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暴露される~ニルスの悪意~
しおりを挟む『ひっでぇ、俺だけ零と話せなかった』
「アンタの日頃の行いの悪さよ、反省しなさい」
『そうよ、ロナク。ニルスはもういやだー! って貴方が五月蠅く言うから温情で開放してからフエ姉さんは貴方を私の影に封印し直したんだから』
パーティ終了して翌日、ニルスの影で五月蠅くわめくロナクに、皆うんざりして、フエはロナの影にロナクを移した。
『だって彼奴の影マジやべーんだもん! 悪意の塊!』
「分かっててやったんだよ、察しなさいよ」
影の中から講義するロナクに、フエが冷めた視線を送る。
『なんなのあの悪意の塊野郎!』
「アンタも彼奴のこと言えないでしょう?」
『いや、俺は言える、彼奴よりはマシ‼』
「本当?」
『本当だって‼』
ロナク蜂から強く言う。
『だって俺彼奴みたく人を陥れることを息をするようにしてねぇし‼‼』
「……今、なんて言った?」
『だからー俺は彼奴みたく人を陥れる事息をするようにしてないって!』
「ニルスの野郎」
フエは顔を不快に歪ませ、その場から姿を消した。
『フエ? おーい、いきなり消えるなー!』
『フエ姉さんにも思う所があったのでしょう?』
『何がだよ、ねーちゃん』
『……ロナク、貴方そういうところに気づかないところも封印される原因よ』
『えぇー?』
ロナの言葉に困惑するロナクがいる自分の影を見下ろして、ロナは手の口からため息をついた。
「ですから、悪徳業者だけですから問題ないと」
「その後異形にしちまってるから問題だっつってんだろうが!」
フエに足蹴にされ、ニルスは地面に横たわっていた。
ぐりぐりと頭を脚で踏まれる。
「悪徳業者を破滅させるなら許容範囲なのよ、悪人が破滅したほうが世の中の為って言うか零さんの為だしぃ?」
軽い調子でフエはそう言ってから表情を凍てつかせた。
「問題は異形化させてるってことよ。零さんの仕事何増やしてんの?」
「げふっ! ふふ、異形になるのを、望んだのは、彼らですよ」
「その手助けすんなって言ってんだろうがわかんないのか、この××××野郎‼」
「ふふ……口が悪いですよ、我が主」
「誰が好きでてめーの主してると思ってる! 口が悪いのもてめーの所為だ!」
フエはニルスを蹴り飛ばした。
壁にぶつかり、そのまま地面に落ちる。
「次同じ事したらまたぐちゃぐちゃにするからな」
「おお、怖い怖い……」
「今すぐぐちゃぐちゃにしてやりたい……!」
フエは唇を噛みしめながら、その場から姿を消した。
「あ゛ー! 今すぐニルスを抹消したい‼」
住処の会議室でフエは叫んだ。
「どうした、またニルスがやらかしたのか?」
「やらかしたから抹消したい!」
「だが無理だろうな」
「それね!」
フエは床に転がりジタバタと暴れた。
「みっともない、やめなさい」
「う゛ー!」
紅がフエを立たせ、椅子に座らせる。
「で、内容は?」
「あの野郎、悪徳業者破滅に追い込むだけで終わらせとけばいいのに、わざわざ異形化の手伝いまでしてやがった!」
「なるほど、お前がキレる訳だ」
「う゛がー!」
フエは頭を掻いて振り乱した。
「零に被害が及びそうだな」
「それね!」
「一般人にも被害が及ぶなら零はいても立ってもいられないだろう」
「本当それ!」
紅の言葉にフエはうんうんと頷く。
「だからさっさと異形退治いこう⁈」
「まだ行ってなかったのか」
フエの言葉に紅が呆れた。
「あのまま行ってたら苛立ちで被害拡大してそうだったからやめておいたの!」
「ああ、なるほど」
「よし、行こう! 蓮、いるんでしょう⁈」
「げ」
こっそりと聞いてたらしい蓮が姿を現した。
「話聞いてたでしょう、手伝って!」
「分かった、分かりましたよ」
「じゃあ、俺は留守番をしている、なるべく早く帰ってこいよ」
蓮と一緒にいた康陽がそう言ってその場から立ち去る。
「康陽さん、大好き!」
康陽がいなくなった後、乙女のような仕草で蓮は言う。
「うーん、理解力のある番い持ちはいいなぁ、いや柊さんが悪いってわけじゃないけど」
「分かったから行くぞ」
三人は姿を消した。
翌日、とある経営が傾いた企業の経営陣が原因不明の失踪を遂げたとニュースで話題になった。
その真相を知るのは異形の子と──
「異形案件だったか、フエ達がやったな」
零のみである──
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