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住処にて~番い達と子等の会話~

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「フエの馬鹿……」

 住処の食堂で柊は愚痴っていた。
 それを康陽が宥める。

「愚痴は言え、聞いてやるから」
「そんなに『花嫁』が大事なのか」
「大事なんだろうよ、蓮も緊急時には行っちまうしな」
「そちらは緊急時間だけだろうこちらはそうじゃないんだ」
「そうだな、フエはちょっと行き過ぎだな」

 半泣きになりながら愚痴る柊の背中をぽんぽんと叩きながら康陽は話しを聞く。


 それを遠くで見守る蓮。

「本当、康陽さんって面倒見がいいよねー」
「いいの!」

 マヨイが元気よく言う。

「柊さんがああなるから、私との時間削れてるけど、それでも後でフォローいれてくれるしねー……」
「蓮おねえちゃんごふまん?」
「ちょっとだけね」

 マヨイに、苦く笑って蓮は言う。

「でも、柊さんを放置すると何するか分からないから仕方ないかぁ」
「隼斗さんも」
「うん、あの人もね」

 マヨイが自分の番いの事を聞いてきたので、苦笑したまま蓮は頷いた。

「確かに隼斗さん、すごいふあんになるとじぶんをないがしろにするの」
「それねー……」
「フエおねえちゃんのでいかなくなったけど、じしょうへきがひどいの」
「そうなの?」
「うん」

 マヨイは頷いた。

「だからそろそろもどるの、じゃあね、おねえちゃん」
「うん、じゃあね」

 マヨイが戻って行くのを見ながら蓮は今度は自分に近づいてくる小さな影に目をむけた。

「りら」
「蓮おねーちゃん、どうしたの、おはなしにまじらないの」
「いやあ、今は混じらないほうがよくてね」
「そうなの?」
「そういうものなの」

 精神が幼いりらを納得させられるか分からないが蓮はそう言った。

「うん、わかった」
「分かってくれたら良いわ」
「なら、りらのお部屋に来てお茶会しましょう」
「あ、あーうん、いいよ」

 まだまだ話は終わらなそうだと思い、蓮はりらの後についていった。




「自我が希薄な青年と、おこちゃまな妹の相手は大変だったー」

 蓮はそう言って自室に戻ると──

「お疲れ様、ホットココアでいいか」
「あ、うん」

 既に部屋に戻っていた康陽がホットココアの準備をしていた。
 そして、ホットココアの入ったカップを蓮に渡した。

 蓮はカップを受け取ると椅子に座り、ココアを飲む。

「甘くて美味しい……」
「それは良かった」

 蓮はそう言ってから康陽を見る。

「柊さんは?」
「後から来たフエに浮気者と責め立てたものだから、フエが自室に連れて行った、今頃ベッドで仲良くしてるだろう」
「あー……」

「君もしたいか」

 康陽がそう言って蓮の顔を撫でたので、蓮の体は真っ赤になる。

「意地悪……」
「知ってるだろう」

 康陽はにやりと笑った──





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