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無垢な蕾を快楽で開かせる

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 サフィールは目を覚ました泣きつかれて眠ってしまっていたらしい。
 部屋に置かれている鏡を見れば酷い顔をしていた。
 食欲はわかない、少しだけ気分が楽になりたかった、何かないかと部屋の扉に手をかける。
 部屋を出ると、扉が出現し、メイドがそこから現れた。
「奥方様、休めましたか?」
「……ああ、少しだけ」
「夕食にいたしましょうか、それとも湯浴みにいたしましょうか?」
「……食事はいい、何も食べたくない。ああ、湯、か。ではそちらにしよう、少しさっぱりしたい」
「畏まりました」
 メイドが頭を下げながらそういうと、メイドが現れた扉が消え、別の扉が現れた。
 サフィールはその扉の中に入っていく。
 昔母から聞いた広い浴場の様な、場所が広がっていた。
 サフィールは念のため、お湯に触ってみる、稀に触ると痛みや寒気を感じる水などがあるのを知っているからだ。
 お湯痛みや不快感などは感じなかった。

――これなら、問題ない――

「奥方様、お湯の方は問題なかったでしょうか?」
「ああ、大丈夫だ」
 サフィールは少し離れ、服に手をかける。
 メイドはサフィールが脱いだ服類を受け取ると籠に入れた。


 白く、美しく、中性的な裸体があらわになる。


 サフィールはお湯の中に足を踏み入れた。
 座れば、全身を温められるほどの深さにあるそのお湯に浸かり息を吐く。
「……」
 サフィールは再び悲しい気持ちが沸き上がり、それに耐えきれず湯の中に身を沈めた。

――ああ、このまま、このお湯の中で体が溶けてなくなってしまえばどれだけ楽だろう――
――何故、あのように私に言うのなら、もっと早く私に出ていけと言わなかったのです、父上、そうすれば私は貴方に子として愛されてるなんて思わずに済んだのに――
――ああ、哀しい、悲しい、苦しい、苦しい、私なんて、いなくなってしまえば――

 苦しさ以上に「死にたい」という感情が強くてサフィールはお湯の中から出る気力が失われていた。
 意識が遠のきつつあるサフィールの両脇を何かが掴んで引き上げた。

「……っは……」
 肺に少しだけ冷たい空気が入ってくるのを感じ、サフィールは目を開けた。
 少し涼しい場所にいた、体は上質なタオルで隠されている。
 誰かが膝枕をしているような感覚に視線を上に向ければ、無表情だったメイドが何処か悲しい表情をしている。
「奥方様、奥方様がここに来るまで何があったかは私共は存じ上げません、ですが命を危険にさらすような行為はなさらないでください」
 無感情だった声に、悲し気な色が混じる。
 柔らかな手がサフィールのいつもより火照った頬を撫でる。
「……」
 それが心地よくて、サフィールは目を閉じた、眠りに落ちた。


「おう、戻ったぞ。聞いてる、お湯の中に沈んだまま窒息しかけたのは聞いた、今は何処にいる?」
 ニエンテは出迎えのメイドに問いかける。
「一度はお目覚めになりましたが、眠られたので寝衣を着せ、寝室へ連れて行きました、今もベッドの上で眠っておられます」
「なるほど、食事は?」
「朝食一口だけ、それ以降は何も口にしておられません」
「あーあ、かわいそ。あいつももう少し対応変えてたらなぁ……まぁ、今更言っても遅いか、後の祭りー」
「ニエンテ様」
「ん、どうした?」
「奥方様にあまり無理をさせないでくださいませ」
「……それは――聞いてやれる気がしねぇ、悪いな」
 メイドの言葉にニエンテはそう返して、姿を消した。

――おかしいな、メイド達がそういう反応を示した事はいままでないぞ?――
――故障じゃねぇな……別に無感情の自動人形を作れと命令していないし、俺との間ではでなかった感情がサフィールという外部から来た存在の影響で出始めたのか?――

 ニエンテはそう考えながら、寝室に姿を現し、鍵をかけてから、ベッドの上の美しい形のソレに近づいていく。

 愚者は妬み、賢者は恋焦がれる。

 そんな美しい人ならざる存在は、静かに瞼を閉じ、眠っていた。
 ニエンテは舌なめずりして、ベッドの上に乗り、美貌の存在――サフィールに覆いかぶさるような体勢を取って、体を覆っている毛布をはがし、寝衣に手をかける。
 はだけさせると、男とも女とも言えないされど美しい体があらわになる。

――ああ、確かにこれは外には出せない、良からぬ連中がこぞって欲しがる――

 ニエンテは胸の綺麗な色をした先端を舌で舐め、軽く吸った。
「……っあ」
 薄紅の唇から声が零れた。

――ふむ、性的経験も自慰経験も両方ともに無し、だけども体は敏感ねぇ、鈍いのを開発するのも楽しいが、これもありか――
――まぁ完全な無垢な子に性的快楽を教え込むなんて早々できるもんじゃねぇからな、この機会をくれたイグニスには感謝しとくか、一応――
――後で返せと言っても返さねぇけどな、もうこの子は俺のものだ――

