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調教されゆく貴公子

見せつけられる変貌

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 ルミエールはベッドの上でぐったりとしていた。
 腸内へ液体を入れる行為が三回続いた後、何を思ったのかただの液体を入れる行為が一かい追加された。
 頭が焼けるような腹の中がおかしくなるような快感を与える媚毒の入った液体の注入、される度に腸内をより狂わされていく。
 媚毒の入った液体を注入されたせいで、腸内は液体を注がれるだけで快感を感じ、酷い排泄欲が苛まれる程の状態に陥っても快感を得て、それを出す時には絶頂を繰り返す。
 それが三回も続けば、注がれるだけで絶頂し、満たされている状態でも絶頂に至り、出す際は気が狂うような快感と絶頂が体を犯すのだ。
 媚毒の効果が体を作り変えてしまったのか、ただの液体でも同じ状態に陥り、ルミエールは酷い羞恥と絶望に染まり、体は疲弊しきっていた。


 体をローブで包まれ、顔をフードで隠されると、浴室に連れていかれ、傀儡に体の隅々まで洗われる為かと思ったが、体の至る所を愛撫された。
 無機質な手達が、手心など加えることのない愛撫を体にし始める。
 口の中、首筋、両胸の先端、下腹部、雄、女性器、後孔、封じられた四肢のうち封じられていない部分、背中、尻。
 ほぼ全身を愛撫し始めた時、逃れようとしたが、傀儡にも抵抗できる程の力は無いためあっさりと抑えられて愛撫をされる。
 媚毒が腸内だけでなく、全身を犯していたのか、撫でるような愛撫でも弱い快感が生まれ、強い刺激を与えられると何度も連続で絶頂してしまうほどだ。
 何度も射精し透明な液体まで出し、女の箇所からは愛液等の体液を滴らせた。
 腸内は無機質な指を悦んで締め上げ、前立腺は嬲られ続け、その為愛撫が終わるまで雄が萎えることは無かった。


 傀儡の愛撫でより体力を奪われた状態になり、まともに声も出せない状態になった頃全身を洗われ始めた。
 繰り返された拷問とも調教ともとれる行為と、傀儡たちの愛撫による絶頂の連続で、意識を保つのが限界にきており、ルミエールの意識は暗転した。




 傀儡たちが全身を洗い終え、体や髪を拭き終えたのか、意識を失っているルミエールを抱えながらラースの元にやってきた。
「ご苦労」
 ラースはそう言ってルミエールを抱きかかえると、ローブで体を包み、顔を隠す。
 そして浴室を後にした。


 ラースは己の寝室に戻ると、ルミエールを寝かせた。
 そっと雪の様な色白の肌を撫でる、自分のような不気味で異質な白さとは異なる白く、滑らかな肌。
 傀儡が処理したのか、首から下の体毛らしきものはなく、下腹部の茂みがあったであろう箇所も滑らかでつるつるとした感触になっていた。
 眠るように目を閉じている顔に視線を向ける。
 美しい、女性的とも男性的ともどちらともとれる顔、どんなに美しい銀でもこの美しい銀色は出すことはできないような、銀色の長い髪。

――愛おしい、誰にも渡すものか、見せるものか――
――奪われてたまるものか――

 ラースの闇色の目に、独占欲の炎が暗く揺らめいていた。




 怖い――……
 変わりゆく自分の体が怖い――……
 変わってしまった父が怖い――……
 孕むことが怖い……ああ、嫌だ、やめてください、父上、それだけは、それだけは――!!




