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狂気に堕ちた王
初めての絶頂、開発されゆく体
しおりを挟むルミエールは目を絶望の色に染めながら視線をそらしていた。
孕ませる為に作られた女性の生殖器官を、実の父であるラースに犯されはじめてどれくらい時間がたったか分からなかった。
部屋の時計は壊されてて動いていない、窓の外は母を失った日から空は灰色のまま、日の光は届いたことは無い、月の光も届いたことは無い、ただ不気味な光が差し込んでいる。
痛みの感覚はもう分からない、快感はないまま。
ずるりと抜かれる感触がした。
「もう、入らぬか」
ナカはもうラースの精液でいっぱいになってしまったようだ、ラースはどこか不満げな声をしている、物足りない、と言わんばかりに。
「……ああ、そうか、もう一か所あったな」
ぬるっと指が膣内に入った、すぐ出て行ったので何をしようとしているかルミエールには分らなかった。
視線をそらしたまま動かないでいると、ぐりゅっと、排泄用途にしか使わぬ穴――後孔に指が入ってきた。
「あ゛……⁈」
触手が侵入していた為か、痛みなどは無かったが、そこは受け入れる箇所ではない、そんな風にはできていない。
「父上、なに、を」
「ああ、触手がほぐして、綺麗にしておいたようだ。これなら初めてでも痛みは少なかろう」
答えになっていない言葉、ルミエールは全く理解できなかった。
否、理解するのが恐ろしかった。
指の本数が増え、意識があるとき触手が執拗に嬲ってきた箇所を指で押され、刺激を与えられる。
「う……あ、ぐぅ……ひぅ!!」
耐えがたい快感に声が零れる。
このような快感など知らぬルミエールには耐えがたいものだった。
「お前は知らぬか、ここは前立腺だ。男はここが弱いのだよ、ほらお前のがもう勃ち上がっている」
「ひ……⁈」
雄を手で扱かれる感触にルミエールは、引きつった声を上げた。
初めて味わう感覚に頭が混乱する。
「ああ、そう言えばお前は性欲が薄い子だったな」
ラースは懐かしがるような、愛おしむような声色で、ルミエールの腸内のある箇所――前立腺を嬲りながら、勃起させられた雄を扱いた。
「やめ、あ、あ、あ、あ――!!」
びくりと四肢を封じられている綺麗な裸体が動いた、まるで跳ねるように。
ルミエールの雄から白い液体が勢いよく噴き出し、ぼたぼたとラースの服と指、ベッドのシーツを汚した。
ラースは汚れた指を見て笑みを浮かべて、荒い呼吸をしているルミエールの口の中にその指を突っ込んだ。
「いけない子だ、さぁ綺麗にするんだ。お前が出したものなのだから」
ラースは粗相をした子どもをたしなめるような優しい声色で、ルミエールに言った。
指を突っ込まれ、指に付着している酷く不味いそれに、ルミエールは吐き気を覚えた。
「ほら、ルミエール。お前は良い子だろう? お前が射精して汚したのだから。さぁ、舐めとるんだ」
指を突っ込まれて息苦しさと気持ち悪さがある。
無理やり射精させられ、己の精液を舐めとれと強要されている現状が酷く惨めだった。
だが、言う通りにしない限り、このままなのは想像がついた。
ルミエールは諦めて、口の中に突っ込まれた指についている己の精液を舐めとった。
口から指が抜かれる。
ルミエールはぐったりしていた、酷い味が舌に残っているし、妙な匂いが鼻についている、それに自分の精液を舐めさせられたという事実に精神は苦痛を感じていた。
「良い子だ」
ラースはそういうとルミエールの太ももを掴んで軽く持ち上げた。
後孔に、何かが押し当てられる。
その感触に、ルミエールの顔から血の気が引いた。
――まさか、そこは、無理、だ、嫌だ――
拒否の声を紡ぐことがルミエールはできなかった、心の中で拒否するのが精いっぱいだった。
後孔を熱を持たぬ剛直に、雄に貫かれる。
「――⁈ あ、あ、あ」
