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海外活動~そこまで言うなら呪うわ!~
しおりを挟む「人類滅亡させたい」
ある日、そう言ってフエが零の部屋へとやって来た。
「一体どうした? とりあえずお茶でも飲め」
零がそういうと慎次がフエにお茶を出す。
「むかつくことがあった」
「何だ」
「私が助けてあげたのに、私を『悪魔』だなんて腹立たしい」
「それは、そうだろうな」
「むかつくから呪ってやった」
「おい」
フエの発言に零は突っ込んだ。
「今頃大変な事になってるだろうなぁ、異形が出て来たよりも」
「そういうことするから悪魔呼ばわりされるんだぞ」
零は額に手を当てて、言う。
「でも、悪魔呼ばわりはむかつく、私彼奴らよりも強いし、偉いもん」
「はいはい、分かってる」
「零さん聞いてるの?」
「聞いてるよ、だから反応してるんだろう」
「むー」
フエは零に抱きついた。
「フエ、今報告書を書いてるから邪魔はしないでくれ」
「ちゃんと聞いてくれないでしょう?」
零ははぁとため息をついた。
「耳なら空いてると言ってるんだ」
「私に集中して欲しいの!」
「そこまでにしろ、じゃないと柊に、フエが浮気したと報告するぞ」
「げぇ⁈」
慎次がフエを引き離し、そう言うと、フエは顔を引きつらせた。
「ちょっと慎次それは止めてよ! ただでさえ、柊さん嫉妬深いんだから」
「じゃあ、その嫉妬深い柊の所で愚痴ってこい」
慎次はひょいと空間に穴を開け、フエを追い出した。
「慎次の石頭ー!」
フエが悪口を言うも遅く、空間の穴は閉じられていた。
「慎次がどうしたんだ?」
「愚痴ってたら追い出された」
「……私では駄目か」
柊がベッドから起き上がり、フエに近づいてきた。
「駄目じゃ無いけど……うーんストッパーになってくれないから」
「分かった、ストッパーになる」
そう言うと、フエはお茶をいれ、テーブルに向かい合う。
「ちょっと異形が五月蠅くていわゆる外国に行ったの」
「そうなのか……」
「で、異形退治はできたんだけど、そこで悪魔と呼ばれて石とか投げられたりしてねー……むかついたから呪った」
「呪うなんて優しすぎる、皆殺しにすべきだ」
「はい、ストップ、ストッパーになってない」
「あ……」
フエの言葉に、柊はしまったと言わんばかりの顔をする。
「柊さんの事好きなんだけど、こう言うことに関してはストップいれてくれないから慎次とかに愚痴りに行くと五月蠅いって言われるのよ」
「その、すまない」
「いいの、そういう所もひっくるめて柊さんが好きなんだから」
「フエ……」
「でも、誰に愚痴を言ったらいいものか」
「何だフエ、愚痴を聞いて欲しいのか」
紅が果物を持って現れた。
「紅姉さん、それマヨイから」
「ああ」
フエは果物が入った籠を受け取り、果物を冷蔵庫へと入れる。
「で、愚痴を聞いて欲しいのか」
「うん」
「私で良ければ聞くぞ、原稿の推敲も終わって提出済みだし」
「本当⁈」
「紅なら、うん、問題ない」
「と言うわけで借りていくぞ柊」
「ああ、行ってらっしゃい」
柊はフエと紅を見送った。
その後、散々愚痴を聞いた紅は、呪いは解かなくていいぞと発言し、慎次の頭を悩ませる結果となる──
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