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わずかな光にすがる
母の言葉、再起、されど壊れそうな心
しおりを挟むラースはルミエールの髪を撫でながら、優しく言う。
「さぁ、ルミエール服を脱ぎなさい、今日もはじめよう」
ルミエールは「とうさま」の言葉に、びくりと震えた。
その言葉が酷く怖かった、怖く感じた、何の事か分からない、でも酷く、怖い。
「ルミエール」
でも、いう事をきかないと、もっと「怖い事」が起きる、そんな予感がしてルミエールは「とうさま」の言う通りに、シャツを脱いだ。
「下着――は私が脱がせればよいか。ルミエールうつ伏せになりなさい」
ルミエールは怯えながらそれに従いうつ伏せになり、枕に顔をうずめるような体勢になる。
「それでいい、大人しくしていなさい、何、よくなるだけだ、怖いことはなにもない」
優しい声色で言いながら、「とうさま」がルミエールの髪のを撫でているのが分かった。
ラースはルミエールの銀色の髪を撫でてから、下着に手をかける。
するりと脱がすと、綺麗な形のよい尻が見えた。
優しく撫でてから足を開かせベッドに置いてある潤滑液の入った瓶を取り、指を濡らす。
ルミエールのぷっくりとして縦に割れた後孔に、ゆっくりと入れていった。
「ひぅ?!」
ルミエールが声を上げ、顔を上げると、ラースはルミエールの尻を軽く叩く。
「良い子なのだから、大人しくしなさい」
「う……」
ルミエールは自由になった両腕で枕を抱きしめ、顔をうずめ、体を震わせていた。
前のような抵抗はない、大人しくしている。
ぐちゅぐちゅと後孔をほぐしていく、ルミエールの口から困惑の色混じりの声が零れている。
「ひっあっ、うぅ」
腸壁はしゃぶりついてくるかのように絡みつき、前立腺をたたけば、ルミエールの綺麗な雄から白い液体がとぷとぷと零れる。
ぐちゅと潤滑液とほぐした影響で女性器のように濡れてひくつく其処にラースは興奮して昂っている雄を押し付けた。
「ひ……」
ルミエールから怯えの声が聞こえたが、聞かなかったことにした。
一気に貫くように挿れた。
「~~~~!?」
ルミエールは顔を上げて、声にならない声を上げて、じたばたと暴れ始めた。
「とう、さま!! こわ、い!! やめ、て!!」
「ルミエール怖くないとも、すぐ良くなる、だから大人しくしなさい」
怯えた声で訴えてくるルミエールに、ラースはそう言うと腰を動かした。
しばらく怯え切った声が上がっていたが、雄を受け入れる器官に変貌した其処を雄で何度も突いてやれば、困惑と快楽の色の声が上がり始める。
「ひぅうう!!」
ぎゅうと強い締め付けを感じたが、射精を堪え、それをえぐるように突く。
「っひ――⁈」
ルミエールはのけ反って、そしてぼふっと倒れこんだ。
宝石などでは決して出せぬ美しい青色の目からは涙が零れており、口端からは唾液が零れ、赤く艶めいた舌を出している。
男とも女ともつかないが美しい顔立ちは今は何処か幼く、酷く怯えているように、困惑しているように、だがそれでも快楽の色に染まっていた。
少しだけ、凛々しく、そして悲し気な顔をしていた時のルミエールを思い出して、ラースの胸がずきんと痛んだ。
手を伸ばし、ルミエールを抱きかかえた。
「あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛!!」
ずぷずぷとより深く、腸内に雄が埋まる。
とぷとぷと勃起しているルミエールの雄から、白く濁った液体が零れてシーツを汚す。
「や゛……と、う、さ、ま゛……や゛め゛で……」
「大丈夫、怖くない、ヨクなる、ほら……」
少しばかり大きくなり、赤くなり、ツンとっているルミエールの両胸の先端を強くつまんだ。
「い゛あ゛~~~~!!」
腸壁がぎゅうと締まり、ルミエールの雄が勢いよく射精し、両胸の先端から白い汁が零れる。
がくんと、ルミエールの体から力が抜け、ラースの腕から逃れようと動いていた両手は力なくぷらんと下がっていた。
「や゛……か、あ、さま、たす、け……て……」
ルミエールの口からうわごとのように、一つの言葉しかしゃべ覚えられぬ言葉草のごとく、同じ言葉が繰り返され始めた。
「……」
ラースは酷くそれに苛立った。
獣が交尾するような体勢になって、ルミエールの後孔を何度も犯した。
「あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛!!」
白い体に噛みつき、痕を残していく。
粘質的な音と、ルミエールの濁った声が部屋に響いた。
いつもより、大量の精を腸内に注ぎ、ずるりと抜く。
開いた後孔からはどろりとラースの精液が零れていた。
途中からただ痙攣するだけになったルミエールを仰向けにし、寝かせてやる。
白目をむいており、口からは唾液をこぼし、顔は涙でぐしゃぐしゃになっていた。
「……」
ラースはルミエールの目を閉じさせ、汗ばんだ額にそっと口づけをしてから部屋を後にした。
――とう、さま、こわい、こわい、こわい……かあ、さま……――
『ルミエール……』
――かあさま?――
『……あの人に……ラースに――』
――あ、あ……ああ、そう、だ。そうだった、わたし、は、とうさま……――
――父上に、伝えなければいけないんだ、母上の言葉を、ああ、ダメだ、まだ、壊れるな、お願いだ、私の心よ、まだ、壊れるな――
ルミエールは目を覚ました。
体にべとついた感触が残っているし、シーツにもどこか不快感を感じた。
記憶がないが、腹の中の違和感やから、後孔の方をかなり犯されたのが分かった。
「……」
ルミエールは息を吐く。
記憶がないが、自分が壊れかかっている、否一度壊れたのが分かった。
今回は母の言葉のおかげで何とか己を取り戻せたが、次はおそらく精神が持たないのがわかった。
母の言葉と伝えたい、だが予想で来ていた「父に母に関することを言うのはまだできないと、自分から母の事を喋ることはまだ無理」だと。
「……っ」
ルミエールは両手で顔を覆い涙を流した。
今自分を何とか取り戻せたのは「母の言葉を伝えるという事」があったから、もしそれを完全に忘却してしまう、もしくは――
孕んでしまった時、自分は完全に壊れるだろう。
――怖い、恐ろしい、誰か、誰か助けてくれ――
カタカタと体が震える。
ルミエールは祈りたかった、縋りたかった、誰かに助けてと、父を止めてと救いを求めたかった。
だが、理解してしまったのだ。
願いを聞き届ける神はもう、堕とされ、朽ち果てた。
世界すらも、父に屈服し、抗う力を失い、力を全て奪われた。
もう、いないのだ。
祈る対象も、縋れる対象も、救いを求めることができる存在も。
今にも折れ、壊れそうな状態のルミエールに、救いの手を差し伸べるものは、誰も、いない。
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