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二次被害
しおりを挟むあの巨大な赤ん坊の異形を倒した後、何者かによる傷害事件が起きた。
零はあの異形と関わりがあると勘を働かせ、レオン達を連れて捜索に出た。
「さて、鬼が出るか蛇が出るか」
「どっちにしろロクでもないものがでるのは分かってるからいわんで良い」
「残念」
楽しそうにしているニルスをハリセンでどついてから、零は耳をそばだてた。
「レオン、荒井」
「こちらです」
「こっちだ」
物音がした方に行くと、刃物で全身を覆われた異形が姿を見せた。
女性が腰を抜かしている。
「!」
レオンは女性を急いで引き離し異形から距離を取る。
女性は逃げていき、零はレオンに問う。
「奴との相性は?」
「私はよくありません、荒井なら」
「荒井」
「わかった」
荒井はぶっきらぼうに言い、異形の前に立つ。
無数の影の手が刃をへし折り、影の中に押し込んでいく。
異形は折れた刃を振り乱し、逃れようとしていた。
「うるせぇ、とっとと食われろ」
荒井はそう言うと、影は完全に異形を飲み込んだ。
「まじぃ」
「あ、それ捕食も兼ねてるのか」
「まぁな」
荒井に言ってから零はじろりとニルスを見る。
「ニルス、答えろ。前回の異形が変化した結果あの異形になったのか?」
「ご明察通りです、所長」
「ちっ、最後まで溶けるのを見て帰ればよかったな」
「いいではないですか、死傷者はでていないのですから」
「負傷者がでている、良くない」
零は不機嫌そうにいって、レオンや荒井を見る。
「次回あったらは同じ轍を踏まない、注意するぞ、私が忘れてたら言ってくれ」
「分かりました」
「おぅ」
そう言って、四人は探偵事務所へ帰っていった──
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