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ロナクの我が儘とやらかし
しおりを挟む「なぁなぁ、俺なんで出ちゃ駄目なの?」
「異形相手にアンタの能力はあんま効果ないからよ」
「ひでぇ!」
「事実なんだもの、仕方ないじゃない」
フエが出かけようとしている最中ロナクが声をかけて来た。
「悪意の塊の悪意を引き上げてどうすんのよ、異形ってそういうのばっかよ」
「確かに……あーあ、俺も異形食えたらなぁ」
「不味いわよ」
「不味いの?」
ロナクの問いかけにフエは頷く。
「不味い、この上なく不味い。しかも異形の危険度が高いと食って異形性の発露なんてことがよくある」
「えーそれ羨ましい!」
「何処がだ!」
フエはロナクを叱りつける。
「だって零さんに相手してもらえるって訳じゃんか!」
「アンタ、自分が異形性発露させたらどうなるか分かってるわよね」
「う」
嬉しそうにするロナクにフエは釘を刺した。
「アンタが発露すると、零さんの体が噛み傷だらけになるのよ!」
「だ、だってぇ」
「零さんは許してるし、マヨイ達が治してくれてるからいいけど、大けがさせてんのよアンタ!」
「う、うぐ」
「だから大人しくしてなさい、以上」
フエは居なくなった。
ロナクは地面を蹴り、面白くなさそうな顔をする。
「俺だって……」
そう言っていなくなった。
「だから来るなって言ったでしょうが!」
三十分後、会議室で糾弾されているロナクがいた。
ロナは悲しそうな雰囲気を醸し出している。
紅はあきれ果てていた。
「だ、だってよぉ」
「悪意の塊をより悪意で増加させて零さん大ピンチだったんだから! 慎次と私と紅姉さんいなきゃやばかったからね⁈」
「その通りだロナク、あの数の連中の悪意を増加させてどうするつもりだった?」
「いや、悪意じゃなくて独占欲増加させるつもりだったんだけど……」
「はぁー⁈」
フエが呆れの声を上げる。
「何、独占欲増加させて同士討ち狙うつもりが悪意増加させてヤバくした訳⁈」
「う、うん……」
『ロナク、貴方が得意なのは悪意の増幅、他の感情の増幅は其処まで得意じゃないでしょう?』
ロナが諭すようにロナクへ言う。
「いや、できるかなって……」
「得意分野じゃないことを即興でできたら誰も苦労せんわ‼」
フエは再度ロナクを怒鳴りつけた。
「ロナク、お前は私達が許可出すまで外出禁止だ!」
「紅⁈」
「そうね、外出禁止よ!」
「フエまで⁈」
『外出禁止は仕方ないわね……』
「ねーちゃんまで!」
「封印されなかったんだから温情だと思え‼」
「破ったら封印な」
「そんなぁ‼」
ロナクは悲痛な声を上げた。
が、ロナクがそんな約束守れる訳も無く、無断外出をしてそれを見つかりしばらく封印されることになった。
『ねーちゃん助けて!』
『ごめんなさい、ロナク。貴方が悪いから助けてあげられないわ』
「しっかり反省しろ、馬鹿者」
「反省しろ、バーカ」
ロナの影に封印されたロナクは、しくしくと泣きだしたが、慰める者はいなかった──
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