不死人になった私~壊れゆく不老不死の花嫁~

琴葉悠

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君を守るため

ぐあいがわるい ~何でこんな時に!? あと今後を考えたくない~

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 グリースはルリを抱きしめながらベッドに横になっていた。
 寒くない様にブランケットをかけている。
「……」
 ルリの状態をよくするには何をするべきか、グリースは悩んでいた。
 ルリは少しは体が動くようになったのかスマートフォンで動画を見ている。
 ゲームの実況動画だ。
 実況者は縛りプレイなどせず、普通にプレイしてるだけだが、ルリにはそれがいいらしい。
 まぁ、ゲームのプレイスタイルは人それぞれだとグリースは思っている。
 やり込みプレイは分かる、世界最速も分からなくはない、ただ、寝る時間も削ってやるというのが分からなかった。
 寿命がない不死人だったらやっても別にいいだろうが、ゲームプレイヤーの多くは人間か吸血鬼だ、どっちも睡眠を削るのは毒だ、特に人間。
 陽光がアウトな程度の吸血鬼がやったら自殺行為そのものでもある。

 ゲームを作ることに関しては吸血鬼よりも人間の方が長けている、人間が吸血鬼に長けていることの数少ないことの一つだ。
 宗教の束縛がほぼない現在では、色んなジャンルのゲームが生み出されている。
 吸血鬼がモンスターとして出るゲームもある、が割とそういうゲームも吸血鬼がプレイしているのをよく見る。
 実況動画で盛大に「自分たちはこんなに雑魚じゃねぇぞ!!」と文句を言ってるが。
 勿論逆パターンもある「おい、何で朝こねぇんだよ!!」とか「聖なる物ぶつけてんだぞなんでくたばらねぇんだ!! 俺ならとっくにくたばってるのに?! 真祖様じゃねぇんだからさっさとくたばれ!!」とかそういうタイプの文句もある。
 さすがに真祖であるヴァイスをラスボスにするゲームは無いが。
 出したら多分会社がつぶれるじゃすまない。

 ルリが突然、動画を見るのをやめた。
 そして自分にすり寄ってきた。
「ん? どうしたの?」
 グリースはルリの髪をすきながら問いかけるがルリを見る、グリースの顔が引きつる。
 ルリの顔が真っ赤だ、呼吸が荒い、脚をすりつけてきている。

――何でこんなヤバい状況の時に発情きちゃうのー?!――

 フェロモンが薄い状態だし来ないだろうと甘く見ていたのだ。
 こんなルリに術を一つかけるのさえも危うい、どうすればいいとグリースは心の中で頭を抱える。
 ルリの発情は一度出たら、性行為――セックスをするまで治まることはない。
 日に日に症状が悪化し、ルリが苦しい思いをするだけだと知っている。
 こんな状態のルリに精神を悪化させる原因の性行為に及ぶのは非常に嫌だった。
 術で眠らせれば今まで良かったが、ルリの精神の状態が術で眠らせても起こすことができる状態だったからだ、今は眠らせてしまうと永遠に眠り続ける恐れがある。
 だがこうぐだぐだ悩んでいると症状は悪化していく、グリースは嫌われるの前提で覚悟を決めた。
「ルリちゃん、今君は発情してる」

『やっぱり、なんか、おなかとか、おかしいから』

「今までなら眠っている間に対処してたけど、今君に眠りの術をかけると永遠に眠り続ける恐れがあってそれができない」
 グリースはルリの頬を撫でながら言う、酷く熱い。
「――起きてる状態で俺とすることになるけど、我慢できる?」

『あんまりこわくしない』

「しない、本当最低限で終われるよう努力する」

『じゃあ、がまん、する』

「……ごめんよ」
 グリースは申し訳なさそうな顔をしてから起き上がり、避妊用の薬を取りに行く。
 事前に飲む用と、膣内で潰して使用する緊急用両方だ。
 発情時はコンドームを使った避妊は意味がない、体内に精液を出さなければ鎮まらない。 だが、薬なしで出すと確実にルリは妊娠してしまう、一発で。
 グリースは冷蔵庫から水入りのボトルを取り出し、事前に飲む用をルリの口に入れ水で流し込ませる。
 ルリが薬を飲んだのを確認すると、ルリの頭を撫でる。
「何か必要なもの他にある? これがあると安心するとか?」

『ぬい、ぐるみ』

「うん、持ってきてるよ」
 ベッドの横にあるぬいぐるみをグリースは持つと、ルリに渡した。
 ルリはぎゅっと抱きしめている。
「じゃあ、がまんできる?」

『うん』

 ルリはぬいぐるみをぎゅっと抱きしめたまま目をつぶっている。
 かなり怖いのだろう、不安なのだろう。
 グリースはなるべくはやく済ませようと、ルリのパジャマのズボンを脱がせてから、ショーツを脱がせる、ショーツは愛液でぐっしょりと濡れている。
 後で新しいの履かせてこれは洗濯だなと思いながらブランケットをめくり、濡れているソコに指をそっと這わせる。
 膣内に指を入れて、優しく愛撫する。
 膣肉はぎゅうぎゅうと締め付けてきてポルチオの部分にすぐ触れるくらいだ。
 ルリの表情がより赤くなり、熱っぽい艶っぽい息を吐き出している。
 体が震えている、少し動かすだけでびくりと跳ねる。

