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第23話 男の全裸に興味はない!!
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素早く鋭い一閃がアラクネを襲う。咄嗟に彼女を庇うために前に出る。そして、俺は腰に巻いてあった特殊金属のグラニュウム鋼から作られた紐の端を両手で持ち、奴の一撃を退ける。
「紐で!? バカな!!」
驚いている。驚いている。どんな原理か知らないがしなやかで折れないグラニュウム鋼。その金属から作られた紐は鋼よりも硬いのだ。さすが異世界。
「伊達にモンスター狂いのサイゾウと呼ばれていないぜ。いついかなる時であってもモンスターを捕獲できるように色々と用意しているのだよ! 驚いたか!!」
プロのハンターなら当然だよな。いつ魔物が現れるかわからない世の中。彼女たちを捕獲するための道具は身体中に仕込んであるのが常識だ。
そして、捕獲した美女で縛りプレイを楽しむのも忘れてはいけない。それが男のロマンであり、俺の長年の夢だったからな。残念ながらまだ一度も達成してないんだけどさ。
「サイゾウ!?」
うん? 声に反応して後ろに目をやるとアラクネが何故か泣きそうになっている。そんなに怖かったのだろうか。オレが怯えるアラクネの顔も美しいとアホみたいに惚けていたら、
「貴様、魔物を庇うとは人間ではないのか!?」
と突然に襲ってきた馬鹿野郎がそんなふざけた発言をしてきた。ありえないだろう。こいつは馬鹿なのか? いや、疑問を持つまでもないな。きっと、大馬鹿だ!!
「美女を助けるのは男として当然だ。そして、魔物に手をあげるクズが目の前にいたら、倒すのが世の理だ!!」
このイケメンをサイゾウが倒すのも世の理だろ!? コイツ、意外にかっこいい顔してやがる。許せん!!
「そんな理など、あってたまるか! 貴様は無茶苦茶な奴だな。モンスター狂いのサイゾウという二つ名は伊達ではなかった訳だな。狂ってやがる」
「魔物を大切にしない。そんなクズ野郎に狂ってやがるなんて言われたくないわ!」
失礼な奴だな。ちょっと魔物が大好きな40手前のカッコイイお兄さんだぞ。イケメン野郎にはオレのような考え方は異端なんだろう。
この甘いマスクでいくらでも口説けるから女なんてどう扱ってもいいよね? どうせ、そんなことを思っているに違いない。ああ、もうムカついてきた!
「美女(アラクネ)に手を出す奴は死ね!」
オレの周りの魔物に手を出すとは許せん。オレは持っている紐を鞭の様に振るい漆黒の鎧を着る男に攻撃を仕掛けた。
「早い!? あ、危なかった!」
この野郎。攻撃をギリギリの所で回避しやがった。
「ここまでの化け物がアラクネを守っているとはな。このままではやられてしまう。退却せねば…」
逃げるためだろう。奴はしきりに周りを見回したと思ったら、シルメリアに目をとめて微笑みを浮かべる。そして、イケメン野郎は彼女に駆けより、シルメリアを羽交い締めにする。突然のことだったから、反応に遅れたのだろう。やけにたやすく彼女は羽交い締めにされた。
「おやめください! って、なんでサイゾウ様は私の時は助けてくださらないのですか?」
シルメリアの悲鳴が辺りに響いたがその時にはすでに遅かった。そう、遅かったのだ。決して、男だから守る気が起きなかった訳ではない。いや、きっとそうであるに違いない。
「まさか、こんな美女を盾にすることになろうとはな。だが、背に腹は変えられない」
「まぁ、美女ってサイゾウ様? お聞きになって?」
先ほどまでの怯えた顔が嘘の様にシルメリアは誇らしげにこちらを見てきた。うん、助ける気がますます失せてきた。
「ああ、聞いているよ。うん、聞いているからね」
だから、投げやりな返事も仕方ないよね? うん、うん、仕方ないさ。
「サイゾウ、早くアイツを消してくれない? 私が消してもいいけど。できればサイゾウの漢気が見たいわ」
そんな風に言われてはやるしかないな。オレはアラクネに促されて仕方なく対応することにした。
「わかっているよ。危険は排除しないとな。それにシルメリアごと奴を切っても問題ないよな」
だって、ゾンビだし。既に死んでいるから何も問題ないよね。これで借金も帳消しだなんて悪いことは企んでないさ。
「は、ハッタリを味方ごと、切るだと!?」
「ああん? オレはモンスター狂いだぜ? しかもモンスター美女専門だ!! それ以外に興味ないわ!!」
オレはそう言って、シルメリアを後ろから押さえつける変態野郎に攻撃を加えてやった。
先ほどの発言は嘘だけどな。人間の美女も大好きだ。だが、奴にはこのハッタリは効きそうだろ?
