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二人の視点

彼氏として婚約者として~君の側に居たい、守りたい~

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 大学に一緒に登校したところ、やはり注目の的になった。

「おい、レイアをあんなに拒否ってたのに相手はピンク髪だぞ?」
「地毛か?」
「吸血鬼種に見えないし……」

 不快な話声が聞こえるが、反応しない、無視だ。
「先輩、本当にいいんですか?」
「いいんだ、君が彼女ともう隠したくない」
「先輩……」
「彼女じゃないな、婚約者、だったな。すまない」
 私がそう言うとマナはくすりと笑った。
「はい、そうですね。婚約者ですからね」
「ああ」
 幸せそうなその笑顔がとても誇らしかった。


 マナと別れ、講義に出て、その日の講義を全て終了させて帰ろうとすると、野次馬達が声をかけて来た。
「なぁ、あの子の何処が良かった訳」
「教える義務はない」
「そんな事言わずにさぁ」
「あ、もしかして床上手とか?」
 ブチ、とキレる音が自分の中でした。
「そんな下賎な言葉で彼女を侮辱してみろ、どうなるか思い知らせてやる‼」
「ひぃ‼」
「わ、悪かった、悪かったから落ち着いてくれよ、な⁈ な⁈」
「次同じような事を言ったら口を縫い合わせるぞ」
 私はそう行ってその場を後にした。

 床上手。
 確かにそういう部類かもしれない彼女は、何せ触手族なのだから。
 だけども、それだけじゃない。
 優しくて、温かくて、それで──
 大切な存在なんだ、私にとって。
 だから、あんな言葉でひとくくりにされたくなかった。

 多分、二度と口にしないだろう。
 私の父が背後にいるから、私がもし父にマナの事でと、言えば父は自分の持ちうる権力を使って連中を就職させないようにできる。
 それくらい父の息がかかっている企業──会社は多い。
 私と敵対したくないと思わせないと。
 マナは普段は触手族であることを隠したがっているから、普段は私が守らないと。
 守れるようにならないと。


 待ち合わせ場所で待っていると先ほどとは別の連中が現れた。
「なぁ、ピンク髪の子淫魔じゃないならなんなんだよ!」
「可愛いのは認めるけどさ」
「というか、胸でかそうじゃん、そこで選んだ?」

 糞が、こいつらも同じような連中か!

「ええい、貴様等やかましい! 失せろ!」
 私が怒鳴り散らしていると、マナがすっと現れ、私の手を掴んだ。
「先輩、行きましょう」
「マナ」
 ああ、君はやっぱり私の事を考えてくれる。
 そう思っていると──

 むぎゅう

「やっぱりレイアよりでけー!」
「マジかよ!」
 貴様等死にたいか‼
「貴様等……!」
「……」
 我慢ができない私の腕を彼女はしっかりと掴んだまま無言で指を鳴らした。

 突如黒服の集団が現れて、連中を取り押さえる。

「セクハラされました、痴漢ですつまり。連れてってください」
 マナがそう言うと、黒服の集団は一礼して、
「「「了解しました」」」
 そう言って黒服の連中がマナに不埒な行為を行った連中を連れて行ってしまったことに唖然とする。

 触手族を保護する者達の一員か?
 父に聞いた事がある。

 そう思ってから、マナにされた行為が不愉快だったので、彼女を心配して声をかける。

「マナ、大丈夫かい?」
「ちょっと不愉快モードです、先輩ならともかく知らない人に胸を揉まれて」
 彼女はそう言った。
 その言葉に私は黙り込む。

 そうだ、私だって、揉んだことがないのに!


 私の部屋につき、ベッドの上に二人で座る。

「先輩?」
「……私だってまだ揉んだことがないのにあの男……」

 思わず呟いてしまう。
 事実なんだから呟いてしまう、マナは幻滅しただろうか?
 それだけが不安だ。

「どうします、先輩。触ってみます」
「え?」

 マナの言葉に私は耳を疑った。

「あの男性に触られた感触がまだ残っていて不愉快なんですよ、ですから先輩が触ってくれれば嬉しいです」

 私を気にしているような言い方ではない、本気であの男に触られたのが嫌だったのだろう。
 それなら、私が触って上書きしても、いい、よな?

「では、触ってもいいか?」
「はい」

 私は恐る恐るマナの胸を触る。
 柔らかい。

「……柔らかい」
「でしょうかね?」
「……」
「あ、そうだ先輩」
「なんだい?」
「今日はいつもと体勢変えてしません?」
「え?」

 どういう意味か、そのときは分からなかった。

 裸になり、風呂場へ向かい、浴槽に入る。

「今日は顔を見てしません?」
「君の顔を?」
「嫌ですか?」
「いや、見たい」

 今まであまり見れなかったんだ、見てしてみたい。

「私もです」

 向き合うように私と先輩は座り合います。

 そしてマナはいつものように胸から下だけを触手化。
 触手化した体で私を抱きしめると、私はマナの胸に顔を乗っける、埋めるような体勢になった。
「やわらかい……」
 思わず顔が赤くなる、羞恥心というかそのなんというか例えられない。
「じゃあ、始めましょうか?」
 マナの言葉に私は小さく頷いた。

「お゛っあ゛ぁ」

 最初はふーっふーっと息をして顔を真っ赤にして耐えていた。
 よく考えたら私のみっともない顔を見られるということだ、恥ずかしい!

 でも、我慢ができなくなって声を上げてしまう。

 ナカをぬちゅぬちゅと突き上げられ、断続的に射精した。
 それと同時に、ぬるぬると私のペニスを擦り上げてナカと外両方からの刺激に耐えられなくなっていく。

「あ゛ぁあ゛‼」

 舌を出して喘ぐ姿に幻滅されていないか不安になる。

「先輩、気持ちいいですか?」

 でも、マナの優しい微笑みと声でねだってしまう。

「気持ちいいから、もっとぉ……!」

 そうねだるとマナは微笑んで言った。
「分かりました、もっと、ですね。でも無理しないでくださいね?」
 そう言ってくれたので、私はこくりと頷いた。

「んぁ……!」
 体に触れられ、ナカを突き上げられ、前立腺を擦り上げられ、射精を促され快楽を与えられる。
「あっあぁ……!」
 気持ちよくて声が抑えられない。
「おぁあ……!」
 射精してしまう。
 するとナカに液体を注がれる。
「ふぁあ……」
 ナカだしの感触でも軽い絶頂に至る。
「先輩これで終わりにしましょう?」
「ん……」
 その言葉に私からマナにキスをした、肯定のキスを。
 私からの初めてのキスを。

 触手を元に戻し、お風呂にお湯を入れて入浴剤も入れて一緒に浸かり、上がってシャワーを浴びてから寝間着に着替えた。
 私は血液パック、マナは完全栄養食スムージーを食事にした。

 一息つく。

「先輩一緒に寝ましょうか?」
「ああ」

 広いベッドに一緒に横になる。
 私はマナを抱きしめて言う。

「あの連中の腕をもいでやれば良かった」
「物騒な事は駄目ですよ……まぁ、別の意味で痛い目を見てるでしょうし、ね」
「?」

 そう言えば黒服の連中に連れて行かれたな、マナが触手族だから護衛的な存在がいると聞いたがそれか?

 まぁ、いいか。
 痛い目を見ているのなら。
 私は心地よい疲労感に包まれながら眠りに落ちた──





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