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調教されゆく貴公子
拒否と苦痛、逃れるための選択
しおりを挟む「……あ……」
ルミエールは目を覚ました。
柔らかなベッドの上、父であるラースの部屋にいることと、相変わらず自分は四肢を封じられ身動きをロクに取れないままであることを目覚めて実感する。
傀儡達が命令されているのか寄ってきた、追い払う力は今のルミエールにはない。
傀儡たちが手でルミエールの体を支えながら起こし、長い銀色の髪を整えだした。
傀儡が何かを持ってくる。
持っている器の中には白い液体、牛の乳のような色をしている。
スプーンですくったそれを口に近づける、頭をおさえられているので拒否を封じられている、ルミエールは恐る恐る口を開いた。
スプーンを口の中に入れられ、液体が入ってくる。
「んぶ⁈」
ルミエールは吐き出そうとしたが傀儡達が口を押えて飲み込ませようとしてくる。
ルミエールはその味で思い出したのだ。
父の配下の闇の者が口にしていたのを興味を持ってねだり、飲ませてもらい、そしてその味に――吐いたことを。
酷い「血と肉」の味に、ルミエールの母譲りの「人」の味覚は拒否を示した。
当時口にした時、赤い色だったが、今は何らかの加工がされているのか色が白かったため口にするまで分からなかったが、間違いなく「人型」の「血と肉」で作られたあの液体だった。
ルミエールは何とか口を覆う傀儡の手を逃れその液体を吐き出した。
「うぇ……!!」
びちゃびちゃとシーツに染み込んでいく、白い液体はシーツに付着すると赤く変色した。
傀儡たちは再度飲む用に強要してくる。
「止めろ!! そんなもの飲みたくはない!!」
傀儡の拘束から逃れる様に、不自由な体で暴れようとすると、ベッドに抑えつけられる。
「放せ……んぐぅ⁈」
口を開かせたままにする道具を付けられ、閉じられなくなった口の中に管を通される。
管は奥へとはいっていき、喉を通り、その奥まで入り、止まる。
その管の中に液体が注がれる、胃袋に落ちていくのを感じた。
全て注ぎ終わったのか、管を抜かれ、道具を外され、起こされる。
「げぼ……う゛ぇ……」
ルミエールは元「人型」の生き物の「血肉」を体内に入れた事に恐ろしくなった。
かつて父は「死刑となった罪人の血肉」と言い、罪無き人のものではないことと、闇の者は排泄行為をしない代わりに生きるために「人型の血肉」から出来たものを時折摂取しないと生きられないというのを聞いた、父は他の闇の者とは違うためその必要はないといっていた。
それを、今、自分に摂取させたという事は、父は今「人」に寄り添っておらず「闇」に傾いて、それらを喰らっているのだ、そしてこれはきっと「罪人の血肉」ではない、「罪無き者達の血肉」だ。
ルミエールの精神が強い拒否反応をし、体がそれに反応する。
「う゛……お゛え゛え゛ぇ゛!!」
びちゃびちゃと胃袋の中身――胃袋に入った液体を胃酸と共に吐き出した。
白い体がシーツが赤い色で汚れる。
傀儡は顔を見合わせるような動作をすると、ルミエールの体をタオルで包んで別の場所に連れて行った。
連れてこられた場所は風呂場、汚れた体と、口の中を洗浄される。
拷問じみた性行為と触手の嬲りの所為で、疲れている体は、先ほどの嘔吐で更に体力を消費し、ルミエールは抵抗することもできずされるがままだった。
カミソリのような物がちらりと見えたが、何をされるか分からないままルミエールは意識を暗転させた――
ふっとルミエールの意識が戻ると、ベッドの上にいるのが分かった。
少し視線を動かすと扉が開くのが見え、ルミエールは体をこわばらせる、音を立てず、そして自由に入ってくる者など一人しかいない。
「ああルミエール、起きていたのか。ふむ、寝ている間に連れて行こうと思ったのだが……」
「……父上、私を、何処、へ?」
「ああ、アレの所だ。ふむ、覚えていないか、触手のことを」
「!!」