「本当に攻撃してきやがった!!」
「さ、サイゾウ様!!」
漆黒の男が咄嗟に回避したがシルメリアにどうやら少し、オレの攻撃が当たってしまったようだ。グラニュウム鋼の紐によって、シルメリアのスカートにスリットのような切り込みが入っているな。
「って、そこから覗くすらっとした太腿! ハァハァ!!」
それに目が奪われるのは仕方ない。だって、オレは漢だしな。いや、落ち着け、シルメリアも男だ!!
「サイゾウ様」
美しい顔で上目遣いに泣きそうな表情から甘い声。うーん、男でもいいかも!!
「服を切り裂いてやる!」
オレの煩悩の前には全ての衣服は破れ去るのだ。
「お、俺の漆黒の鎧が! や、やめろ!!」
しかし、オレの欲望のままに振るわれた攻撃を全て、イケメン男を盾代わりにして華麗に防ぎきったシルメリア。そして、全ての攻撃が当たる男。奴はオレの攻撃をことごとく受けることで、気がついたら鎧はおろか衣服もない状態。うん、男の全裸なんて見たくない。
「全裸の男に興味はない。去れ!!」
イケメン野郎が局部を見えないように両手で隠す。イケメンがこんな格好をしていると情けなさが際立つな。ふ、実にいい光景だ。シュールでな。
「お、覚えていろ!!」
奴はそう叫ぶなり、シルメリアを捕まえてこちらに投げると遁走した。
「さぁ、邪魔者は去ったぞ? 脱ぎ脱ぎタイムだ!!」
オレはシルメリアをキャッチした後、興奮が収まらぬままシルメリアに詰め寄る。そう、手をワキワキと動かしながら…
「サイゾウ様に襲われるのは嬉しいですけど、今はやめた方が良いですよ?」
怯えながらそんなこと言われても、止まる奴がいるだろうか? むしろ、男ならそそられるだろ。
「ふふ、ここで止まる男がいるだろうか? いや、いない。だから…」
オレの鼻息は荒い。だって、目の前に獲物がいるからね。ハンターとして当然さ。
「だから、何かしら? サイゾウは何が言いたいのかしら?」
オレは声が発せられた方向をゼンマイ仕掛けのおもちゃのように首を動かして確認する。するとそこには、鬼のような形相をした一匹の魔物がいた。
「ああ、だから言いましたのに…」
大きく嘆息をした後にそう言うシルメリア。さ、先に言ってくれよ。アラクネが怒っているってさ。ちくしょう。なんでアラクネは怒っているんだよ。
「最初は私を助けるために頑張っているあなたを見て胸をドキドキさせていたのに…」
「い、いや、これは、その…」
な、何かいい言葉はないか。アラクネの怒りを抑えるような。だ、ダメだ。浮かばない。当然といえば当然だけど、年齢イコール童貞のオレにはそんな都合が良い言葉なんてポンポン浮かぶはずない。ああ、どうしよう。
「言い訳は無用!!」
そう言って彼女はオレから武器である紐を奪い取った後に微笑むが、どう見てもアラクネの目が笑っていません。
「アラクネ、待ってくれ! そのグラニュウム鋼の紐は魔物を縛るためのもので、野郎を縛るためのものではないんだけど!?」
オレの言葉を聞いたアラクネはさらに微笑みを強くして、
「つまり、縛られるよりも、私自身のこの爪で切り裂かれたいわけね」
と言って、こちらを見てきた。
「え、笑顔が怖いよ! って、マジでやるのかよ! 勘弁してくれ!!」
そんなオレの悲鳴は辺りに虚しく響き渡ったのであった。
「紐で!? バカな!!」
驚いている。驚いている。どんな原理か知らないがしなやかで折れないグラニュウム鋼。その金属から作られた紐は鋼よりも硬いのだ。さすが異世界。
「伊達にモンスター狂いのサイゾウと呼ばれていないぜ。いついかなる時であってもモンスターを捕獲できるように色々と用意しているのだよ! 驚いたか!!」
プロのハンターなら当然だよな。いつ魔物が現れるかわからない世の中。彼女たちを捕獲するための道具は身体中に仕込んであるのが常識だ。
