不死人になった私~壊れゆく不老不死の花嫁~

琴葉悠

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壊れゆく花嫁

アンタら私に何したいの?!

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 アルジェントはルリのズボンと下着を一緒に脱がせた。
「いや、やめて! 本当!」
 ルリは心底嫌だった。
 グリースのように愛情要素があって触れられるならともかく、義務で、命令でそう言うので抱くというアルジェントの存在を拒否したかった。
「……真祖様のみがよいというなら止めます」
 アルジェントはそう言って動作を一時的に止めた。
「いや、それは……」
 正直真祖も嫌だった、昨日されなかったのがよかったとは思っているが、次がどうなるか分からない。
 きちんと返事をしないのを「否」と取ったのかアルジェントは行為を再開し始めた。
「だから、欲求不満とかじゃないって!!」
 否定してもアルジェントは止めなかった。
 へその下に手を当て押しつつ、舌を膣内へと入れた。

 たった二回の調教で出来上がっていた体は悦んでその二つを受け入れた。

 家に戻っている間に調べたことで分かった、真祖がしていたのとアルジェントが今している行為は子宮に刺激を与えて快感を与えるものなのだと。
 その行為に弱い自分の体が恨めしく思えた。
 子宮がきゅんきゅんとうずき、その下の――膣内も、酷く気持ちがいい。

 アルジェントは舌を抜くとルリのへその下を押したまま、膣内に指を入れた。
 ちゅう、と子宮口と指が接触するのを感じると。
 へその下を押したまま子宮口を責めるように愛撫する。
「~~~~!!」
 ルリはのけ反ってプシャと潮を吹き、恥部から愛液をだらだらとたらしぱっくりとひくついていた。
 アルジェントは指を抜くと、自身の雄をずりゅと膣内に挿入した。
 ルリは声にならない声を再び上げ、シーツを掴んだ。
 子宮口と膣内を刺激するように腰を動かし、めくった為あらわになったルリの胸に吸い付く。
 ルリの膣内がぎゅうと締まり震え、ルリが嬌声を上げたのを見て彼女が絶頂したのを見るとずるりと雄を抜いた。
 雄を仕舞い、ルリに服一度きちんと着させて、抱きかかえる。
 絶頂して思考が快楽浸りになっているルリは大人しかった。
「奥方様、湯あみに行きましょう」
 そのまま部屋を後にする。
 一度絶頂すると意識が戻るのが非常に遅いのか、ルリは抵抗する様子も何も見せずアルジェントに体の隅々まで洗われた。
 もちろん膣内も。
 着ていた服は使い魔に洗濯に出させ、体を拭き、綺麗な下着と綺麗な服を着せ、髪を乾かしすく。
 再び部屋に戻り、ベッドに寝かせるとアルジェントは一礼した。
「奥方様、真祖様がお目覚めになるまでしばらくお休みください。くれぐれもグリースには体を許さぬように」
 そう言って部屋を出て行く。
「アルジェント、奥方様は?」
 ヴィオレがアルジェントに問う。
「お休みです」
「分かりました」
「私は自室に戻ります、ヴィオレ様後はお願いいたします」
「分かりました」
 アルジェントはヴィオレが居なくなると早足で自室に戻り鍵をかけ、誰にもわからぬように術を施すと、口を押えて荒い呼吸をしながらその場に座り込み雄を取り出し自慰を開始した。

――奥方様を、ルリ様を抱いてしまった――

 許可は得ているのは事実だ、だが本当に抱けるとは思っていなかったのだ。
 一目見たとき、心を奪われた。
 お仕えできると知り、歓喜した。
 だが、仕える主の妻、本来ならこのようなことをしたら死刑では済まない、主がじきじきに許可を出してくれたおかげで今回抱くことができたのだ。
 今回薬を持っていなかったからあの体内に吐き出せなかった、次からは薬を持ち歩き体内に吐き出してもいいようにしよう。
 そう思いながら、ルリの体の感触、甘美なナカの感触を思い出して射精した。


 夕方ごろまで、ルリはぼーっとしていた。

――真祖の野郎、なんつー許可だしてくれやがったの……――

 そう思いながらベッドの上に居た。
 真祖以外の男か女か不明なグリースも抱こうとしてくるし、アルジェントにいたっては完全に性行為に及んだ。
 中に出してはしてこなかったが、次回もあったらどうなるか分からない。
「なんなんここ!? なんなんあいつ等!?」
 ルリは頭を抱えた。
 ルリは何故か、自分にかかわってくる男、一部性別不明もいるが、連中はみんな自分を狙っているような気がして怖くなってきた。
 いつも無表情で触れてこなかったのに突然あんなことをしたアルジェントが怖い、笑顔で優しいグリースも何か怖くなってきた、何をするか分からない真祖はもっと怖い、正直みんな怖くなってきた。
 だがこれを相談できる相手などいない。
 家族や友達になんか口が裂けても言えない。
 毛布をかぶって枕に顔を押し付けてじたばたとうごく。

