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第34話 騒ぎの後の仲間達
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居心地の良い我が家とは暖かな家族との会話がある場所のことだろう。自宅に着くなり、オレはソファに座り漠然とそんなことを思う。
「結局、無事だったのか。まぁ、おまえはもう既に死んでいるけどさ」
オレは目の前で仲良くアラクネとおしゃべりをしているシルメリアを見ながらそう呟く。
「サイゾウ様、私のことを心配してくださったのですね。シルメリアは感激です」
オレの独り言が聞こえたのだろう。そんなことを言ってシルメリアがこちらを見るなり、急に涙ぐんで抱きついてきた。
「おい、おい、オレは男に抱きつかれる趣味は…」
あれ? なんか胸部に変な感触があるけど。いや、なんかそんなに大きくない子供の拳サイズの…
「サイゾウ様、お気付きになりましたか? 私は女性になることもできるようになったのです」
「ええ!? 女性になったのか…」
すばらしいと言って、オレは彼女をいやらしい目をしながら抱きしめる。
「柔らかい!! すばらしい」
「や、やめてください。お願いします。まずは私の話を聞いてください。サイゾウ様!!」
オレがそんな風にシルメリアの言葉を無視して彼女の体を堪能していたら、アラクネが突然にフライパンで殴ってきた。
「痛い!? アラクネ、フライパンは勘弁してください」
「サイゾウ、あなたは節操のない可哀想なオスね。シルメリアの話を最後まで聞きなさい」
「わかった。聞くから。聞きますから!! だから、フライパンを構えないでくれ!!」
本当はこんな暴力を振るいたくないのにサイゾウがアホなことばかりするからと言ってキッチンに去っていった。オレはアホな行動などやってないだろう? 男として当然の行動をしているだけだ! 暴力反対!
「アラクネ様、大丈夫です。サイゾウ様には直ぐわかるようにしますからゆっくりとキッチンで夕食を作ってください。さてと、ここを触らせた方がサイゾウ様には理解が早いでしょうね」
そう言ってオレの手を股の方に持っていき、オレに衝撃を与えた。
「女になったんじゃないのかよ! しかも、オレのよりも立派!?」
「そ、そんなことを言わないでください。それよりも、もうサイゾウ様は察しておられると思いますが私は性別を自由に変えられるようになったのです」
うん? 待てよ。そういえばシルメリアはさっき女性になることもできるようになったといっていたな。そういう意味だったのか…
「吸血鬼のデミトンの所為かよ! シルメリア、吸血の影響でデミトンと同じにことができるようになったのか?」
「はい、吸血の影響でしょうね。だから、今は一生懸命に我慢しているんです」
なにかに耐えているように体を震わせて目をそらすシルメリア。嫌な予感しかしないんですけど…
「我慢ってなにを?」
「サイゾウ様についた美味しそうな血糊が吸血欲を誘うんですぅ」
そう言って、オレにシルメリアが飛びかかってきた。
「ま、待って!?」
ソファに押し倒されるオレ。シルメリアに乗りかかれられた姿勢。これは大変に刺激的です。股間にあるモノがなければ…
「ちょっとで良いのでサイゾウ様、吸わせていただけませんか?」
「イヤじゃ!! そんな懇願されるような目で見てもイヤじゃ!!」
オレはシルメリアを無理やり引き剥がして起き上がる。
「サイゾウ様、私に吸血されて性別が自由になれば女風呂にだって入れて楽しみたい放題ですよ?」
「オレは男のままでも、女性の裸が見たければ勝手に入るわ! だから、絶対に吸血をオレにするな!!」
いや、犯罪になるからそんなことはしないけどね。
大体、オレはどっちにもなれるっていう中途半端なコウモリみたいなことをしたくない。折角、男に生まれたんだ。お天道様のもとで男の人生を満喫したいんだ。もちろん、女に生まれたらそれはそれでその人生を謳歌するけどね。
「でも、もう我慢できそうにないのです。お願します」
そんな上目遣いで頼まれたってできないモノはできないの。こうなったら、さっさと元凶である血糊を落としてくるか…
「風呂入って流してくるわ!!」
「あん、サイゾウ様のイケズ」
オレはシルメリアの発情したような気持ち悪い声から逃げるように風呂場に駆け込む。
「ゾンビで吸血鬼って吸血ゾンビかよ。怖いわ」
しかし、冷静に考えると不味いよな。吸血鬼を退治したと思ったら身内が吸血鬼になったって大問題だよな。アイツが別の吸血鬼を増やす前にどうにか対策を考えないとな…
「まぁ、難しいことは風呂から出て考えるとするか」
オレは衣服をすべて脱ぎ終えて脱衣所から風呂場に向かう。そして、風呂場の入り口の扉を開ける。
「よう、サイゾウ。先に風呂に入らせてもらっているからな。だから、我がでるまで待っていな」
オレが扉を開けると筋肉バカがいた。それも裸で!! いや、風呂だから裸は普通なのか。いや、いや普通じゃないよね。だって、ここはオレの家だよ!!
