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ロナクのやらかし~カルト教団にて~

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「カルト集団ねぇ」

 カタログのような資料集を見ながらフエが呟く。

「被害は?」
「誘拐されている連中が出ている」
「マジか」
「ということは、肉、ですね」

 フエと紅の会話にジンが参加する。

「あー、うん、そうなるね」
「だが腐ってるのは上だけだ、下は善人集団だ」
「そこが面倒くさいわよね」
「全員まとめて殺してしまえば」
「駄目、零さんに怒られる」

 ジンの提案をフエが否定する。

「とにかく、行くわよ、ロナク」
「よっしゃあ俺の出番ー!」
「分かってると思うけど、ヘマしたら封印だからね」
「わかってるよぉ」

 軽く言うロナクに、フエは釘を刺す。

「手を出すのは上層部の連中だけ、他は手を出さない、いいこと⁈」
「……へいへい、分かったよ」

 ロナクは呆れたように言った。




「──でだ」
 零の事務所の二階でフエがロナクを床に顔面をくっつけさせながら土下座をして、ジンも正座させられていた。
「新興宗教××、上層部と教祖が行方不明、信者達は心的外傷後ストレス障害を発祥、誘拐された人は無事とあるが」
「はい……」
「信者に何をした? ロナク?」
「えーとそれは……」

 答えあぐねているロナクに代わりフエが口を挟む。

「この馬鹿、上層部の一部を信者達の目の前で異形にしやがったのよ」
「信者達とは、どれほど?」
「全員、信者への会議で出てた上層部の奴を異形にして、信者達を襲わせたのよ」
「ほほう、ロナク。それはするなと私は言ったはずだが?」
「いや、その教祖と上層部が胸くそ悪くて……だったらこんなカルト宗教なくなればいいと思ったらこうなって……」
「全く」

 零は呆れのため息をついた。

「とりあえず、これ終わったらアンタはロナの影に封印」
「マジで⁈」
「当たり前じゃないやっちゃいけないことやったんだから‼」

 ロナクをフエが怒鳴りつける。




 後日、警察に呼ばれた零は事情を全て話し、異形の子がやったんならしゃーないということで丸く収まった。
 だた、零に異形の子の制御を強く警察が求めたが、零は無理だと答えた。




『うわーん! 姉ちゃんごめんー!』
『あやまるのは私ではないでしょう?』
「その通りだ、お前の混乱の所為で肉のとれる量が少なかったんだ」

 ジンが不満げに言った。

「ジン、そういう問題じゃない。零さんに迷惑かけたってのが問題」
「しかし……」
「エルも零さんに迷惑かけたと知るとしょげるわよ」
「く……」

 フエの言葉にジンは悔しそうにする。

「さて、今日は零さんの見廻り手伝うか」

 そう言ってフエは姿を消した──





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