小さな星屑

プロローグ

　暗闇の中に一筋の光が差し込む。

　静寂の中を進む光は、やがてステージ上に立つ一人の男を照らす。その瞬間、辺りは熱気と歓声に包まれた。

　次々に光が差し込み、一人また一人と男たちを照らしていく。その度に割れんばかりの歓声が会場に響き渡る。

　そして、全ての男たちが光に照らされた時、どこからか音楽が流れてくる。

　彼らは一糸乱れぬダンスで、観客たちを魅了していく。


「すげぇ～カッコいい～」


　少年はステージ上で華麗に踊っている集団を見ながら呟いた。目の前で繰り広げられていくパフォーマンスにただただ心を奪われていくばかりだった。
　すると、隣にいた別の少年が話しかけてきた。


「凄いだろ‼︎あの真ん中で踊っているの、俺のお父さんなんだ‼︎」

「マジか‼︎お前のお父さんすげぇな‼︎」


　少年たちが観ている彼らは、今メディアで観ない日がないくらい一番人気のパフォーマンス集団で、ドラマやバラエティ番組など多方面でも活躍してる。
　しかし、彼らの本分は何と言ってもライブである。一度ステージに上がると躍動感あふれるパフォーマンスで会場のボルテージをあげていく。


「マジでカッコいいよ、お前のお父さん‼︎」

「だろ‼︎俺も大きくなったら、お父さんみたいなダンサーになるんだ！」


　少年はステージを観ながら力強く言った。