「それとも一緒に入るか?」
「入るか! バカやろう!! なに勝手にオレの家の風呂に入っているんだ!!」
なんでムサ苦しい男同士で風呂に入らないといけないんだよ。
「なんだよ。なにをそんなに怒っているんだ? ああ、わかったぞ。この逞しい筋肉が羨ましいのか? でも、おまえも中々に素敵な筋肉だぞ。我は興奮してきた!!」
変態野郎、勝手に興奮してこっちを触るな。
「さ、触るな!! 大体、おまえは死んだんじゃなかったのか!!」
「我は至高なる神に仕える身。何度でも蘇るのだ!!」
「…もう、質問しない。まともな回答が返ってくる気がしないから」
ダメだ。まったく会話になってない。筋肉バカはこれだから…
「そうか。そうか。一時は敵対したとは言っても互いに拳を交えた仲だ。我とは凄まじい友情が芽生えているだろう? これも神が…」
頼むからオレの話を聞いてくれよ。そうか、そうかって、全く人の話を聞かずに言って良い言葉じゃないだろ。しかも、おまえとオレに友情なんて芽生える訳ないだろ!!
「黙れ! オレの家から出ていけ!!」
オレは不法侵入した変態を捕まえると風呂場から追い出す。
「ま、まだ、服すら着ていないのに…」
「おまえは裸族だろ! 裸を見られて興奮する変態がなにを言っているんだ!」
「そんなに褒めるなよ!!」
誰が褒めるかとオレがデミトンを家から追い出すために玄関まで連れて行くと、
「サイゾウ様、いったなにがあったのですか?」
と言って、シルメリアが応接間から出てきた。彼女はデミトンを見るなり、悲鳴をあげる。
「しまった。シルメリア、大丈夫か!?」
自分を襲った化け物が目の前に現れて怖かったのだろう。彼女の顔が驚愕に染まる。
「フーフー、男同士の耽美な世界が私の前に…」
いや、違った。こいつは頭も腐ったゾンビだった。
「我が眷属よ。君からも、言ってやってくれないか? 我はこの家に住む権利があると!」
「ハー、ハー、もちろんです。デミトン様はサイゾウ様と幸せにここで暮らす権利があります!!」
そう力強く言うシルメリア。ないからね。そんな腐った権利なんて!!
