231 / 238
狙われる「花嫁」の体
しおりを挟む「最近零さんのあとをつけてる連中がいる?」
「ああ、異形じゃなく、人間でな」
住処の会議室で、フエと慎次は話合っていた。
「ちょっと零さんに引きこもっていてもらって、私が対応するから」
「分かった」
「その間の護衛はお願い」
「ああ」
そう言って二人は会議室を後にした。
後日、零はフエと歩いていた、途中で別れ一人で歩いていた。
すると人間の武装した連中が現れた。
「『花嫁』だ! 捕まえろ!」
と号令を放つと銃口を向けてきた。
零はゆらりと蠢き、武装集団を、蹂躙し始めた。
銃弾を避け、武装集団を蹴散らしていく。
「守られてばかりの『花嫁』という訳じゃ無かったのね」
女が現れる。
三十代前後の女だ。
「私は貴方の体が欲しいのよ、その『花嫁』の不死の体が」
そう言うと、更に現れた武装集団が銃口を向ける。
零は何も答えない。
銃弾を避けながら、武装集団を蹴散らすが、一発脇腹に貰い、倒れ込む。
「そこを動かないで」
女は武装集団に命令する。
「貴方の体、頂戴するわね」
と、いうとどこからとも無く笑い声が響いた。
『「花嫁」の体を奪う愚か者がいるとは笑い事にもほどがある‼』
零の口から出た音は、フエの声だった。
「何⁈」
フエがどろりと黒い肉癖から体をつくり、集団の前に現れる。
すると、零の体は溶けて無くなった。
「な⁈」
「言っとくけど結界を張ったから逃がさないよ」
「殺りなさい!」
女が武装集団に命令する。
すると、肉癖が武装集団を引きちぎり、食らいつき、貫き絶命させていく。
「そんなに欲しいなら『私』の一部をくれてやる」
フエは女に近づき、目を合わせた。
「ぎゃあああああああ‼‼」
女は絶叫し、目から鼻から、耳から血を流し倒れた。
「じゃあね、グッバイ!」
そう言ってフエは銃を取り出し、女の頭を破裂させた。
「終わったよー」
ことを終えたフエが探偵事務所の二階の零の自室に現れる。
「連中何が目的だったんだ?」
「不老不死に近い零さんの精神乗っ取って体を操るのが目的だったみたい」
「寒気がするな」
零は体をさすった。
「まぁ、その組織の主犯格も組織も壊滅させてきたからもう安心!」
「それなら良いのだが」
零は安堵の声を口にした。
「まぁ、零さんの精神に入ろうとした瞬間結界に焼かれて無くなるから大丈夫だったんだけどね」
「そういう物なのか?」
「異形の花嫁だもん、普通じゃないに決まってるじゃん」
「そうか……」
零は少し苦く笑った。
10
お気に入りに追加
12
あなたにおすすめの小説

悪役令嬢カテリーナでございます。
くみたろう
恋愛
………………まあ、私、悪役令嬢だわ……
気付いたのはワインを頭からかけられた時だった。
どうやら私、ゲームの中の悪役令嬢に生まれ変わったらしい。
40歳未婚の喪女だった私は今や立派な公爵令嬢。ただ、痩せすぎて骨ばっている体がチャームポイントなだけ。
ぶつかるだけでアタックをかます強靭な骨の持ち主、それが私。
40歳喪女を舐めてくれては困りますよ? 私は没落などしませんからね。
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。

婚約破棄ですか???実家からちょうど帰ってこいと言われたので好都合です!!!これからは復讐をします!!!~どこにでもある普通の令嬢物語~
tartan321
恋愛
婚約破棄とはなかなか考えたものでございますね。しかしながら、私はもう帰って来いと言われてしまいました。ですから、帰ることにします。これで、あなた様の口うるさい両親や、その他の家族の皆様とも顔を合わせることがないのですね。ラッキーです!!!
壮大なストーリーで奏でる、感動的なファンタジーアドベンチャーです!!!!!最後の涙の理由とは???
一度完結といたしました。続編は引き続き書きたいと思いますので、よろしくお願いいたします。



