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拘束が外れて早々~「花嫁」はやらかす~
しおりを挟む「……」
零が拘束されて数日が経過した頃。
「慎次、拘束」
「外さん、と言いたい所だがこれ以上拘束するとお前の行動が危うくなる、だから外そうと思う」
慎次はそう言って拘束を外した。
「痛かった」
零はそう言ってパジャマを脱ぐが痕は無かった。
「何度も言うが無茶はするな、いいな」
「分かっている」
零はそう言って外に出る準備をする。
「零、その前に飯を食え、手荒いと洗顔も済ませろ」
「そうだったな」
零は食卓に着き、食事を取った。
その後お手洗いを済ませ、顔も洗った。
「終わったぞ」
「ならいい」
慎次も外出の準備をしており、コートを羽織っていた。
「レオンとニルスの野郎はすでに見廻り中だ、俺等も急ぐぞ」
「分かった」
慎次と零は共に外へと出て行った──
「零さんの拘束外れたって!」
慎次から念話が届いたらしいフエが蓮達に言う。
「これで休める……」
「何を言っている、これからが本番だぞ」
「うへぇ」
紅に言われ、蓮はげんなりした表情をする。
「マヨイ、今回も出る準備はいい?」
「うん!」
元気よく返事をするマヨイを零ににこりと笑って撫でた。
「零、何か言うことはあるか?」
「縦断ぶっ放さずに人質かばってすまない」
腕を何か壺状の不気味に脈打つものに包まれながら零は言った。
「本当お前は出て早々やらかしてくれる奴だよ」
「すまん」
「はーい! 呼ばれてないけどやってきた!」
「う!」
フエがマヨイと共に現れた。
「って、ヤバそうな物体に腕突っ込んでるじゃん! マヨイ!」
「うー!」
マヨイの触手が壺状の物体毎零の腕を包む。
何か暴れている動きをしていたが、やがて無くなった。
「う」
「もういいらしい」
触手から腕が開放されると腕の服が溶けていた。
「どうやら人を養分にする異形みたいね」
「探し出して……」
「零さんは探偵事務所へ戻って、ニルスとレオンには報告済みだから、後は私達がやる」
「……すまない」
「いーの、いーの。じゃあ慎次、頼んだわよ」
「ああ」
慎次は零のコートを脱がせ、自分のを羽織らせていた。
そして姿が見えなくなる二人を見送った──
後日行方不明になっていた人物達が廃ビルで見つかったのだが、その真相をしるのはごくわずか──
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