そして、捕獲した美女で縛りプレイを楽しむのも忘れてはいけない。それが男のロマンであり、俺の長年の夢だったからな。残念ながらまだ一度も達成してないんだけどさ。
「サイゾウ!?」
うん? 声に反応して後ろに目をやるとアラクネが何故か泣きそうになっている。そんなに怖かったのだろうか。オレが怯えるアラクネの顔も美しいとアホみたいに惚けていたら、
「貴様、魔物を庇うとは人間ではないのか!?」
と突然に襲ってきた馬鹿野郎がそんなふざけた発言をしてきた。ありえないだろう。こいつは馬鹿なのか? いや、疑問を持つまでもないな。きっと、大馬鹿だ!!
「美女を助けるのは男として当然だ。そして、魔物に手をあげるクズが目の前にいたら、倒すのが世の理だ!!」
このイケメンをサイゾウが倒すのも世の理だろ!? コイツ、意外にかっこいい顔してやがる。許せん!!
「そんな理など、あってたまるか! 貴様は無茶苦茶な奴だな。モンスター狂いのサイゾウという二つ名は伊達ではなかった訳だな。狂ってやがる」
「魔物を大切にしない。そんなクズ野郎に狂ってやがるなんて言われたくないわ!」
失礼な奴だな。ちょっと魔物が大好きな40手前のカッコイイお兄さんだぞ。イケメン野郎にはオレのような考え方は異端なんだろう。
この甘いマスクでいくらでも口説けるから女なんてどう扱ってもいいよね? どうせ、そんなことを思っているに違いない。ああ、もうムカついてきた!
「美女(アラクネ)に手を出す奴は死ね!」
オレの周りの魔物に手を出すとは許せん。オレは持っている紐を鞭の様に振るい漆黒の鎧を着る男に攻撃を仕掛けた。
「早い!? あ、危なかった!」
この野郎。攻撃をギリギリの所で回避しやがった。
「ここまでの化け物がアラクネを守っているとはな。このままではやられてしまう。退却せねば…」
逃げるためだろう。奴はしきりに周りを見回したと思ったら、シルメリアに目をとめて微笑みを浮かべる。そして、イケメン野郎は彼女に駆けより、シルメリアを羽交い締めにする。突然のことだったから、反応に遅れたのだろう。やけにたやすく彼女は羽交い締めにされた。
「おやめください! って、なんでサイゾウ様は私の時は助けてくださらないのですか?」
シルメリアの悲鳴が辺りに響いたがその時にはすでに遅かった。そう、遅かったのだ。決して、男だから守る気が起きなかった訳ではない。いや、きっとそうであるに違いない。
「まさか、こんな美女を盾にすることになろうとはな。だが、背に腹は変えられない」
「まぁ、美女ってサイゾウ様? お聞きになって?」
先ほどまでの怯えた顔が嘘の様にシルメリアは誇らしげにこちらを見てきた。うん、助ける気がますます失せてきた。
「ああ、聞いているよ。うん、聞いているからね」
だから、投げやりな返事も仕方ないよね? うん、うん、仕方ないさ。
「サイゾウ、早くアイツを消してくれない? 私が消してもいいけど。できればサイゾウの漢気が見たいわ」
そんな風に言われてはやるしかないな。オレはアラクネに促されて仕方なく対応することにした。
「わかっているよ。危険は排除しないとな。それにシルメリアごと奴を切っても問題ないよな」
だって、ゾンビだし。既に死んでいるから何も問題ないよね。これで借金も帳消しだなんて悪いことは企んでないさ。
「は、ハッタリを味方ごと、切るだと!?」
「ああん? オレはモンスター狂いだぜ? しかもモンスター美女専門だ!! それ以外に興味ないわ!!」
オレはそう言って、シルメリアを後ろから押さえつける変態野郎に攻撃を加えてやった。
先ほどの発言は嘘だけどな。人間の美女も大好きだ。だが、奴にはこのハッタリは効きそうだろ?
