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壊れゆく花嫁
色々怖いけど今はこの従者が怖い!!
しおりを挟むルリが意識を取り戻したのは昼過ぎだった。
何か口の中に不快感があるが、よく覚えていない。
グリースとの行為も、途中から気持ちよすぎて意識がぶっとんでいた気がする。
ただ、体内に何かを出された気配はない。
確かコンドームつけていたなぁとルリはぼんやりと思い出す。
グリースの行為は真祖やアルジェントのと比べると正直比較にならない程優しく感じた、自分を甘やかすようなそんな思考が蕩けるような感覚があった。
それでもセックスに正直自分の意思と反してされたのは事実だったが。
このままではセックス中毒まっしぐらじゃないかと不安も覚えた。
とにかく起きようと思い体を起こすと視界にアルジェントの姿が入る。
自分の恰好はキャミソールのみ、パンツは履いてない。
「ギャー!」
みっともない恰好をいつから見られてたのかわからず声を上げる。
パンツ何処だと探すと足元にあった。
手にして毛布をかぶって慌てて履く。
あと、服はどこだっけと混乱しながら周囲を見るがどこにもない。
「――奥方様」
どこか怒りが混じっているような口調でアルジェントが言葉を発した。
ルリは毛布から顔を出し、アルジェントを見る。
表情がいつもの無表情ではない、明らかに怒っているし、不愉快そうな、苛立っているような、昨日のよりももっと感情が露わになっている、そんな印象を受けた。
「お召し物を全て御脱ぎください」
「え?! や、やだ!! これ脱いだら裸に――」
アルジェントが近づいてきた。
ルリが纏っているキャミソールを脱がせる。
「ぎゃー!」
ルリは胸などを手で隠した。
アルジェントは使い魔にキャミソールを渡すと使い魔はそれをもって部屋から姿を消した。
「私は申したはずです、グリースだけには体を許さぬようにと」
アルジェントはルリの両手を掴んで、怒りも隠さずに言う。
「それはその……」
ルリは目をそらしている、グリースとの行為に抵抗らしい抵抗をしたのを感じられなかった。
抵抗して無理やりされたなら怒りを収められそうだった、どう見てもそれを感じられず怒りと嫉妬で脳が焼け焦げそうだった。
「抱かれただけでなく、アレの薄汚い精液を口で飲み干して」
「え゛」
どうやら記憶にないようだ、ルリは口を触っている。
アルジェントはルリから手を離し薬と水入りのグラスを出現させた、薬は避妊薬。
ルリに差し出す。
「え、この薬……」
「お飲みください」
「薬はその……」
「お飲みください」
口調に怒りを込めていくと、ルリは恐る恐るアルジェントの手から薬を受け取り口に入れ、水で飲み干した。
空になったグラスを受け取ると、アルジェントはグラスを転移させてその場から消した。
「奥方様」
アルジェントの言葉にルリの体はびくりと震える。
これからアルジェントがしようとしていることを怖がっているように見える、だが、アルジェントはグリースに汚されたままの体が我慢ならなかった。
薄汚い精液で口や体内まで汚しているのが我慢ならなかった。
自身の雄を取り出す。
「ひっ?!」
初めて男性器を見たのか、ルリの顔がこわばる。
今までの性行為では主も、あの忌々しいグリースも、自分も配慮して男性器が見えない状態にルリを追い込んでから挿入していた。
経歴から、多分初めて見たのだろうと思えた、そしてそれで何をするか全く理解できていない表情をしている。
「咥えてください」
「や、やだ、無理!」
「グリースの精液を飲んだのでしょう?」
咎めるように言えば、ルリはしばらくこわばった表情してから、目をぎゅっと閉じ、アルジェントの雄を掴んで、怯えたように口を開いて咥えた。
「もっと深くです」
アルジェントがルリの頭を押して深く咥えこませると、ルリは目を開いてから苦しそうな表情を浮かべている。
アルジェントはこの体勢でいることを幸運に思った、ルリにこんな歪んだ笑みを浮かべた表情を見せられないのを理解しているからだ。
ルリは口の中を占領する雄に苦しんだ。
吐き出したい、気持ち悪い、変な感触がする、ともかくこんなのを咥えていたくなかったがアルジェントがそれを許してはくれていない。
「歯を立ててはなりませんよ、そして舌を動かしてください、私が出すまでこのままですからね」
アルジェントの発言にルリは血の気が引いた。
この行為――とりあえず実家で何をされるか分からないから調べた性行為の知識ではフェラチオ、だったはず、フェラチオでアルジェントが射精するまでこのままというのは嫌だった。