ルミエールは混乱する、痛みがない。
「ああ、こちらは触手の愛撫と媚毒の効果があったようだ、痛くないだろう?」
腹の奥がぞわぞわとし始める。
まるでこれを望んでいた、待っていたかのように。
ぐちゃぐちゃと音が聴覚を犯す、今まで感じたことの無い暴力的な快感が体を蹂躙する。
腹の奥と突かれ、ずるっと引き抜かれ、また奥を突かれる。
「また勃たせて、感じているのだな?」
ラースの言葉に酷い羞恥を感じ、体がより熱くなって敏感になり更に快感が暴力的なものに感じられていく。
「あ゛、ああ゛!!」
声をおさえられない、暴力的な快感が酷く恐ろしくて逃げ出したいのに四肢を封じられた体では逃げることはかなわず、滑稽に身もだえするだけだった。
ルミエールはこの異常な行為から、異常な現実から目をそらしたかった、逃げたかった。
実の父に、作られた孕む箇所を犯され、排泄器官であるはずの箇所を犯されてることから、暴力的な快感から。
「あ゛あ゛あ゛――!!」
射精させられた時とはくらべものにならない快感、ルミエールは一際高い声を上げて、体をびくびくと震わせてのけ反った、何なのか分からず頭が混乱する。
「ああ、怖がらなくともよい。絶頂したのだよお前は、初めてでそこまで至れるとは良い子だ。陰茎も反応して精液をこぼしている。でも、次からは絶頂するときは『イク』と言うように、言えるだろう?」
酷い優しい口調、声色、まだルミエールの母が生きていて幸せだった頃に何度も耳にしてきた優しいもの、それが酷く今は恐ろしく、異常性を感じさせた。
再び動くのを感じる、知らなかった感覚――絶頂の所為か酷く敏感になったそこは何度も強い快感――絶頂でルミエールの精神を追い込んでいく。
「~~~~!!」
「だめだろう? イクときはちゃんと言わなければ」
優しく叱るような声が聞こえるが、ルミエールはそれどころでは無かった、絶頂の連続に体も精神も限界だった。
奥をぐりぐりと刺激される感触にびくびくと体を震わせて声にならない声を上げていると、わずかに熱を孕んだ液体が腹の奥に吐き出されるのを感じるのと同時に意識が暗転した。
ラースはずるりと雄を後孔から抜いた。
情事の為か、汗ばみ、自身の精液で汚れているルミエールを見て、指を鳴らす。
ラースの命令のみで動く傀儡が複数体姿を現した。
ラースはベッドから立ち上がると命令を口にする。
「我が子の体を清めてこい、清め終わったらこの部屋のベッドに寝かせよ、服は着せなくて良い。それまでにこの部屋の掃除を、ベッドのシーツを新しいものに、時計を片付け新しい物を置け」
頭を下げるもの言わぬ傀儡に命じ終わると、ラースはそのまま部屋を後にした。
玉座で忠実な下僕たちの言葉に耳を傾ける。
報告を聞き、命令を下しそれを繰り返していると、最後の報告としてラースの最愛の妻を殺した連中を生け捕りにした、という内容があった。
「生かせ、苦しめ続けろ、殺すだけでは私の怒りは憎悪は治まらぬ、永劫の苦しみを与え続けろ、奴らの神などいないと絶望させよ、方法はお前達の好きにするがよい。拷問で苛んでも良い、殺された魔物の分だけ産ませても良い、見せしめにしても良い、任せる」
下僕たちは嬉しそうな顔をし、首を垂れた。
「愚か者どもに自分達がしたことの罪深さを教えろ、良いな」
ラースは最後にそう言って玉座から姿を消した。
ラースは自室に戻る、傀儡たちが丁寧に仕事を果たしたのが見える。
部屋には埃はなく、時計は真新しい物になっている。
ラースはベッドに近づいた。
四肢を封じている、最愛の息子ルミエールが静かに目を閉じている。
「ああ、ルミエール。本当にお前は美しい、アリアドネによく似ている」
僅かに開いている薄紅の唇を指でなぞる。
「お前も可愛い子を産むだろう、楽しみだ。ああ、でも今のままでは孕むようになるのに時間がかかりすぎる、少し怖いかもしれぬが大丈夫、アレは快楽を与えるものだから」
