グリースが慌ててルリを、揺さぶるとルリは目を覚ました。
ルリはグリースを見ると、目に涙を浮かべてグリースに抱き着いてきた。
声は全く聞こえない。
グリースは慌てて、ルリを「診た」、その直後グリースの表情は歪んだ。
「ヴァイス……アルジェント……テメェら何やってやがんだこのド阿呆共――!!」
グリースの怒声が響き渡った。
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