転生令嬢の食いしん坊万罪!
ねこたま本店
ファンタジー
訳も分からないまま命を落とし、訳の分からない神様の手によって、別の世界の公爵令嬢・プリムローズとして転生した、美味しい物好きな元ヤンアラサー女は、自分に無関心なバカ父が後妻に迎えた、典型的なシンデレラ系継母と、我が儘で性格の悪い妹にイビられたり、事故物件王太子の中継ぎ婚約者にされたりつつも、しぶとく図太く生きていた。
そんなある日、プリムローズは王侯貴族の子女が6~10歳の間に受ける『スキル鑑定の儀』の際、邪悪とされる大罪系スキルの所有者であると判定されてしまう。
プリムローズはその日のうちに、同じ判定を受けた唯一の友人、美少女と見まごうばかりの気弱な第二王子・リトス共々捕えられた挙句、国境近くの山中に捨てられてしまうのだった。
しかし、中身が元ヤンアラサー女の図太い少女は諦めない。
プリムローズは時に気弱な友の手を引き、時に引いたその手を勢い余ってブン回しながらも、邪悪と断じられたスキルを駆使して生き残りを図っていく。
これは、図太くて口の悪い、ちょっと(?)食いしん坊な転生令嬢が、自分なりの幸せを自分の力で掴み取るまでの物語。
こちらの作品は、2023年12月28日から、カクヨム様でも掲載を開始しました。
今後、カクヨム様掲載用にほんのちょっとだけ内容を手直しし、1話ごとの文章量を増やす事でトータルの話数を減らした改訂版を、1日に2回のペースで投稿していく予定です。多量の加筆修正はしておりませんが、もしよろしければ、カクヨム版の方もご笑覧下さい。
※作者が適当にでっち上げた、完全ご都合主義的世界です。細かいツッコミはご遠慮頂ければ幸いです。もし、目に余るような誤字脱字を発見された際には、コメント欄などで優しく教えてやって下さい。
※検討の結果、「ざまぁ要素あり」タグを追加しました。

日本列島、時震により転移す!
黄昏人
ファンタジー
2023年(現在)、日本列島が後に時震と呼ばれる現象により、500年以上の時を超え1492年(過去)の世界に転移した。移転したのは本州、四国、九州とその周辺の島々であり、現在の日本は過去の時代に飛ばされ、過去の日本は現在の世界に飛ばされた。飛ばされた現在の日本はその文明を支え、国民を食わせるためには早急に莫大な資源と食料が必要である。過去の日本は現在の世界を意識できないが、取り残された北海道と沖縄は国富の大部分を失い、戦国日本を抱え途方にくれる。人々は、政府は何を思いどうふるまうのか。
トリエステ王国の第三王女によるお転婆物語
ノン・タロー
ファンタジー
あたし、「ステラ・ムーン・トリエステ」はトリエステ王国の第三王女にして四人兄妹の末っ子として産まれた。
そんなあたしは、食事やダンスの作法や練習よりも騎士たちに混じって剣の稽古をするのが好きな自他ともに認めるお転婆姫だった。
そのためか、上の二人の姉のように隣国へ政略結婚に出される訳でもなく、この国の跡取りも兄がいるため、生まれてからこの18年、あたしは割と自由奔放にお城で過ごしていた。
しかし、不自由は無いけど、逆に無さすぎで退屈な日々……。城から外を見ると、仲間と街を楽しそうに話しながら歩いている冒険者の人々が見えた。
そうだ!あたしも冒険者になろうっ!
しかし、仮にも一国の王女が、しかも冒険者をしていると言うのがバレるのは流石にマズイ。
そうだ!変装をしようっ!
名案とばかりに思いついたあたしは変装をし、「ルーナ・ランカスター」と偽名まで使い、街へと繰り出そうとする。
しかし、運悪く、あたしの幼馴染でお目付け役である騎士の「クロト・ローランド」とその妹で専属メイドの「アリア・ローランド」に見つかってしまう。
そうだ、こうなったら二人も連れて行こう!あたしはクロト達を巻き込むと城下街である「トリスタ」へと繰り出す!
こうしてあたし、「ルーナ」と「クロト」、「アリア」との物語が幕を開くのであったっ!
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる