変幻自在の領主は美しい両性具有の伴侶を淫らに変える

琴葉悠

文字の大きさ
上 下
13 / 16

可愛い子~守る為に~

しおりを挟む



 入浴し、体の汚れを落としてから、二人は食事を取る。
 サフィールの量はニエンテとは比べものにならない程少量だが、一般的にも少量だった。
 それでも最初ここに来た時より食べるようになっていた。
 穏やかに談笑しながら食事を終えると、ニエンテとサフィールは寝室へ向かう。

「これから二人の時間を楽しむ故、よほどの者が来ない限り呼ぶな。そして通すな」
「畏まりました」

 ニエンテはサフィールに聞かれないように人形に言うと人形は頭を下げて部屋を後にした。

「サフィール」
「は、はい」
「ベッドへ行こうか?」
「はい……」
 ニエンテの言葉にサフィールはうっとりとした表情で頷いた。

 ニエンテは抱き慣れたスタイルに体を変えると、サフィールを複数の手で抱きしめた。
「可愛いサフィール」
 そう言って額にキスをした。
 サフィールは嬉しそうに微笑んだ。




 くちゅぷちゅ
 ぬちゅ、ぬち

「あ……♡ はぁ……♡」

 サフィールは秘所と後孔を愛撫され、秘所からは愛液をしたたらせ、後孔からは注ぎ込んだ潤滑剤がぽたぽたと垂れていた。
「両方でいいんですよね?」
「はぃい……♡ 両方、両方にくださいぃ……♡」
「分かりました」
 ニエンテは微笑んで、サフィールの口に口づけをしてからどちゅんと、秘所と後孔に自分の二つの雄を挿入した。
「んんん~~~~‼♡」
 口づけされながら嬌声を上げるサフィール。
 じゅぷじゅぷと音を立てて秘所と後孔に、二つの雄が出入りを繰り返す。
 じゅぷじゅぷ♡
 くにくに♡
 クリトリスを愛撫されて、サフィールはのけぞった。
「はげしっ♡ らめ♡ そこも一緒にいじっちゃ♡」
「わかったとも」
 ニエンテは優しく微笑んだままクリトリスから手を離し他の場所を触り始めた。
 サフィールの胸の先端を優しく触り、揉みながら頬にキスをする。
「あっ♡ あぁ♡」
「気持ちいいかい、サフィール?」
「気持ちいぃ……♡」
 心地よい快楽に、サフィールは身を委ねていた。
「そろそろ出すよ?」
「あ♡ たくさんください♡ たくさん……♡」
 その言葉にニエンテは薄く笑う。
 どこか寂しそうに。
 そして、奥を突き上げて、最奥にどぷどぷと精液を注ぎ始めた。
「あっ♡ あっ♡」
 サフィールは断続的な声を上げて射精による快楽に喘いだ。

 両方の接合部からぽたぽたと白い液体がこぼれていた。

 ニエンテはゆっくりと二つの雄を引き抜いた。
 どろどろと秘所と後孔から白濁液がこぼれた。

「……ああ」

 注がれた液体が無くなる感触にサフィールは寂しそうな、悲しそうな声を上げた。
 ニエンテはそんなサフィールを抱きしめ、毛布で体を共に覆い、囁いた。
「大丈夫、何度でも注いであげるから」
「はい……♡」
 サフィールはうっとりとした表情で言った。
 そんなサフィールを愛おしげにニエンテは撫でた。




 長い情事に疲れ果てたサフィールはすぅすぅと眠っていた。
 優しく、時に激しい情事は彼に心地よい眠りを与えた。
「もう、あんな糞親父のことは忘れな」
 ニエンテはそう言ってサフィールの頬を撫でる。
 サフィールは心地良さそうに、手にすり寄り眠り続けた。

「さて、仕事に行くか」

 部屋を出るとすぐ自動人形の召使いが立っていた。

「おっと何だ?」
「旦那様への依頼でございます」
「誰から」
「イグニス様より」
 ニエンテは顔をしかめてから、興味がない相手用の黒い顔に姿を変える。
 そして手紙を読む。

「あの野郎、俺に未だサフィールの命を狙ってる連中の始末依頼しやがった」
「さようでございますか」
「糞が、身内の不始末くらい自分でしろっての」
「確かに、そうでございますね」

 ニエンテは手紙をぐしゃぐしゃにしてポケットに入れた。

「だが、依頼だ。受ける」
「分かりました、行ってらっしゃいませ」

 ニエンテは翼を生やし、外に出て、飛び立っていった。
 召使いはそれを見送ると扉を閉めた。




「な、何故お前が私達を殺そうとするの⁈」
「未だに俺の嫁さん──サフィールを殺そうと目論んでいる連中は見逃せねぇってさ」
 金切り声を上げる女吸血鬼にニエンテはどうでも良さそうに、だが確かな怒りを込めていった。
「あの方も、お前もサフィールか! あんな半端物何処が良い!」
「私の子ども達の方が──」
「それさ、イグニスも気づいてるぜ」
「な、何に」
「お前との子が自分の子じゃないことに」
「な⁈」
「だからさくっと殺したんだけどな」
「よくも、よくも私の可愛い子どもを!」
「血も引かない不義の子に、可愛い子ども殺されそうになってるのにイグニスも頭にきたみたいだ、妻であるお前も処分していいとな」
「そんな⁈」
 女吸血鬼は顔色を更に青ざめた。
「お、お願いだから命だけは……」
「断る」
 ニエンテは女吸血鬼の首を切り落とし、心臓をえぐり取り潰した。
 灰になる女吸血鬼。
「全く、自分でやれっての。仮にも自分の子どもと扱われてたから殺しづらいじゃねぇよ」
 ニエンテはそう言って屋敷を後にした。