――あー……相当敏感になってるなこれ、いや、元からかなり敏感な子だったけど――

 ポルチオ部分を撫でてみると体を震わせ丸まって、潮を吹きシーツにシミを付けた。
「……」

――よし、愛撫はもういらんな、かなり濡れてる、愛撫続けてたらルリちゃんの体が余計ヤバくなる――

 グリースはなんとか気合で雄を勃たせて、濡れたソコへとゆっくりと挿入した。
 膣肉が締め付け絡みついてくる。
 早く精液をよこせと言わんばかりに。
 グリースは本当なら、ガツガツと突き上げてさっさと射精したいが、それをやると一気に来る強い快感にルリが怖がる恐れがあった。
 仕方ないのでゆっくりと腰を動かしつつ、目を瞑ってぬいぐるみを抱きしめているルリの頬を優しく撫でつつ、彼女の表情の変化を気にしながら性行為を続ける。
 最奥に軽く接触してしまったのかルリは口を開けた、多分嬌声が上がっているだろう声が出ているなら。
 膣肉がぎゅうと強く締め付けてきたのでグリースはそれに促されるように膣内で一度目の射精をする。
 ルリの表情を見る、まだ顔が赤く、息も荒く艶っぽい。

――後何回だ?――

 不安になりつつも、僅かに目を開けたルリの頭を撫でて、瞼の上にキスをする。
「もう少し頑張れる?」

『う、ん』

 ルリの様子からかなり無理をしてるのを感じ取った、
 グリースはルリに時々声をかけて、様子を見つつ行為を続けた。

 四度目の射精で、ルリの様子に変化が出た、顔の赤さが元の色に戻り、吐息も正常に戻りつつあった。
 グリースはずるりと雄を抜いてしまうと、念のため緊急避妊薬をルリの膣内に入れて潰した。
 指を抜き、ティッシュで精液と愛液まみれの手を拭く。
「ルリちゃん、大丈夫?」

『うん、楽に、なった』

「よし、それじゃあ――温泉入ろう、汗でべとついて気持ち悪いだろう?」

『うん』

 グリースはブランケットをどけて、ルリを抱きかかえると、脱衣所に急いだ。
 術で変えの服を用意した上で、ルリの服を脱がせ、自分も服を脱ぐ。
 使い魔に脱いだ服と、ベッドの上のショーツとズボンも洗濯するよう指示を出して温泉に向かう。
 お湯で汗などを洗い流す。
 ルリの恥部からどろりと精液が零れていたのを見ると、ルリは少しお腹の中の感触があまり好ましくないようだ。
「ルリちゃん、どうしたの?」

『だしたの、ぜんぶ、かき、だして』

「え゛、い、いやいいけど、意識ある状態でやるの大丈夫なの?!」
 ルリの口の動きを読んで、グリースは慌てて答える。

『がまん、する、なんかえきたいがきもちよくてぞわぞわして、こわいから』

「あー……分かった、ダメなら俺の腕つねってね」
 グリースがそういうとルリは頷いた。
 グリースはルリをシャワーのある場所に抱きかかえて連れていき、シャワーヘッドを掴み、お湯を出させる。
 後ろからルリの恥部のとろとろと精液を溢している箇所にシャワーを当て、指を入れてかき出す。
 ルリは荒い艶っぽい呼吸を吐き出しながら、我慢しているのが分かった。
 暫くかき出し続けていると、精液はでてこなくなり、膣内に入ったお湯だけがでてくるようになったのが分かるとグリースは止めた。
 前かがみに倒れそうになるルリを抱き抑えながらシャワーヘッドを元のところに戻す。
「よーし、よく我慢したルリちゃん」
 グリースはルリの頭を優しく撫でて抱きかかえると温泉に浸かる。
 ルリはふぅふぅと息をしながらぎゅっとグリースの首に腕を回して捕まっていた。
 グリースはちらりと、ルリの下腹部を「診る」ことにした。
 受精も着床も行われていない。
 グリースはふうと安堵の息をつく。
 妊娠していないことに安堵したのだ。

 これで妊娠させてしまったら、確実にヴァイスとアルジェントとヴィオレ達に総攻撃されるどころじゃすまない。
 特にアルジェントの攻撃がヤバいのが目に見えてる、アルジェントは確実に自分の事殺そうとしてくるだろう。
 ヴァイスは攻撃はしてくるが、ルリの反応次第では受け入れるだろう。
 ヴィオレはヴァイスの命令で止めるだろう、だが、アルジェントは絶対やめない、確実に自分を殺しにかかってくる。

 グリースはそんな想像をしつつ、ルリを見る。
 あれほど動きが鈍かった体はまだ歩くには不安が残るが少しずつ動けるようになっている。
 そして考える、いつ頃城に戻すのか、その話をするのか。
  その時が来るのを考えると気分が一気に憂鬱になった。




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