「おまえに家主の意見を無視して他人を住まわす権限なんてないだろう!!」
「どうしたの。騒がしいわね」
オレがバカ共に怒鳴り散らしているとエプロンをつけたアラクネがキッチンから現れた。
「アラクネ!!」
「…ごめんなさい。すぐにこの家からでていきます。サイゾウ、今までありがとう」
オレとデミトンの脱衣済みの姿を見るなり、彼女は顔を真っ赤にして玄関から出て行く。
「ああ、アラクネ。おい、おまえらの所為でアラクネが誤解したぞ!? しかも、絶対に変な誤解だ!」
「フ、女人の扱い方もしらないのか。我のことはほっといてすぐに彼女を追うと良い」
「サイゾウ様には本当に困ったものです。アラクネ様が可哀想です」
好き勝手に言いやがって! 本当に頭にくるわ。ひとまず、アラクネを急いで追いかけないとな。
「だが、その前におまえらは出ていけ! ここはオレの家だ!!」
そして、オレはバカ共を捕まえて外に磔にした。アラクネが帰ってきた後に叫び声が家中に響いてうるさいと言われたがそんなことはどうでもよかった。
その時のオレにとっては、アラクネの誤解をとくこと以外はすべてどうでも良いことだったからね。だから、奴らが外でどれだけ喚こうが知ったことではなかった。
「結局、無事だったのか。まぁ、おまえはもう既に死んでいるけどさ」
オレは目の前で仲良くアラクネとおしゃべりをしているシルメリアを見ながらそう呟く。
「サイゾウ様、私のことを心配してくださったのですね。シルメリアは感激です」
オレの独り言が聞こえたのだろう。そんなことを言ってシルメリアがこちらを見るなり、急に涙ぐんで抱きついてきた。
「おい、おい、オレは男に抱きつかれる趣味は…」
あれ? なんか胸部に変な感触があるけど。いや、なんかそんなに大きくない子供の拳サイズの…
「サイゾウ様、お気付きになりましたか? 私は女性になることもできるようになったのです」
「ええ!? 女性になったのか…」
すばらしいと言って、オレは彼女をいやらしい目をしながら抱きしめる。
「柔らかい!! すばらしい」
「や、やめてください。お願いします。まずは私の話を聞いてください。サイゾウ様!!」
オレがそんな風にシルメリアの言葉を無視して彼女の体を堪能していたら、アラクネが突然にフライパンで殴ってきた。
「痛い!? アラクネ、フライパンは勘弁してください」
「サイゾウ、あなたは節操のない可哀想なオスね。シルメリアの話を最後まで聞きなさい」
「わかった。聞くから。聞きますから!! だから、フライパンを構えないでくれ!!」
本当はこんな暴力を振るいたくないのにサイゾウがアホなことばかりするからと言ってキッチンに去っていった。オレはアホな行動などやってないだろう? 男として当然の行動をしているだけだ! 暴力反対!
「アラクネ様、大丈夫です。サイゾウ様には直ぐわかるようにしますからゆっくりとキッチンで夕食を作ってください。さてと、ここを触らせた方がサイゾウ様には理解が早いでしょうね」
そう言ってオレの手を股の方に持っていき、オレに衝撃を与えた。
「女になったんじゃないのかよ! しかも、オレのよりも立派!?」
「そ、そんなことを言わないでください。それよりも、もうサイゾウ様は察しておられると思いますが私は性別を自由に変えられるようになったのです」
うん? 待てよ。そういえばシルメリアはさっき女性になることもできるようになったといっていたな。そういう意味だったのか…
「吸血鬼のデミトンの所為かよ! シルメリア、吸血の影響でデミトンと同じにことができるようになったのか?」
「はい、吸血の影響でしょうね。だから、今は一生懸命に我慢しているんです」
なにかに耐えているように体を震わせて目をそらすシルメリア。嫌な予感しかしないんですけど…
「我慢ってなにを?」
「サイゾウ様についた美味しそうな血糊が吸血欲を誘うんですぅ」
そう言って、オレにシルメリアが飛びかかってきた。
「ま、待って!?」
ソファに押し倒されるオレ。シルメリアに乗りかかれられた姿勢。これは大変に刺激的です。股間にあるモノがなければ…
「ちょっとで良いのでサイゾウ様、吸わせていただけませんか?」
「イヤじゃ!! そんな懇願されるような目で見てもイヤじゃ!!」
オレはシルメリアを無理やり引き剥がして起き上がる。
「サイゾウ様、私に吸血されて性別が自由になれば女風呂にだって入れて楽しみたい放題ですよ?」
「オレは男のままでも、女性の裸が見たければ勝手に入るわ! だから、絶対に吸血をオレにするな!!」
いや、犯罪になるからそんなことはしないけどね。
大体、オレはどっちにもなれるっていう中途半端なコウモリみたいなことをしたくない。折角、男に生まれたんだ。お天道様のもとで男の人生を満喫したいんだ。もちろん、女に生まれたらそれはそれでその人生を謳歌するけどね。
「でも、もう我慢できそうにないのです。お願します」
そんな上目遣いで頼まれたってできないモノはできないの。こうなったら、さっさと元凶である血糊を落としてくるか…
「風呂入って流してくるわ!!」
「あん、サイゾウ様のイケズ」
オレはシルメリアの発情したような気持ち悪い声から逃げるように風呂場に駆け込む。
「ゾンビで吸血鬼って吸血ゾンビかよ。怖いわ」
しかし、冷静に考えると不味いよな。吸血鬼を退治したと思ったら身内が吸血鬼になったって大問題だよな。アイツが別の吸血鬼を増やす前にどうにか対策を考えないとな…
「まぁ、難しいことは風呂から出て考えるとするか」
オレは衣服をすべて脱ぎ終えて脱衣所から風呂場に向かう。そして、風呂場の入り口の扉を開ける。
「よう、サイゾウ。先に風呂に入らせてもらっているからな。だから、我がでるまで待っていな」
オレが扉を開けると筋肉バカがいた。それも裸で!! いや、風呂だから裸は普通なのか。いや、いや普通じゃないよね。だって、ここはオレの家だよ!!
