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封印解除~封印されていた異形の子~

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慎次しんじの封印を解除する」

 フエがそう言うと、会議室はざわめいた。

「いきなりどうして⁇‼」

 クロードが慌てたように言う。

「そして零さんの護衛をさせる」
「まて、正気か?」

 その言葉に紅が眉をひそめた。

「慎次おにーちゃん?」
「そうよ、マヨイ」

 ぴょこっと顔をだしたマヨイを撫で繰り回しながらフエは言う。

「もはや予断は許さない、零さんの行動とニルスの行動とかも踏まえるとレオンだけじゃ話にならない」
「レオンが聞いたら頭痛くなりそうだな」
「んなもん知らん」

 紅の言葉をフエはばっさりと切り捨てる。

「と、言う訳で行くよ」
「ちょ、ちょっと待てよ。慎次の能力で『花嫁』が──」
「それはない、寧ろ『花嫁』といた方が慎次の能力は安定する、だから封印を解く」

 ロナクの言葉にフエはそう返して、足早に大量の札が貼られた扉の前に来る。
 そして、扉を閉めているであろう、札を破った。
 全ての札が燃えるように無くなり、フエは扉を開けた。

「グッモーニン、慎次」
「……ッチ、寝ていたところを起こしやがって。何の用だ」

 部屋の奥にいた男性は眩しそうに目を細めた。
 茶色い髪に、茶色の目、日本人風の肌をした男性がいた。

「話は割愛する『花嫁』の護衛について欲しい」
「『花嫁』……だと⁈」

 男性──慎次は目を見開き立ち上がった。
 ズボンのポケットに手を突っ込み、ぶっきらぼうに言う。

「話を聞かせろ……」
「OK♩」

 フエはにこりと笑って言った。




「──という訳で、零さん基『花嫁』の護衛を願いしたい」
「分かった、だが力が暴走しない保証は俺はできねぇぞ」
「大丈夫『花嫁』が保証する」
「……で、どうやってその探偵事務所に?」
「あー零さんには既に話を通してるから、行って頂戴」
「チッ、行動が早いんだよ」
「という訳で行ってらっしゃい──」


 慎次はフエにそう言われ、盛大に舌打ちすると、そのまま部屋を出て行った。


 そして転移しようとした慎次に、マヨイが声をかける。
「慎次おにいちゃん」
「おお、マヨイか大きくなったな」
 わしゃわしゃとマヨイの髪を撫でてやる、マヨイは嬉しそうに目を細めた。
「ほんとう?」
「ああ、本当だ」
「零さんのところへいくのー?」
「ああ……『花嫁』の所にな」
「慎次おにいちゃん、零さんをまもってね?」
「おう……」
 そう言って慎次は姿を消した。




「と言うことで、異形対策側に新人として荒井あらいが入って来た。トラブルを起こすなよ」
「荒井慎次だ、特に言うことはねぇ」
「荒井さん」
「あん?」

 受付係である瑞穂が慎次に声をかける。

「零さん、無理しっぱなしなので、護衛とかお願いします」
「分かってる、それを頼まれたんだ」
「……お願いします」
「では、私は自室に戻る、解散」

 解散し、それぞれ定位置についた中で、慎次は零の後を着いていった。

「何故着いてくる?」
「護衛だからだ」
「そうか」

 二人の会話はそれで終わり、二人は零の自室へ入っていった。
 その後、零の生活があまりにも人並み以下なため、かいがいしく世話をするようになる慎次の姿があった──





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