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蕾を開かせる

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 するりと脱がされる感触にメルは何とか動く脚で抵抗する。
「ギャー!! やめろー!! 初体験がレイプなんて死んでもごめんだー!! むしろ死なせろー!! くそ自殺行為もできねぇとかふざけんな!!」 
「……そうですね、確かにレイプは私もあまりしたくありません」
「だったら――!?」
 下着にするりと手袋をつけた手が入ってくるのを感じた。
 それが尻を撫で、排泄するための箇所を軽く触った。

――え、まさ、か――

「ですから、こちらを使わせていただきます。前の方はメル様のが強請るまで、処女を奪うような行為は致しません」

――悪魔がいる――
――……男性なら前立腺とかあるから気持ちよくなれるけど女性にはそういうのないから気持ちよくならない、多分……いや、待てエロゲーとかエロ本のアレ系で女性キャラの尻に突っ込んで女性キャラが喘ぐとかそういうのは見た事あるぞ?――
――……やばくないか私?――

「では、準備をさせていただきますね」
「は?」
 微笑むヴェインに、メルは間の抜けた声を出してしまった。




 ヴェインは、メルの柔らかな形の良い尻を撫でる。
「っふ……う゛ぅ゛……」
 メルは荒い呼吸をして、枕に顔を乗せたまま、顔を真っ赤にしている。
 ショーツを脱がし、開くように足を固定された為、まだ何も知らぬ慎ましやか蕾をヴェインは褐色の指で軽く撫でる。
 そしてまだ受け入れを知らぬ花のある場所を撫でた。
 そこは黒い物質がまるで貞操帯の如く覆っていた。


 貞操帯などではない、それはまだ触れられる事を知らぬ皮に覆われた陰核の皮を剥き、陰核に強力な媚薬効果のある液体で陰核を浸食し、蠢いて陰核を責め立てている。
 花――膣内や子宮には陰核よりも更に強い媚薬効果のある液体を満たさせている。
 そしてどちらも共通しているのはどれほど快楽を感じても絶頂できぬ状態であること。
 絶頂に至る寸前で強制的にそれを止められる、故にどうあがいても絶頂には至らない。
 通常の性拷問に慣れた女だろうと、性的に身持ちが堅い女であろうと屈服し、黒き責め具をはがすことを要求し、絶頂を望む。

 通常時、ヴァインはそういう女達に玩具を与える、女達は玩具に飛びつくように手に取ってはがされた其処に押し込み、膣肉を下品にほじり、陰核をこする――が、それでは絶頂には決して至らない。
 絶頂の寸止めを味わい続け悲壮な声を上げる女にヴァインは告げる。

 自分が貫かなければ、触らなければ絶頂出来ない――と。

 堕ちる女はそこで落ちるが、堕ちない女は再度黒き責め具をより凶悪にした物をつけさせて放置する。
 液体が注がれるだけだった膣内等を容赦なく男根よりも適格に膣肉を責め、弱点を嬲り、ポルチオを責める。
 陰核に関しては変わらず――だが、気が狂いそうな快楽なのに絶頂に至らない苦しみを味わい続ければ――女達はやがて屈服し、本来の人格は偽りとなり、ヴァインに従順に従う駒としての人格が主となり、手先となって様々な働きをした。

 犯罪組織CHAOSがヴァインに依頼をするように仕向けたのもその結果だった。
 また、忌々しいJUDGEMENTの情報がヴァインに筒抜けなのもそれが原因だ。
 どうやら傀儡ヒーロー達が今更自分達の組織に疑問を抱いて調査を始めているようだが――連中がJUDGEMENTの真実にたどり着いた所でどうすることもできないだろう。
 ヴァインは何も考えてない訳でもないし、なにもしていない訳でもない、駒の数は多く、男抱く性癖を持ち合わせてなかったが、男も同じように堕として駒にしているので、ヴァインの駒は各地に点在している。
 ヴァインの「爆弾」の準備はできている――が、それまで時間はある。

 ヴァインはメルにそれらを教えるつもりは無い、彼女は此処で自分に愛でられていればいいと思っているからだ。


「メル様、気持ちよさそうでなによりです」
「っ……う゛……こ、の……あく、しゅみ……っはぁ゛……!!」
 通常時よりも媚薬の効果は低くしているとは言え、快楽を知らぬ乙女の体には辛い行為であるはずなのに、メルは相変わらず悪態をついている。

 ヴァインには今メルの顔は見えないが蜜色の肌は紅潮しているのは想像ができたし、呼吸も明らかに快楽の色に染まっているのが経験上分かる。

――では、こちらから気持ちよくさせてあげましょう――

 緑色の透明な液体にも見える物質が入った浣腸器の先端をローションで濡らしてから、メルの蕾にノズルをゆっくりと押し込んだ。
「ひ?!」
 浣腸器の中身をゆっくりと注入していく。
「う、ご、いて、る……な、にこ、れ……?」
 呼吸を乱しながら、メルは困惑の声を上げている。
「グリセリンや酢でしたら、メルさまの体に負担をかけてしまいますし、私は構いませんがメル様は人に排泄行為は見られたくないと思いましたので、そうですねファンタジーのゲームや本で見かけるスライム、の様な物ですね。違うのはメル様の腹の中にある排泄物、老廃物を吸収して綺麗にするものというところでしょうか?」
「きも、ち、わる……ぅう゛……ん゛ぅ゛……」
 メルは枕に顔を伏せ快感を否定するように擦り付けた。

