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狙われる「花嫁」の体

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「最近零さんのあとをつけてる連中がいる?」
「ああ、異形じゃなく、人間でな」

 住処の会議室で、フエと慎次は話合っていた。

「ちょっと零さんに引きこもっていてもらって、私が対応するから」
「分かった」
「その間の護衛はお願い」
「ああ」

 そう言って二人は会議室を後にした。




 後日、零はフエと歩いていた、途中で別れ一人で歩いていた。
 すると人間の武装した連中が現れた。

「『花嫁』だ! 捕まえろ!」

 と号令を放つと銃口を向けてきた。

 零はゆらりと蠢き、武装集団を、蹂躙し始めた。
 銃弾を避け、武装集団を蹴散らしていく。

「守られてばかりの『花嫁』という訳じゃ無かったのね」

 女が現れる。
 三十代前後の女だ。

「私は貴方の体が欲しいのよ、その『花嫁』の不死の体が」

 そう言うと、更に現れた武装集団が銃口を向ける。
 零は何も答えない。

 銃弾を避けながら、武装集団を蹴散らすが、一発脇腹に貰い、倒れ込む。

「そこを動かないで」

 女は武装集団に命令する。

「貴方の体、頂戴するわね」

 と、いうとどこからとも無く笑い声が響いた。

『「花嫁」の体を奪う愚か者がいるとは笑い事にもほどがある‼』

 零の口から出た音は、フエの声だった。

「何⁈」

 フエがどろりと黒い肉癖から体をつくり、集団の前に現れる。
 すると、零の体は溶けて無くなった。

「な⁈」
「言っとくけど結界を張ったから逃がさないよ」
「殺りなさい!」

 女が武装集団に命令する。
 すると、肉癖が武装集団を引きちぎり、食らいつき、貫き絶命させていく。

「そんなに欲しいなら『私』の一部をくれてやる」

 フエは女に近づき、目を合わせた。

「ぎゃあああああああ‼‼」

 女は絶叫し、目から鼻から、耳から血を流し倒れた。

「じゃあね、グッバイ!」

 そう言ってフエは銃を取り出し、女の頭を破裂させた。




「終わったよー」

 ことを終えたフエが探偵事務所の二階の零の自室に現れる。

「連中何が目的だったんだ?」
「不老不死に近い零さんの精神乗っ取って体を操るのが目的だったみたい」
「寒気がするな」

 零は体をさすった。

「まぁ、その組織の主犯格も組織も壊滅させてきたからもう安心!」
「それなら良いのだが」

 零は安堵の声を口にした。

「まぁ、零さんの精神に入ろうとした瞬間結界に焼かれて無くなるから大丈夫だったんだけどね」
「そういう物なのか?」
「異形の花嫁だもん、普通じゃないに決まってるじゃん」
「そうか……」

 零は少し苦く笑った。




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