 胸の先端から口を離すと、ニエンテは両手を少し変化させた、淫魔の持つ快楽の液体で塗れる手に。
 それで両方の胸の先端をいじり始める、ねっとりとした液体がサフィールの胸の先端を濡らし、その濡れた先端を弄び始める。
「っ……ふ……ぁ……あ……」
 サフィールの口から甘い声が零れ落ち、胸の先端はつんと立ち、熟れたように赤くなり始めていた。
 股間の部分には何かが勃ちあがり、少しだけ液体が出ているのか濡れていた。
「はは、乳首弄られて、勃起かいいねぇ、素質あるねぇ。サフィールちゃん、いつまでも寝てると睡姦で両方の処女俺がもらっちゃうけどけどいーい?」
 ニエンテは楽し気に言いながらぎゅうとニエンテは強くサフィールの両方の胸の先端を抓った。
「っひ――⁈」
 目覚めると同時、絶頂と射精に至ったのかにサフィールは引きつった声を上げてのけ反った。
 顔を薄紅色に染め、目は困惑の色を宿している。
 何が起きたのか理解できていない、体に起きてる事柄を理解できていない、その様がニエンテはそれがたまらなく可愛らしいと思えた。
「サフィールちゃん♡ おはよう♡ いや、こんばんわかなー? どうだった初めてイったのと夢精以外で射精したのは?」
 ニエンテがそう言って笑いかけると、サフィールはより困惑の表情を浮かべだしている。

――あ、なるほど、エリスちゃんは上手く教えられないし、アイツはほっとんど関わってこなかったのと、多分性的なもの全部排除してたのか、全然そっちの方無知なのね……いやぁ、酷すぎて笑えるぜ!!――

 ニエンテは歪に笑ってしまった。
 その笑みにサフィールの顔が怯えの色に染まる。
 濡れた手を一瞬で乾いた状態にし、ニエンテはサフィールの顔を撫でる。
「俺は『初日は手を出すな』って言われてるだけで『一生手を出すな』とは言われてないんだよ。俺我慢したんだよー? 本当は来たらすぐベッドの上で可愛がってあげたいくらいだったんだけど?」
「な……なに、を……」
「サフィール」

「まぐわおう、俺はもう我慢ができない」

 ニエンテはそう言って、サフィールの口に食らいつく様な口づけをした。




「っひ――!!」
「はいまた射精と、クリイキに潮吹き♡ あはは、サフィールちゃん本当敏感だねぇ、淫魔の体液かなーり薄い奴なのに乳首は真っ赤に勃って美味しそうな感じになってるし、クリトリス――ああ、サフィールちゃんが読んだことがある東の方の医学書では陰核っても言うね、最初は皮を被ってたのに今は綺麗な肉色でぷっくりしてる♡ もっと大きくなったら明日から下着履くのが大変になるねー♡」
 サフィールはのけ反りながら、がりがりとニエンテの黒い異形の体をひっかきながらもがいた。
 無数の手が体を押さえ付け、座らせられるような体勢にさせられ、寝衣をはぎ取られ、二つの生殖器を嬲られる感触に気が狂いそうだった。
「サフィールちゃん、よく覚えるんだよ、これが性的な意味で気持ちがいいってこと♡ これが性的な快感♡ そしてさっきのが絶頂、イクとか達するとか色んな言い方があるよー♡」
 ニエンテの楽しそうな声が酷く怖かった。
「あ゛、あ゛、やめて、くだ、さ、いぃ!!」
「ん? 男根扱いて射精するのと、クリイキは疲れちゃった? じゃあ違うのにしようか♡」
「⁈ い、いや、もう、やめ、っひぃ?!」
 排泄器官でしかない箇所と、女性器の中にぬるりとした指のようなものが入ってくる。
「あれ~? 初めてなのにどうしてこんなにしゃぶりついてくるのかなぁ♡ もしかして欲しがりさん? ふふふ、サフィールちゃんの体って本当敏感で可愛いねぇ♡」
「あっひっ、や、そ、こ、さわ、ああああ!!」
 未知だった感覚――快感に震え、強い快感――絶頂で膣内と腸内がびくつき、ぞわぞわとし始める。

――私の体はどうなっている?――
――いや、私の体はこれからどうなる?――

 恐怖で混乱しているサフィールの両胸の先端をニエンテの黒い手が強くつまんだ。
「っ~~!!」
 ぐりぐりと弄られ、押しつぶされ、弾かれる感触に、サフィールの男根は再度勃起し、精液を吐き出した。
「もう乳首完全に性感帯になっちゃったね~♡ それで勃起して射精できるなんて偉い偉い♡ でもさっきたくさん出したからちょっと勢いが弱くなったねぇ」
 ニエンテはサフィールの両胸の先端から手を離し、頭を撫でてきた。
 まるで子どもの頭を撫でるような優しい手つきで。
「あれ? もう子宮口が触れるくらい降りてきてる♡ 孕みたがってるのかなぁ♡ 欲しがりさんだねぇ♡ まだ初めてなのに♡」
「っ……!!」
 こりこりと其処を触る指がもたらす快感に震えながら、サフィールは頭をぶんぶんと振った。

「怖いことなんてない、もう君を蔑む目も侮蔑の言葉を、冷たい目を酷い言葉をぶつける奴はここには来ない」

「だから今までの辛いことなんて全部忘れて、快楽を享受してごらん? それはとても幸せなことだから」

 先ほどまでとは違う声色と口調のニエンテに、サフィールは今までにない恐怖とよく分からない感情が心を染めた。





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