211 / 238
社を守れ~やりすぎ~
しおりを挟む「うー……」
マヨイが零の膝の上でごろごろと何か悩んで居るようだった。
「どうしたマヨイ」
「マヨイどったの、悩むなんて珍しい」
「う! う!」
「え、神社を破壊していく輩が出て来て困ってる? 修理しても壊される?」
「うー……」
マヨイの言葉を零は翻訳する。
「違う宗教の連中とかだろうねぇ」
「うー……」
「脅かすとかはできんな、マヨイには」
「脅かす?」
マヨイに零は言ったが、首を振った。
だが、その言葉を聞いたフエはにやり。
「良い案思いついちゃったー! 零さんありがとー!」
フエはそう言って零達の前から姿を消した。
「あれ、絶対良い案じゃ無いよな」
「う」
零の言葉に、マヨイはこくんと頷いた。
『邪教の場所、壊しても壊しても治されるから燃やそう』
『そうだな、それがいい』
『ん、なんだ。女がいるぞ?』
『人気も無いしひき殺せば良い!』
『そうだそうだ!』
異国の男達はそう言って女を引いたはずだった。
だが、感触はなく、女はいなくなっていた。
『あれ?』
『引いたはず』
『ひぃ⁈ な、なんでここに⁈』
『『⁈』』
女は後ろの席にいた。
黒い長い髪を垂らし、口持ちは笑っていた。
『お前達か、私の大事な社を燃やそうとする輩は』
女は異国の言葉でしゃべった。
『じゃ、邪教の信仰する場所など、燃やしてなにが悪い──』
『許さない』
『命を持って償え』
女の胴体は蛇になり、舌が長くなり、裂け、無数の手が刃物を持って男達を刺していった。
『神よ、お助けぇえええぎゃああああ‼』
『何故、助けてくださらないぎゃああああああ‼』
『悪魔よ去れ、されぎゃあああああああ‼‼』
車の中に男達の悲鳴が響き渡った。
翌日、車の中で男達が死亡しているのが見つかった──
男達の体は蛇の痕が残っていた──
「フエ?」
「いや、ちょっと脅すつもりだけだったんだけど……」
「だからって殺してどうする」
「見せしめになるじゃん!」
「お前なぁ……」
「う!」
「ほれ、マヨイもやり過ぎって言ってるぞ」
「次回はもっと上手くやるからー!」
「その次回がこんことを祈る!」
「ですよねー!」
怒り口調で説教する零と、自棄になっているフエであった──
10
お気に入りに追加
12
あなたにおすすめの小説

悪役令嬢カテリーナでございます。
くみたろう
恋愛
………………まあ、私、悪役令嬢だわ……
気付いたのはワインを頭からかけられた時だった。
どうやら私、ゲームの中の悪役令嬢に生まれ変わったらしい。
40歳未婚の喪女だった私は今や立派な公爵令嬢。ただ、痩せすぎて骨ばっている体がチャームポイントなだけ。
ぶつかるだけでアタックをかます強靭な骨の持ち主、それが私。
40歳喪女を舐めてくれては困りますよ? 私は没落などしませんからね。
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。

婚約破棄ですか???実家からちょうど帰ってこいと言われたので好都合です!!!これからは復讐をします!!!~どこにでもある普通の令嬢物語~
tartan321
恋愛
婚約破棄とはなかなか考えたものでございますね。しかしながら、私はもう帰って来いと言われてしまいました。ですから、帰ることにします。これで、あなた様の口うるさい両親や、その他の家族の皆様とも顔を合わせることがないのですね。ラッキーです!!!
壮大なストーリーで奏でる、感動的なファンタジーアドベンチャーです!!!!!最後の涙の理由とは???
一度完結といたしました。続編は引き続き書きたいと思いますので、よろしくお願いいたします。



転生令嬢の食いしん坊万罪!
ねこたま本店
ファンタジー
訳も分からないまま命を落とし、訳の分からない神様の手によって、別の世界の公爵令嬢・プリムローズとして転生した、美味しい物好きな元ヤンアラサー女は、自分に無関心なバカ父が後妻に迎えた、典型的なシンデレラ系継母と、我が儘で性格の悪い妹にイビられたり、事故物件王太子の中継ぎ婚約者にされたりつつも、しぶとく図太く生きていた。
そんなある日、プリムローズは王侯貴族の子女が6~10歳の間に受ける『スキル鑑定の儀』の際、邪悪とされる大罪系スキルの所有者であると判定されてしまう。
プリムローズはその日のうちに、同じ判定を受けた唯一の友人、美少女と見まごうばかりの気弱な第二王子・リトス共々捕えられた挙句、国境近くの山中に捨てられてしまうのだった。
しかし、中身が元ヤンアラサー女の図太い少女は諦めない。
プリムローズは時に気弱な友の手を引き、時に引いたその手を勢い余ってブン回しながらも、邪悪と断じられたスキルを駆使して生き残りを図っていく。
これは、図太くて口の悪い、ちょっと(?)食いしん坊な転生令嬢が、自分なりの幸せを自分の力で掴み取るまでの物語。
こちらの作品は、2023年12月28日から、カクヨム様でも掲載を開始しました。
今後、カクヨム様掲載用にほんのちょっとだけ内容を手直しし、1話ごとの文章量を増やす事でトータルの話数を減らした改訂版を、1日に2回のペースで投稿していく予定です。多量の加筆修正はしておりませんが、もしよろしければ、カクヨム版の方もご笑覧下さい。
※作者が適当にでっち上げた、完全ご都合主義的世界です。細かいツッコミはご遠慮頂ければ幸いです。もし、目に余るような誤字脱字を発見された際には、コメント欄などで優しく教えてやって下さい。
※検討の結果、「ざまぁ要素あり」タグを追加しました。

日本列島、時震により転移す!
黄昏人
ファンタジー
2023年(現在)、日本列島が後に時震と呼ばれる現象により、500年以上の時を超え1492年(過去)の世界に転移した。移転したのは本州、四国、九州とその周辺の島々であり、現在の日本は過去の時代に飛ばされ、過去の日本は現在の世界に飛ばされた。飛ばされた現在の日本はその文明を支え、国民を食わせるためには早急に莫大な資源と食料が必要である。過去の日本は現在の世界を意識できないが、取り残された北海道と沖縄は国富の大部分を失い、戦国日本を抱え途方にくれる。人々は、政府は何を思いどうふるまうのか。
[完結]異世界転生したら幼女になったが 速攻で村を追い出された件について ~そしていずれ最強になる幼女~
k33
ファンタジー
初めての小説です..!
ある日 主人公 マサヤがトラックに引かれ幼女で異世界転生するのだが その先には 転生者は嫌われていると知る そして別の転生者と出会い この世界はゲームの世界と知る そして、そこから 魔法専門学校に入り Aまで目指すが 果たして上がれるのか!? そして 魔王城には立ち寄った者は一人もいないと別の転生者は言うが 果たして マサヤは 魔王城に入り 魔王を倒し無事に日本に帰れるのか!?
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる