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唐突に~ジビエ料理食べたいという「花嫁」~
しおりを挟む「ジビエ食いたい」
「いきなりどうした?」
零が突如言い出したことに、首をかしげつつ慎次は問いかける。
「読んでいた漫画を見て食べたくなった」
「じゃあ、ジビエの料理屋予約して──」
「はいはいー! 私狩ってくる、んでお裾分けするー!」
フエが現れそう宣言して姿を消した。
「……予約したら顰蹙買いそうだな」
「そうだな」
慎次は予約を止め、フエが来るのを待つことに。
翌日の夕方──
「取ってきたどー!」
と、フエは料理を並べ始めた。
「凄い量だな」
「どれだけ狩った?」
「猪一匹に、鹿一頭、鴨とキジとコジュケイ一匹ずつだよ」
「そんなにか……」
「だから余った分は柊さんと食べるね」
「それがいいだろう」
零は微笑んで言う。
「……これはハンバーグ?」
「ああ、猪油と鹿肉混ぜたハンバーグだよ、猪って油多いから」
「そうなのか……いや、そう書いていたな」
フエの解説に零は納得するように言って、ハンバーグを食べる。
「うん、美味い」
「鹿肉のステーキとスペアリブのタレづけは冷蔵庫に入れといたから明日食べてね」
「分かった料理しよう」
「慎次よろ!」
フエは次々料理を提供し、零は舌鼓を打った。
「満腹だ」
「ちょうど良かった今日の分はそれでおしまい、明日以降の分は慎次任せた」
「了解した」
「ほとんど冷凍庫に入れてるからね」
「ああ」
フエはそう言うと居なくなった。
「さて、フエの奴どんな言い訳をするのだろうな?」
「案外言い訳しないんじゃないか、俺も言ってないし」
「そうか」
後片付けする慎次を見て、零は風呂へ向かうことにした。
「柊さん、ご飯にしよう!」
「ああ」
フエは料理を提供した。
「ん? いつもと肉質が違う」
「さすが柊さん、実はちょっと狩りに言ってて猪と鹿取ったのよ」
「これは鹿肉のステーキ?」
「そうそう」
「ずいぶんと量があるのにあっさりしてる、美味いな」
「本当? 良かった!」
「ところでなんで急に?」
「あー何となくジビエ食いたくなったから」
「そうか……」
「まぁ、猟師さんじゃないから特殊な方法で捕まえるんだけどね」
「フエならそうだろう」
柊はもくもくとジビエ肉とサラダを口にした。
「ふう、お腹いっぱいだ」
「じゃあ、一緒にお風呂に入って、寝ようか」
「うん」
柊はフエに言われてうっとりとした表情を浮かべた。
入浴後、二人は仲良くベッドに入り、そして眠りに落ちた──
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