意識のないルミエールに語り掛ける、勿論返事はない。
ラースは真っ白なローブを取り出しそれでルミエールの裸体を隠させ、顔も隠させる。
そしてルミエールを抱き上げると、そのまま部屋を後にした。
かつて、子を成せぬと悩む女達や自分が原因で子に恵まれぬと嘆いた男達を迎え入れた領域。
それを解決させる「生物」は日の光を好まない、寧ろ苦手としていた。
その上、ある程度空気の通りが良くないと自身の体液からの湿度で動きが鈍ってしまう為、牢のような作りになってしまっているのがラースには未だに不満な点だったが仕方ないと諦めている。
ラースは一番賢く有能なのが居る奥の檻の扉を開け、中に入る。
日の光とは異なる、魔の光でその空間は明るく、奥に触手の塊のような生き物が蠢いていた。
その生き物はラースを見ると触手を伸ばしてきた、触れることはしない、まるで会釈するような仕草をしている。
「ああ、久しいな。暫く『仕事』も無く、暇であっただろう?」
それはぶんぶんと触手を振った、「そんなことはありません」という風に。
「お前は謙遜だな、さてお前に久々の仕事だ。この子の女の箇所を時間がかかってもよいから、成熟させよ。子を孕めるようにさせよ。もし可能なら今日次来るまでにその箇所で快楽を感じられるように、できるか?」
ラースはルミエールのローブを脱がせて、その生き物に四肢を封じられ、裸体の状態のルミエールを見せる。
生き物は触手でルミエールの体をなぞり、するりと股の間に入り、女性器に触れる。
「ああ、それと出来ることなら今日だけは女の箇所で絶頂はさせるな、他なら良い。他の箇所なら敏感にさせて構わぬ、ただ服を着るのに支障がでる程にはさせるな」
ラースが付け足すように言う。
触手がルミエールの綺麗な女性器から離れて、ラースの前でぐねぐねと蠢く。
「何、注文が多い? 久しぶりなのに扱いが荒い? ではできないのか?」
ラースの言葉に生き物はぶんぶんと触手を振った。
「であろう?」
ラースは生き物に近寄り、座れるような形になったそこにルミエールを座らせる。
「では任せた」
ラースはそう言ってその空間から立ち去った。
気持ちの悪い感触と、快感と、絶頂にのぼらされるような感覚にルミエールは目を開けた。
知らない牢屋のような空間、暗くはなく明るい、自分の体を触手が這っている。
「?! 触る……ひぃ?!」
腸内を熱を持つ何かが埋め刺激を与え蠢いている液体を分泌しているのか穴から液体が垂れてきているのが分かる、膣内を太い何かと細かい何かが蹂躙している、こちらも液体を吐き出しているのか、入りきらなかった液体が零れている。
共通する点はどちらも快感を感じること、異なる点は――
「あぐぅうう!! ――あ゛あ゛あ゛、たり、ない!! そごはもう゛いやだ!!」
腸内は嬲られ突かれ、奥を刺激され、絶頂を繰り返しているが、膣内は快楽は寸止めで絶頂に至らない、ぐずぐずと煮詰まっているような感覚とのぼらされる感覚、二つの異なる感覚にルミエールは半狂乱に陥る。
「あ゛あ゛あ゛!! 嫌だ!! こんなのは!!」
四肢の封じられた体で暴れ、身をよじって逃れようとすると、触手達は拘束を強め、口の中に触手が入ってきた。
「んぶぅ⁈」
触手が喉の奥まで入り込み、胃袋に液体を流し込まれるのが分かる。
それでもしばらくルミエールは暴れようと身をよじり、逃げ出そうともがいた。
しばらくして、ルミエールの口から触手が抜かれる。
「う……あ……」
頭がうまく回らない、逃げ出そうという意欲が何故か消えた、ただ快楽を感じていたいと思う求めるようになっていた。
「あー……あっあ……あ゛――!! ……あ゛、おね、がい、たり、ない……」
ルミエールは体を震わせながら喘ぎ声を上げ、たどたどしい口調で触手に快感を絶頂をねだった。
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