 ルミエールは目を開けた。
 不快な汗で体が濡れているのが分かる。
 汗をぬぐいたくても四肢は、両腕は封じられたまま、相変わらずロクに動くことができずにいた。
 傀儡達が近づいてくる。
 傀儡達はルミエールの体を起こし、上質な布でルミエールの体を拭いていく。
 不本意だが、汗でべとつく不快感は消えた。
 体を拭き終えると、傀儡達は丁寧な仕草で再度ルミエールをベッドに寝かせた。
 それが終わると立っていた位置に戻った。

 再びベッドに寝かされたルミエールは外の景色に深いため息をついた。
 相変わらず、朝でも、昼でも、夜でもない、不気味な光景が続いていた。
 何とか時計が見える位置にあったので時刻を見れば、夜を示していた。
「……」
 それを確認すると同時に、ルミエールは動けぬ四肢で逃げ出そうと、ベッドの上で蠢き始めた。
 いつもなら黙ってみているはずの傀儡たちが再び近づいてきて、今度はベッドの上に上がりルミエールを押さえつけようとしてきた。
「……っ!! 離せ……っあ゛⁈」
 後孔に無機質な指は入ってきて、前立腺を刺激し始める。
 陰核を何かで塗れている無機質な指が弄ぶ。
 敏感な箇所を刺激され、ルミエールは更に暴れようともがき始めるが、傀儡達がそれを抑え込む。
 体を抑え込もうとする以外の目的の手が増えた。
 両胸の先端に何かが刺される、痛みを感じると同時に、中に何かを注入されるのを感じた。
 注入が終わったのか、抜かれ、つんとした消毒液の匂いのする物で拭かれる。
 そして少ししてから、両胸全体を揉むように、先端を刺激するように触られる。
「っひ……あぅ……!! んくぅ……」
 体が震える、性的に敏感な二つの箇所はともかく、胸や先端部でもどこかおかしい快感を感じ、その上、張っているような感覚までしてきた。
「っ――!!」
 我慢ができず、ルミエールは体を抑えつけられたままのけ反り、絶頂した。

 四つの箇所で。

 荒い呼吸を繰り返す、認めたくない絶頂だが、違和感があった、陰核、腸内、前立腺刺激での射精、あと一つ。
 見るのが怖い、確認するのが恐ろしい、そう思っているルミエールを押さえつけていた傀儡たちが愛撫と体の拘束を止めて、体を起こさせた。
 ルミエールは何をしようとしているのか分からず混乱したが、傀儡が今のルミエールの全身を映せる程度の大きさの鏡をベッドの上に持ってきた。
 ルミエールの全身が曇り一つない鏡に映る。

 ルミエールの青い目が驚愕の色に染まり、その直後絶望の色へと変化した。

 ルミエールの元の体は引き締まっている体――細身の筋肉質というたとえが近い、筋肉を鍛えぬいた類の人型の者とは異なる。
 それでも、顔はともかく、体は確かに男性的な体つきではあった。
 だが、細かった下半身は女性的などこか柔らかな形状に変わりつつあり、僅かにあったあまり目立たなかった首から下の体毛は全て剃られ、胸は女性的な膨らみとはやや違うが、以前見た時よりも膨らみ、胸の先端から白い汁を垂らしていた。
 傀儡に見せられている女性器や、後孔も、あまり見たことがない箇所であっても変化しているのが分かった。
 男性器に変化らしい変化はない、女性器は人型等の性器を見たことが無いが変化しているのは分かった。

 明らかに敏感な陰核は本来隠れているであろうと思われるのに、出ており、女性器はピンク系の色をしているが、雄が入るであろう穴はひくつきだらだらと愛液をこぼしていた。
 後孔は、どこかぷっくりとしていて、その上縦に割れている、本に書かれていた物とは明らかに違っていた。

 ルミエールの唇が震える。
 嫌でもわかった、全てラースとの行為や、触手のような生き物、傀儡がした行為等が原因で変化したものだと。
 体を「孕みやすく」また「快楽を得やすく」するために、変化させられていっているのだと。

「――離せ!!」

 ルミエールは暴れた、傀儡は予想外の行動だったのかルミエールから手を離し、ルミエールはベッドからずるりと落ち、床に這いつくばるような状態になる。
 ずりずりとルミエールは四肢の封じられた体で必死になって逃げようとし始めた。