「それとも一緒に入るか?」
「入るか! バカやろう!! なに勝手にオレの家の風呂に入っているんだ!!」
なんでムサ苦しい男同士で風呂に入らないといけないんだよ。
「なんだよ。なにをそんなに怒っているんだ? ああ、わかったぞ。この逞しい筋肉が羨ましいのか? でも、おまえも中々に素敵な筋肉だぞ。我は興奮してきた!!」
変態野郎、勝手に興奮してこっちを触るな。
「さ、触るな!! 大体、おまえは死んだんじゃなかったのか!!」
「我は至高なる神に仕える身。何度でも蘇るのだ!!」
「…もう、質問しない。まともな回答が返ってくる気がしないから」
ダメだ。まったく会話になってない。筋肉バカはこれだから…
「そうか。そうか。一時は敵対したとは言っても互いに拳を交えた仲だ。我とは凄まじい友情が芽生えているだろう? これも神が…」
頼むからオレの話を聞いてくれよ。そうか、そうかって、全く人の話を聞かずに言って良い言葉じゃないだろ。しかも、おまえとオレに友情なんて芽生える訳ないだろ!!
「黙れ! オレの家から出ていけ!!」
オレは不法侵入した変態を捕まえると風呂場から追い出す。
「ま、まだ、服すら着ていないのに…」
「おまえは裸族だろ! 裸を見られて興奮する変態がなにを言っているんだ!」
「そんなに褒めるなよ!!」
誰が褒めるかとオレがデミトンを家から追い出すために玄関まで連れて行くと、
「サイゾウ様、いったなにがあったのですか?」
と言って、シルメリアが応接間から出てきた。彼女はデミトンを見るなり、悲鳴をあげる。
「しまった。シルメリア、大丈夫か!?」
自分を襲った化け物が目の前に現れて怖かったのだろう。彼女の顔が驚愕に染まる。
「フーフー、男同士の耽美な世界が私の前に…」
いや、違った。こいつは頭も腐ったゾンビだった。
「我が眷属よ。君からも、言ってやってくれないか? 我はこの家に住む権利があると!」
「ハー、ハー、もちろんです。デミトン様はサイゾウ様と幸せにここで暮らす権利があります!!」
そう力強く言うシルメリア。ないからね。そんな腐った権利なんて!!
「おまえに家主の意見を無視して他人を住まわす権限なんてないだろう!!」
「どうしたの。騒がしいわね」
オレがバカ共に怒鳴り散らしているとエプロンをつけたアラクネがキッチンから現れた。
「アラクネ!!」
「…ごめんなさい。すぐにこの家からでていきます。サイゾウ、今までありがとう」
オレとデミトンの脱衣済みの姿を見るなり、彼女は顔を真っ赤にして玄関から出て行く。
「ああ、アラクネ。おい、おまえらの所為でアラクネが誤解したぞ!? しかも、絶対に変な誤解だ!」
「フ、女人の扱い方もしらないのか。我のことはほっといてすぐに彼女を追うと良い」
「サイゾウ様には本当に困ったものです。アラクネ様が可哀想です」
好き勝手に言いやがって! 本当に頭にくるわ。ひとまず、アラクネを急いで追いかけないとな。
「だが、その前におまえらは出ていけ! ここはオレの家だ!!」
そして、オレはバカ共を捕まえて外に磔にした。アラクネが帰ってきた後に叫び声が家中に響いてうるさいと言われたがそんなことはどうでもよかった。
その時のオレにとっては、アラクネの誤解をとくこと以外はすべてどうでも良いことだったからね。だから、奴らが外でどれだけ喚こうが知ったことではなかった。
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