ルミエールはラースの言葉に、何処へ連れていくつもりなのかを理解した。
魔の光の灯る、牢やのような場所にいる、自分の事を犯したあの触手の所へ連れていくつもりだと。
「い、嫌です……!!」
「だが、アレでなければ――」
ラースがルミエールの下腹部を撫でた。
「お前を孕めるようになるのにより時間がかかってしまう」
ラースはそう言った後、少し考えるかのように口を閉ざして、そして渋い表情になって口を開いた。
「お前が触手が嫌なら、試しに別のを行おう、こちらの方が時間がかかる、何より――……これは実際体験させた方が良いな、そうすればお前はアレの方が良いと言ってくれるだろう、それがお前の為なのだ」
「……」
ルミエールは、なるべく「孕む」ようになるまでの時間を稼ぎたかった、ラースが亡き母の言葉を己の精神が壊れる前に、孕まされる前に伝えたかった。
だが、ラースが浮かない表情をしているのだ、触手よりも過酷なのかと、ルミエールは身震いした。
傀儡たちが何かを持ってくる、何かを注入するような道具だ、筒らしき部分には大量の紅色の液体が入っているのが見えた。
傀儡たちが部屋を出ていくと、ラースは道具の一つを手に取った。
「……やはりあまり気が乗らぬなこれは」
ラースはあまり乗り気ではなさそうな声と言葉を言っている、一体何が起きるのかとルミエールは視線をそらしたまま、体をこわばらせる。
ぷちゅっと、秘所に先端が入ってくるのを感じた。
ルミエールは口を閉ざして、よく分からない行為の恐怖にじっと耐える。
「……⁈」
ルミエールはびくりと震えた、液体が入ってくるのを感じたのだ、胎――子宮に。
「あ゛う゛、あ゛ぐぅ……」
苦鳴を上げる、痛みによる声ではない、酷い快感の苦しみによる苦鳴だ。
子宮が満たされると次は膣内に広がっていくのを感じた。
ルミエールはガチガチと歯を鳴らす。
酷い快感に苦しくて、苦しくてたまらないのだ。
女性の生殖器のナカを液体が満たしたのか、ラースはもう一本ある注入する道具――液体量も女性の方よりもはるかに多いそれの先端を後孔に入れた。
腸内にも液体が入ってくる。
「ひ……ぐ……」
ルミエールは目を見開き、顔の色を恐怖の色に染める。
液体が腸内を満たすのを感じる、腹の中に圧迫感があるのだ、液体を全て注ぎ終わったのか抜かれるのを感じた、だが液体を排泄できなかった。
女の箇所も零れている感触はない、両方共何かが栓をしている感触があった。
時計の長い針が10進んだ頃、ルミエールは既に全身から脂汗を滲ませ、藻掻き始めた。
「ルミエール、我慢なさい」
ラースが諭すように腹を撫でながら言う。
「ひぃ゛?!」
ルミエールは引きつった声を上げてからガチガチと歯を鳴らす。
液体を注がれてから、時間経過とともに、快感が強く、より強くなり、ルミエールを苛んでいた。
シーツの感触ですら快感なのに、撫でられたら頭がおかしくなりそうな快感を感じてしまった。
だが、ルミエールはそれでも一度も「絶頂」していない。
絶頂に至る、それどころか普段なら連続で絶頂している程の快感なのに一度も絶頂できていないのだ。
「――い゛げ、な゛、い゛ぃ゛!!」
ルミエールは音を上げるように濁った声で言う。
「……アレは嫌だという女達の為にかつて薬を作らせたのだが……どうも、アレには劣る上、アレよりも回数も必要、何より――絶頂ができない快楽に苦しむという副作用があまりにも酷くてな、女達は皆即座に音を上げてアレに切り替えたのだよ。しかも液体を中に入れていないといけない時間はアレより遥かに長くてな、それに気を失えぬ」
目から涙を流し、口から唾液をこぼして苦鳴を上げているルミエールに、ラースは優しい声色で説明した。
「……液体を体内に注入して効果がでるには二日はかかる、副作用の所為でロクに寝れぬ。さらに、時間経過とともに快楽の強さは増す、強い快楽を感じるのに絶頂出来ぬ。アレが優秀すぎて作った者も相当苦労したのだが、このようなものしか作れなかったらしい」
ラースの説明に、ルミエールはぞっとした。