――逃げ場がない!!――

 ルリは頭を抱える以外なかった、逃げる手段がある意味もう無くなったと理解したからだ。
 そして日が落ちた。
 ルリは顔を上げる。
 日が落ちる、つまり、眠っている真祖が起きるということだ。
 顔がこわばる。
 自分の周囲が暗くなる。
 振り返ると、真祖が立っていた。
「ギャー!!」
 声を出せたなと我ながら思った。
 真祖はベッドの上のルリを抱き上げる。
 闇が二人を覆いつくした。
 闇が消えると、真祖の部屋に移動していた。
「アルジェントから聞いた、グリースが其方を抱こうとしていたとな」
「げ」
 思わず声が出た、嫌な予感がした。
 真祖の雰囲気からして怒っているのが伝わってきた。
「グリースに触れられるのは嫌がってなかったそうだな」
 ルリは真祖から視線をそらす、脂汗が垂れる。
「アルジェントがお前の性処理をしたとも聞いている」
「いや、それはその」
 ルリは言い訳が思いつかなかった、一応拒否したのだが、多分それらも含めて全部アルジェントが真祖に報告しているのが予想できたのだ。
「……グリースを好いているのか?」
 怒りがこもった声で言う。
「……わかんない」
 ルリはそう答えるしかできなかった。
 異性もしくは同性をそのような気持ちで好きになったことなど一度もないのだ。
「……誰かを好いているのか?」
「……いない」
 真祖の問いに、答える、真祖もグリースもアルジェントも、好きという気持ちをもっていないのだ。
 誰も好きになってはいないのだ、正直全員どこか怖い。
「……そうか」
 真祖は落胆したような声色で呟いた。
 そしていつものようにベッドに向かう、ベッドに寝かせられるとまた服と下着が消えた。
 驚く気力がない。
 真祖が服を脱いでいく。
 見るのが嫌なので顔を見ない様にする。
 少しすると裸の真祖が自分を押し倒すような体勢を取っている風に見えた。
 口元に薬らしい物体を近づけられたのでおとなしく飲んだ。
 飲むのを確認したらしい真祖に昨日のようなキスを額や頬、口にされる。
 キスをされながら、体を触られる。
 そして、へその下に手が触れると、今までされたように押された。
 押され続けると変な気分――認めたくないが気持ち良くなってくる。
 頭が少しずつ気持ちよさに浸食されていった。


「あ、う」
 こわばった表情から快楽浸りの表情になったルリの頬を撫でながらヴァイスは接吻と愛撫を続ける。
「んっん゛~~!!」
 びゅくびゅくと恥部に愛液が滴り、陰核が充血する。
 ヴァイスは愛撫を続けると、ルリはのけ反って嬌声を上げて潮を吹いた。
 シーツが愛液と潮で汚れる。
 陰核を軽くつね、押しつぶすと、どろどろと愛液が零れて秘孔がひくつく。
 快感浸りのルリの首筋にキスをしてから、自身の雄を挿入した。
 ルリは舌を出して濁った喘ぎ声を上げていた。
 膣内にヴァイスの雄が全て収まる、子宮口を押している感触がある。
 発情して立った胸の先端を舌で舐り押し、吸う。
 腰を動かし、ナカを刺激してやる。
「あ、あう、やっぅ、ああ」
 可愛らしい喘ぎ声がルリの口から上がる。
 それからほどなくして、ぎゅうと膣内の締め付けが強くなる。
 ルリはのけ反り、体を震わせる。
 絶頂したのだ。
 締め付けは心地よいが、ヴァイスは満足しきってなかった。
 締め付けが強くなっている膣内の雄を動かし、子宮口を押し更に快感を与える。
「~~~~!!」
 ルリの口から声にならない声が上がっている、おそらく絶頂し続けているのだろう。
 体を愛撫しながら腰を動かし、ルリを愛でる。
 快楽浸りで、うつろな眼差しになっているルリの頬を撫で、口に深くキスをしてそのまま最奥に精液を吐き出す。
 それでも達したのかルリはびくびくと体を震えさせた。
 口を開放し、意識を手放したルリの頬を撫でながら雄を抜く。
 どろりと愛液と精液がまじりあってルリの秘孔からこぼれる。
「……他の男に体を開かせても私は怒らぬ」
 ヴァイスは意識のないルリを抱きしめて髪を撫でる。
「ただ私だけを愛してくれ……」
 懇願するように呟いたが、その呟きを聞いてほしい者には届かなかった。




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