 それもそのはずだ、メルの腸内に注入している粘質生物は排泄物や老廃物等を吸収する以外に、強い媚薬成分の液体を潤滑液として分泌しているのだ。
 異物感は最初のみ、後は粘質生物に腸内を開発されるだけ。
 あくまで開発だけ、この生物の行動でも絶頂に至ることはできない、そういう風に作ってある。

 全て注入し終えると、ヴァインはノズルを蕾から抜き取った、蕾からは蓋をするように粘着性物が顔をのぞかせていた。
「~~~~!!」
 わずかに見える表情から、メルは腸内を占領しているソレを出そうと必死になっているのが分かる。
 が、蕾は蓋をされ、どんなに力んでも出すことはできない。
 ヴァインはメルの少しばかり膨らんだ腹を撫でて揉んでやる。
「さ、わ゛、る゛な゛!!」
「早く排出したいようでしたので、この生き物は刺激を与えた方が動きが良くなるんですよ」
「う゛ぅ゛……」
 枕が少しばかり湿っているのが見えた、花とその中、陰核を責めている黒い責め具と、腸内を排泄器官から「肉壺」へと変化させている粘質生物の行動が相当辛いのを必死に耐えているのが分かる。

 黒い責め具はつけられた者が排出した液体の量や、体の状態をヴァインに伝えていた。

 性的な快楽とは無縁に過ごしてきたらしきメルの初心な体は、とっくに限界値を突破している状態で、精神でそれを必死に押しこんでいるというのが分かった。
 ヴァインはメルの腹を撫でながら、昔よりも「我慢」する悪癖が悪化しているのが理解できた。

 十一年前、八つの彼女は、人に優しかったし、人のプライバシーを侵害するような行動をしない、聡い子だった。
 だから周りは彼女に「我慢」を強いた、親も教師も友も、皆彼女に「甘えて」彼女に「我慢」を強いるようになった。
 出会った時、彼女は人目につかない場所で、声を上げて泣いていた。
 辛い、苦しい、私だって、と。
 自分がいる時、彼女は優しかった、こっそり家から食べ物をもってきて分けてくれた、治療道具なども持ってきてくれた。
 だから、ヴァインは彼女を甘やかし「メル様」と呼び、彼女の我儘に付き合ってあげた、できる範囲内の事だったが、彼女はそれでも嬉しそうだった。

 だが一年後メルが九つの時に起きたあの事件の後、それらの記憶を全て取り上げた、彼女が狙われないようにするために。

 だが、別の意味で悪用されそうになっているのを知ったから、彼女を此処に閉じ込めることにした。
 でも、記憶は返すつもりはない。
 記憶を戻せば、その時のメルを「裏切っている」こと知られる、故に返すつもりはない。

 誰が言えようか、十も年の離れた少女に恋をして、汚したいと思っていたなどと、自分の色に染め上げてしまいたいと、永遠に籠の中に閉じ込めておきたいなどと。
 今もその感情が変わらないなどと。

 だから、記憶は決して返さないとヴァインは決めていた。
 メルは何も知らなくていい、知らないまま、此処に一生いればいい。


 あの頃から変わらぬ蜜の香り「雄」を誘惑する香り。

 あの頃から変わらず男とは一線を引いていた、あの頃唯一心を許していたのはヴァインだけ。

 性的な快楽で「蜜」の香りは増し、このままどこかへ置いたら「蜜」に群がる「虫」の如く雄達はその体を好き勝手にするだろう、理性を無くして。

 メルのあの能力が表に出るまで一年切ってしまった。
 奴らはその能力の全容を把握してないものの、どういう物かは把握している。
 奴らの手元にいれば、メルは「兵士」を産む為の道具にされるのが分かり切っていた。
 だから、そうはさせないように刻み込むと決めた。
 刻み込み、自分から離れられなくしてしまえば、仮に攫われる事態が起きても奴らの望む「兵士」を産むという事はできなくなる。

 記憶を返せば、多少の我慢や警戒が溶けて、快楽に堕ちやすくなるかもしれない。
 けれども、記憶を返すことは彼女との約束を「裏切った」事を知られる、他の雄と自分が変わりないと彼女に思われてしまう。
 何より、あの甘く美しい記憶がメルの中で「忌まわしい」記憶になることだけは避けたかった。

――だから決して返さない、あの記憶は……――


 蕾――後孔に栓をしていた、粘質生物がとろりと垂れ始めた。
「掃除が終わったようですね、出ていきますよ」
「……っは、や……く……で、て……け……あぅぅ……」
 粘性生物が球体状で半分固体に近い状態で排出される度、メルの体は震え、呼吸が荒くなる。
 膣内と子宮、陰核を仕込んでいる責め具が外されていたなら、其処から愛液を滴らせてシーツを濡らしていただろう。
 他の存在の体液など舐める気も飲む気も起きないが、ヴァインはメルの体液を口にしたくて仕方なかった。

――どんな体液であれ、貴方様のソレは、とても甘美でしょう――

 ヴァインは薄く笑みを浮かべた。




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