 体だけでなく、心まで既に軋み始めているからこそ、ルミエールは必死になった。

――体を変えられ、心まで壊されたら私は、私は――

「おや、ルミエール、いけない子だね」
 聞きなれた優しい声色に、ルミエールは凍り付いたように動けなくなった。
 冷たい手が、まるで転んだ幼子を抱き上げるかのように、四肢を封じられたルミエールを抱き上げた。

 ルミエールは恐怖で振り返ることができなかった。
 唇を震えさせ、体を硬直させる。
 暴れて逃げ出すこと等、出来なかった。

 ベッドに再び寝かされるような状態にさせられ、優しいのに酷く恐ろしく感じる微笑みを浮かべて自分を見るラースに、ルミエールは怯えた。
「父、上」
「いけない子だ、あんな危ないことをして、怪我をしたらどうするのだ?」
 頬を撫で、幼子を諭すような叱るような口調、声で言っているのに、ルミエールはそんなラースが酷く恐ろしかった。
「少し、仕置きが必要なようだね」
 ラースのその一言に、ルミエールの頬に汗が伝った。


「っ~~あ゛ぁ゛、う゛ぅ゛!!」
 ルミエールはベッドの上で、体を何度も跳ねさせて濁った声を上げた。
 下腹部――子宮があるであろう箇所の腹の部分には小刻みに震える触手がへばりついており、膣内には依然使われた奥――子宮口を責め立てる道具が入れられている。
 こりゅこりゅと噛まれ、押しつぶされ、快楽を享受し、敏感になっている其処を刺激されるのと同時に、外から子宮に強い刺激を与えられ続け気が狂いそうな快感に、ルミエールはただ、体を地上に上げられた魚のように跳ねさせて、濁った声を上げるだけだった。




 ラースは、ルミエールの子宮口を責めている玩具を掴んだまま、ルミエールの体を触る。
 傀儡たちに「何かしそうならやっても良い」と命じていたことが実行されているのがわかった。

 ルミエールの胸が少しだけ膨らみ、先端から白い汁がにじみ出ているのだ。

――さて、次からはここもアレに仕込むよう命じねばな――

 ラースはそんなことを考えながらルミエールを責め続ける。
「ゆ゛る゛……しで……あ゛あ゛――!!」
 必死に哀願の言葉を紡ごうとしているようだが、終わらない絶頂に、全て言うことはできず、濁った喘ぎ声を上げて、体を刎ねさせている。
「……」
 ずりゅっとラースは子宮口を責めていた玩具を抜いた、だが腹越しに子宮を責めている触手は蠢いて子宮に刺激を与え続けている。
「あ゛、あ゛あ゛」
 先ほどよりも反応は大人しくなったが、それでも快感を感じているのか体を震えさせて濁った声を上げている。
「――ルミエール、次からは『危ない』行動をとってはいけないよ? 約束できるかい?」
 術の所為で意識を失わない状態にあるルミエールに、ラースは幼子を諭すような優しい口調と声色で話しかけ、涙で塗れた頬を撫でる。
「――は、い゛……っう゛あ゛……!」
 ルミエールの言葉を聞いて、ラースは子宮を腹越しに責めていた触手を引きはがし、先ほど抜いた道具と一緒に傀儡に渡した。
 傀儡の一体はそれをもって部屋を出て行った。
「ルミエール、次は気をつけなさい」
 ラースが微笑み、頬を撫でながら言うと、ルミエールは小さく頷いた。
 それを確認したラースが術を解くと、ルミエールの体は限界を超えていたのか、彼はそのまま目を閉じた。
 目を閉じ、眠りに落ちたルミエールを見てラースは薄紅の唇にそっと口づけをして、彼に毛布をかけてから、傀儡に命令をし、部屋を後にした。
 一人通路を歩き、窓の外を見る。
 忌々しい太陽も、無慈悲な月も、もう見ることは無い、灰色の空と、不可思議な色の雲と、なじみ深い魔の光の差し込む、もう変わらぬ景色。
 それを目を細めて眺めてから、再び歩き出した。

 誰もこの景色を変えられないように、闇の王を止める者は姿を現さない。





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