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異形の骨董品に魅入られて~依頼を受ける~

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「──はい、分かりました。お伺いします」

 零はそう言って通話を終える。

「何だ?」
「主人が骨董品から離れずこもって会社にも行こうとしなくなったそうだ、明らかにおかしいからどうにかしてくれと」
「マヨイとフエを呼ぶのがいいな」
「そうだな、フエ、マヨイ!」

 零は地面を見て名を呼ぶ。

「はぁい、零さん」
「う! 零さんこんにちは!」
「早速だが二人にもついてきて貰いたい」
「うん、話は聞いてたから、行こう」
「うん!」
「じゃ、行くぞ」

 フエとマヨイは慎次と零について行った。




 一軒家の前に来てチャイムを鳴らす。

「──さんの家ですが、依頼があった平坂探偵事務所の者です」
『ああ、来て下さいましたか、今開けます』

 妙齢の女性が出て来た。

「探偵さん、主人はどうなっているのでしょう?」
「奥様が見たら心乱れるかもしれないため、部屋には入らないでください、案内だけで」
「はい……」

 零達は案内され、部屋の前に立つ。
 慎次が女性を家から出させると、フエが扉を開けた。

「だぁれにもやぁらん! これはわたしのだぁあああ!」

 ミイラのように干からびた男がいた。
 男の腕の中に骨董品らしきものがあった。
 零はその様をスマホに収める。

「フエ、マヨイ」
「了解」

 フエが男と骨董品を引き離し、男に衝撃を与えて気絶させ、骨董品を回収する。
 マヨイが触手で男を包み込み、治療する。

 触手から出て来た男はミイラではなく壮年の男性になっていた。

「私は……何を……」
「貴方は骨董品に魅入られ、呪われていたのです」
「そんな呪いなど……」

 男性は信じていないようだった。

「先ほどまでの貴方の姿がこれです」

 零がスマホで撮った男の先ほどまでの姿を見せる。

「な⁈ ミイラみたいではないですか⁈ でも、着ているものも、私のものだ……」
「骨董品はこちらで処分します、どこで買ったか覚えてますか?」
「いや、朝市で買った物としか……」
「そうですかありがとうございます」

 そう言って、フエは部屋を出て骨董品を消滅させ、零とマヨイと共に家の外に出る。

「あの主人は……」
「もう大丈夫ですよ」

 女性にそう言うと男性が出て来た。

「貴方!」
「おお、なんだか分からんがお前には心配をかけた、すまない」
「いいえ、いいのよ、貴方が無事なら!」

 と抱き合っていた。

「仲いいな」

 零がぼそりと呟く。

「ここら辺でも夫婦仲が良好で有名な夫婦なんだとよ」
「なるほど」

 零はマヨイとフエと慎次に言う。

「朝市で、骨董品を売っているらしい、同じ骨董品を売ってる奴を探して削除しろ」
「了解」
「はーい」
「うん!」




 後日──
 朝市で、騒動があり、異形が一体この世から消滅した──




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