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異形性の発露=「花嫁」との性行為~慎次の小さな仕返し~
しおりを挟む異形の子等に体を暴かれる時は鈍痛と快楽が混じり合ってどうしようもなくなる。
ただ、それに流される。
「零さーん、大丈夫ー?」
異形性の発露の為の性行為が終わったフエが、零の頬をぺちぺちと叩く。
「あ゛ー……」
零はぼんやりとしていて、体がほてっていた。
「終わったか?」
慎次が入って来て、裸の零にタオルを掛ける。
「零、動けるか」
「一応、な」
零はそう言ってよたよたと動きながら風呂場へと向かった。
「相変わらず、異形性の発露が多い奴だな、お前は」
「好きで多いんじゃありませーん!」
慎次の指摘にフエはむくれた。
「そのうち番いが愛想つかすんじゃねぇか?」
「それはない、絶対ない」
「……だろうな、お前に依存しまくってるし」
「むー」
「……それにしても風呂が長いな」
慎次がそう言うと、フエは風呂場に向かい、戸を開けた。
零は沈んでいた。
「ギャー!」
フエは慌てて、浴槽から零を出し、肺に入った水を抜いて、無理矢理肺に酸素を取り込ませた。
「げほ!」
零は咳き込み、目を覚ました。
「零さん、そんなに疲れさせちゃったごめんね⁈」
「げほ……いや、いつまで経っても慣れない自分に嫌気がさしてただけだ」
「慣れるもんじゃねぇぞ」
零の言葉に慎次が苦言を呈する。
「荒井……」
「今日はもう休め」
「……腹が減った」
「分かった飯作ってあるから、それ食ったら休め」
そう言って雑炊を温め直し、それを零は食べた。
「鳥雑炊は食い飽きないな」
「零さん偏食家?」
「いや、荒井の料理が美味すぎるだけだ」
「私のはー?」
「お前のも美味いぞ」
「やた!」
喜ぶフエを見て慎次はため息をついた。
食事を終えて歯を磨いた零をベッドに寝かせると慎次は頭を撫でた。
「今日の仕事はレオンとニルスに任せてるからゆっくり休め」
「わかった……」
零はすぅと寝息を立て始めた。
「フエの浮気者!」
「だから違うってば!」
異形性の発露がある度にフエは癇癪を起こす柊を宥めることになっている。
「私ではだめなのか、どうしても!」
「柊さんだとだめなの! あくまで『花嫁』じゃないと無理なの」
「そんな……」
「柊さんで済ませられるならしてる、できないからしないの!」
「うう、フエの浮気ものぉ……」
「確かに浮気者かもしれんな、手料理が美味いかどうか聞いてたし」
「ちょっと慎次ー⁈」
「浮気ものぉー!」
「たまにはいいだろう、お前には手を焼かされてるんだ」
「マジひでぇ!」
慎次はにたりと嗤うと会議室を立ち去っていった。
泣きじゃくる柊とどうすればいいのか悩むフエだけが残された──
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