――この状態を、二日間?――
――それを、何度も?――
――耐えられない!!――
まだ時計の長針は10しか進んでいない、それでも限界なのだ。
――イキたい、イキたい、イカせて欲しい、出したい!!――
「――ああ、そうか、雌や女でしか実験しなかったから分からなかったが――男の方も絶頂――射精ができないのか」
「ひぎ⁈」
勃ち上がり、限界状態の雄を撫でられる、苦しい程の強い快感なのに、絶頂はできず、射精もできなかった。
「苦しそうだな、ルミエール。さて父の願いを聞いてくれるか? 私はお前を苦しめたくはない、だから大人しくアレに体を預けておくれ」
ルミエールは荒い呼吸を繰り返しながら、小さく頷いた。
「良い子だ……だが今液体を抜くと副作用がより酷くなる、だからアレが抜いて中和するまでしばらく我慢してくれ、すまぬ」
ラースはそう言ってルミエールを抱きかかえ、白いローブで体を包み、フードで顔を隠させる。
ルミエールは布や、抱きかかえられている感触にも酷い快感を感じて、身もだえた。
ラースは薬の副作用で苦しみ、腕の中で悶えるルミエールを抱きかかえて、急いで部屋を出ていき、あの生物のいる場所へと向かった。
魔の光がともる、その領域の奥へと向かい、触手の塊のような生き物のいる場所へ扉を開けて入ると、細い触手が伸びてきた、ラースはルミエールのローブを脱がせる。
「うむ、昨日の続きだ。違う点はそうだな、女の箇所でも絶頂させてよいことと、男の箇所も満足させること。それと――あの薬を使ったから、栓などを傷つかない様に抜いて、中和させよ」
ラースがそう言うと、触手は不満げに蠢いた。
「何? 何で自分がいるのにあんな薬を使った、だと? この子がお前は嫌だといったから試しに……何、試しにでも使うなあんな物、下手に使うと体を壊す、だと? それは、反省……ええい、長話はよい!!」
どれ程年月を重ねても自分其処まで怯えず説教をするその生き物の「言葉」を打ち切るように言って、荒い呼吸を繰り返し、目の焦点が合わなくなっているルミエールを生き物の凹んでいる箇所に座らせ、離れる。
「……んぶ……」
ルミエールの口に触手が入ると触手の特殊な体液を飲まされているようだ、苦痛の表情が徐々に和らいでいく。
女性器の栓と後孔の栓を細い触手を使って器用に抜き、女性器のナカ子宮口の栓も出てくるのが見えた。
別の触手が入り込み、二つの箇所に別の体液を大量に注ぎこんだのか、ルミエールの引き締まった腹が膨らんだ。
しばらくしてから、ルミエールの口と秘所と後孔から触手が出ていく、秘所と後孔からはどろどろと紅色の液体と白濁した液体が混じり合って零れだした。
その秘所と後孔にナカを刺激するような形状の触手達が押し当てられ、勃ち上がった雄を擦るような触手が雄に絡みつく。
秘所と後孔に触手が一気に入り、同時に雄をすり始めた。
「~~~~!!」
ルミエールは声にならない声を上げてのけ反り、射精した。
どうやら、絶頂できているようだ。
細い触手が再びラースの所に伸びてきて、ぐねぐねとうねる。
「何? 体が非常に衰弱してるから結構薬で危険な状態になってる、だと? 分かったら二度とあの薬は使うな、次使ったら闇の者でも命が危ない、だと? そ、そこまで危険だとは知らなんだ……ん? 食事とらせてないのか、だと? その……今日与えた食事は全て吐いたそうだ、アレが一番よいの……ん? あんなくそまずいもん食わせるな、しかたないからさっき体液で栄養供給しといたから次はちゃんと考えろ大馬鹿…?! 仮にも主にお前は本当に……!! ええい、説教はやめろと言っている!!」
ラースは触手に怒鳴ると、触手が戻っていく。
ふぅと息を吐き鉄格子に寄りかかり、ルミエールを眺める。
絶頂禁止から解放され、連続の絶頂と射精を繰り返し、触手の愛撫に喘いでいる。
快楽に溺れる、美しい淫靡なその様に、ラースは歪に笑みを浮かべた。
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