 ニエンテは他の仕事も済ませ、屋敷に戻る。
 湯浴みをして血の匂いを洗い流してから寝室に向かうと、すやすやと眠るサフィールが居た。
「まだまだ眠り姫か、可愛い子だよ」
 そう言って、ニエンテは姿を変えてベッドに潜り込み、サフィールを抱きしめて眠った──





しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

獣人の子供が現代社会人の俺の部屋に迷い込んできました。

えっしゃー(エミリオ猫)
BL
突然、ひとり暮らしの俺(会社員)の部屋に、獣人の子供が現れた! どっから来た?!異世界転移?!仕方ないので面倒を見る、連休中の俺。 そしたら、なぜか俺の事をママだとっ?! いやいや女じゃないから!え?女って何って、お前、男しか居ない世界の子供なの?! 会社員男性と、異世界獣人のお話。 ※6話で完結します。さくっと読めます。

花と娶らば

晦リリ
BL
生まれながらに備わった奇特な力のせいで神の贄に選ばれた芹。 幽閉される生活を支えてくれるのは、無愛想かつ献身的な従者の蘇芳だ。 贄として召し上げられる日を思いつつ和やかに過ごしていたある日、鬼妖たちの襲撃を受けた芹は、驚きの光景を目にする。 寡黙な従者攻×生贄として育てられた両性具有受け ※『君がため』と同じ世界観です。 ※ムーンライトノベルズでも掲載中です。

親友と同時に死んで異世界転生したけど立場が違いすぎてお嫁さんにされちゃった話

gina
BL
親友と同時に死んで異世界転生したけど、 立場が違いすぎてお嫁さんにされちゃった話です。 タイトルそのままですみません。

俺の体に無数の噛み跡。何度も言うが俺はαだからな?!いくら噛んでも、番にはなれないんだぜ?!

BL
背も小さくて、オメガのようにフェロモンを振りまいてしまうアルファの睟。そんな特異体質のせいで、馬鹿なアルファに体を噛まれまくるある日、クラス委員の落合が………!!

抱かれたい男No.1だけど抱かれたい

おもちDX
BL
冒険者のイーリスは誰もが羨む体格、男前な容姿の持ち主だが、誰かに抱かれたいという叶わない夢を抱いていた。しかしある事件がきっかけで騎士のクヴェルという男と甘やかな夜を過ごす。浮かれたイーリスは翌朝、クヴェルのある言葉を聞いてしまって……? ガチムチ受け、逃げる受けがお好きな方に。 ワンナイトラブから始まる恋、第三弾です。 騎士クヴェル×冒険者イーリス

オメガ修道院〜破戒の繁殖城〜

トマトふぁ之助
BL
 某国の最北端に位置する陸の孤島、エゼキエラ修道院。  そこは迫害を受けやすいオメガ性を持つ修道士を保護するための施設であった。修道士たちは互いに助け合いながら厳しい冬越えを行っていたが、ある夜の訪問者によってその平穏な生活は終焉を迎える。  聖なる家で嬲られる哀れな修道士たち。アルファ性の兵士のみで構成された王家の私設部隊が逃げ場のない極寒の城を蹂躙し尽くしていく。その裏に棲まうものの正体とは。

冷徹茨の騎士団長は心に乙女を飼っているが僕たちだけの秘密である

竜鳴躍
BL
第二王子のジニアル=カイン=グレイシャスと騎士団長のフォート=ソルジャーは同級生の23歳だ。 みんなが狙ってる金髪碧眼で笑顔がさわやかなスラリとした好青年の第二王子は、幼い頃から女の子に狙われすぎて辟易している。のらりくらりと縁談を躱し、同い年ながら類まれなる剣才で父を継いで騎士団長を拝命した公爵家で幼馴染のフォート=ソルジャーには、劣等感を感じていた。完ぺき超人。僕はあんな風にはなれない…。 しかし、クールで茨と歌われる銀髪にアイスブルーの瞳の麗人の素顔を、ある日知ってしまうことになるのだった。 「私が……可愛いものを好きなのは…おかしいですか…?」 かわいい!かわいい!かわいい!!!

獣人将軍のヒモ

kouta
BL
巻き込まれて異世界移転した高校生が異世界でお金持ちの獣人に飼われて幸せになるお話 ※ムーンライトノベルにも投稿しています

処理中です...