「本当に攻撃してきやがった!!」
「さ、サイゾウ様!!」
漆黒の男が咄嗟に回避したがシルメリアにどうやら少し、オレの攻撃が当たってしまったようだ。グラニュウム鋼の紐によって、シルメリアのスカートにスリットのような切り込みが入っているな。
「って、そこから覗くすらっとした太腿! ハァハァ!!」
それに目が奪われるのは仕方ない。だって、オレは漢だしな。いや、落ち着け、シルメリアも男だ!!
「サイゾウ様」
美しい顔で上目遣いに泣きそうな表情から甘い声。うーん、男でもいいかも!!
「服を切り裂いてやる!」
オレの煩悩の前には全ての衣服は破れ去るのだ。
「お、俺の漆黒の鎧が! や、やめろ!!」
しかし、オレの欲望のままに振るわれた攻撃を全て、イケメン男を盾代わりにして華麗に防ぎきったシルメリア。そして、全ての攻撃が当たる男。奴はオレの攻撃をことごとく受けることで、気がついたら鎧はおろか衣服もない状態。うん、男の全裸なんて見たくない。
「全裸の男に興味はない。去れ!!」
イケメン野郎が局部を見えないように両手で隠す。イケメンがこんな格好をしていると情けなさが際立つな。ふ、実にいい光景だ。シュールでな。
「お、覚えていろ!!」
奴はそう叫ぶなり、シルメリアを捕まえてこちらに投げると遁走した。
「さぁ、邪魔者は去ったぞ? 脱ぎ脱ぎタイムだ!!」
オレはシルメリアをキャッチした後、興奮が収まらぬままシルメリアに詰め寄る。そう、手をワキワキと動かしながら…
「サイゾウ様に襲われるのは嬉しいですけど、今はやめた方が良いですよ?」
怯えながらそんなこと言われても、止まる奴がいるだろうか? むしろ、男ならそそられるだろ。
「ふふ、ここで止まる男がいるだろうか? いや、いない。だから…」
オレの鼻息は荒い。だって、目の前に獲物がいるからね。ハンターとして当然さ。
「だから、何かしら? サイゾウは何が言いたいのかしら?」
オレは声が発せられた方向をゼンマイ仕掛けのおもちゃのように首を動かして確認する。するとそこには、鬼のような形相をした一匹の魔物がいた。
「ああ、だから言いましたのに…」
大きく嘆息をした後にそう言うシルメリア。さ、先に言ってくれよ。アラクネが怒っているってさ。ちくしょう。なんでアラクネは怒っているんだよ。
「最初は私を助けるために頑張っているあなたを見て胸をドキドキさせていたのに…」
「い、いや、これは、その…」
な、何かいい言葉はないか。アラクネの怒りを抑えるような。だ、ダメだ。浮かばない。当然といえば当然だけど、年齢イコール童貞のオレにはそんな都合が良い言葉なんてポンポン浮かぶはずない。ああ、どうしよう。
「言い訳は無用!!」
そう言って彼女はオレから武器である紐を奪い取った後に微笑むが、どう見てもアラクネの目が笑っていません。
「アラクネ、待ってくれ! そのグラニュウム鋼の紐は魔物を縛るためのもので、野郎を縛るためのものではないんだけど!?」
オレの言葉を聞いたアラクネはさらに微笑みを強くして、
「つまり、縛られるよりも、私自身のこの爪で切り裂かれたいわけね」
と言って、こちらを見てきた。
「え、笑顔が怖いよ! って、マジでやるのかよ! 勘弁してくれ!!」
そんなオレの悲鳴は辺りに虚しく響き渡ったのであった。
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