舌を動かし、口の中を犯す不快な物質が早く出て行ってくれることを願う。
アルジェントは背筋にぞわぞわとした何とも言えない感覚に浸っていた。
主よりも先にこのような行為をルリにさせたのにはやってしまったという意識は無いわけではない。
主はまだしないだろうというのは理解できた、そもそも主のがルリの口に入るかと聞かれたら答えにくいサイズだから。
そうして何もしていないと、きっとグリースは口淫もルリにさせるだろう。
どろどろに快楽にびたりにした状態で、自分の思うままに言うことを聞かせて。
そうやってアレはルリを自分好みに穢していこうとしている、それだけは断じて許せなかった。
ルリは苦しそうに舌でまだ勃起していないアルジェントの雄を舐めて奉仕している。
つたない口淫だ、初初しいのに必死にやる様に興奮した。
「奥方様もっと全て舐めるように」
「う゛……」
苦しそうな声を出しながら、アルジェントの言葉に従ってルリは雄を舌で舐め、口淫を行う。
吸うように言えば吸い、亀頭も舐めるように言えばそこも舐めた。
ルリは早くこの苦行から逃れたくてアルジェントの指示に必死で従った。
口から唾液と、雄から出てきた液体がまじりあって垂れる。
液体が非常に不味い、吐き出したい、気持ち悪い、そんな感情が膨れ上がる。
そして、何で自分がこんな目に合わないとならないんだと、辛くて仕方なかった。
頭を動かし、舌で舐め、口で刺激を与え、質量の増すそれを咥えながら、ルリはフェラチオを繰り返す。
つたない口淫だが、それでも時間を――否、この状況がアルジェントを興奮させていった。
心から愛する人を、こうやって穢せるのが酷く興奮させた、一目見たときから愛してしまった女性を僅かにでも自分の色に染めれるのが嬉しくてたまらなかった。
「……出しますよ、飲んでくださいませ」
アルジェントはいつもの口調でいい、ルリの鼻をつまんだ。
そしてルリの口の中で射精する。
「んぶっ……!?」
ルリは目を見開いて、震える、少しして飲み込む音が聞こえた。
ずるりと射精して少し萎えた雄をルリの口から抜くと、ルリは目元に涙をにじませながら咳をした。
「奥方様、口を見せてください」
ルリはうつむいていたが、語尾を強めてもう一度言えば顔を上げ、口を開いた。
口の中には白い液体がわずかに付着していた。
アルジェントは満足そうな顔をしたいのをぐっとこらえ、いつもの表情でそれを見る。
「真祖様が所望の時もきちんと飲み込むようにしてくださいませ」
アルジェントは自分の本心も欲望も押し殺しながら言う。
「ではここからが本番です」
「え……」
ルリが顔色を青くする。
「アレに抱かれたのですから、全て消さなくてはなりません」
ルリは怖くなった、まだ私に酷いことをするのか、と。
アルジェントの無表情が酷く恐ろしいものに見えた。
胸の先端を執拗に責められる、指でひっぱられ、つねられ、引っかかれ、押しつぶされる。
最初は痛いだけだったのに、執拗に責められ、じわじわと快感が生まれてきているのにルリは戸惑った。
「や、だ、もう、やめ」
「ここでイクまでダメです」
もどかしい感覚、真祖に液体をかけられた時のあの感覚がよみがえる。
アレは液体の効果なのに、今のはアルジェントの執拗な責めの結果から生まれている。
執拗に責められついに、強い快感が両胸の先端を走る。
「っ――!!」
のけ反り、背後のアルジェントの背中に持たれるような体勢になる。
乳首責めだけで達したのかルリは荒い呼吸を繰り返している。
アルジェントは次の段階に進める為、巨大な鏡を術で出現させる。
鏡には、赤くなったルリの両胸の先端や、ぐっしょりと濡れた恥部が裸体のルリとルリの後ろで服を纏ったアルジェントが写っている。
絶頂した余韻でぼーっとしてたルリだが、目の前にある鏡に気が付いたのか顔を真っ赤にした。
「やだ! これやだ、やめてよ!!」
「奥方様がどれだけ他の者たちが手を出したくなる存在なのか自覚してもらう必要がございます」
顔を反らそうとしたが、アルジェントは胸の先端を痛みが感じる強さでつねる。
「痛ぁ!!」
「反らしたら奥方様に痛みを与えさせていただきます」
アルジェントは自分の感情を表に出さないようにいつも通りの無表情と声色でルリに告げる。
ルリは顔が真っ青になった。
何を考えているか分からないこの真祖の従者が、何をするか分からなくて怖かった。
この体だとつけられた傷なんて後も残らないのを病院で聞かされた。
怖くて従うしかなかった。
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