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異形性の発露~レラの場合~

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「ねえ、マヨイお姉ちゃん。零さんってどんな人?」
「うーん、たとえるのがむずかしいね」

 マヨイの部屋にレラは来て、零の事をたずねていた。

「そうなの?」
「うん、せいぎかんはつよいけど、せいかつのうりょくはだめだめだから」
「完璧な人はいないものね、分かったわ。ところで──」

 レラはすっと視線を隠れている隼斗に向ける。

「あの人がお姉ちゃんの番い?」
「ん? そうだよ、隼斗さん。いろいろあってこわれちゃったところがあるんだ」
「へー……お姉ちゃん、そういう人好きなの?」
「隼斗さんだからすきなの」
「そうなんだ」

 レラはマヨイに視線を戻した。

「いいなぁ、私も番いがほしいなぁ」
「よそさまにてをだしたらだめよ」
「わかってる!」

 明るくしゃべっていたレラの表情が突然暗くなる。
 息が乱れ、胸をかきむしる。

「いぎょうせいのはつろ?」
「う、うん」
「じゃあ、零さんのところにいっておいで」
「うん……」


「え、レラが異形性の発露だって、分かった連れて行く」
「おねがい、フエおねえちゃん」
「勿論」

 レラを連れて来たマヨイの頭をフエは撫でて、レラの手を握る。

「じゃあ、行こう」
「うん……」




「──異形性の発露か、分かった体を貸そう、だが少しは手加減してくれよ」

 事務所の二階にの零の自室につくと、フエは事情を話し零は承諾した。
 そして服を脱いで、裸になる。

「ほら、おいで」

 ベッドに座りそう言うと、レラは直ぐさま零を押し倒した──




「……生まれて15年だとこれか」

 零はかすれた声で言う。

「ほれ」
「しみる……」

 荒井から貰ったレモネードを飲んでから着替え始めた。


「レラ、もうちょっと手加減してあげようね? 一回意識ぶっつんいったんだから」
「うん……ごめんなさい」

 初めての性行為による発露でやらかしたレラをフエは優しく諭し、叱っていた。

「あやまるのは私じゃないでしょ?」
「うん……」

 レラはフエに促され、零の所に行った。

「零さん、ごめんなさい。手加減できなくて」
「生まれて15年しか経過してないのだろう、なら仕方ないことだ」
「……」
「少しずつ覚えていけばいい」
「……うん!」

 零に言われて、レラはにぱっと笑った。




「零さん、いいひと!」
「こういうことに関しては受け入れてくれる人だからね」
「番いになりたい!」
「それは無理、零さんを番いにしたくても誰もできないからね」
「しょんぼり」
「番い探しはゆっくりすればいいのよ」
「うん!」

 フエに言われて、レラは満面の笑みを浮かべた。





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