32 / 32
32話 地中
しおりを挟む
真奈が抱き着いてぼくをしばらく離さなかった。
「ど、どど、どうしたの?」
抱き着かれたままぼくは問いかける。
「えー。いーでしょー」
確かに悪い気はしない。それどころか、比奈に抱きつかれているような気がして照れてしまう。けれど、しばらくすると、妙な罪悪感が押し寄せてきた。
「真奈、そろそろ離れて......」
真奈がぼくから離れる。
「急にどうしたの? 照れちゃった?」
「いや、何でもない」
気づいたら体のだるさやイライラが取れていた。頭がスッキリとしてくる。
そうだ。能力教えないと。
「ぼくの能力は、周りの人から見て10秒ズレる能力だよ。でも、能力がバレると無効化されるんだ」
「なるほど。でも、今は別に何ともないけど」
「あ、それは今能力の効果を発動してないからだと思う。今から能力発動するね」
ぼくはズレを復活させる。
「あれ? 凛、おんなじこと2回言ってるよ?」
「ほんとに?」
「おーい? 凛おかしくなっちゃった?」
おかしいな......見えてないみたいだ。一旦ズレを解除するか。
「おかしくないよ」
「ほんとだ。普通になった」
もしかすると、能力がバレるっていうのにも別の条件があるのかもしれない。
とりあえず誤魔化しておこう。
「ちょっとさっきの説明ミスってたみたい。とりあえず、10秒分くらい先の行動をしてることを考えて動いてくれると助かるかな」
「うーん......難しそうだけどやってみる」
「ありがとう」
さて、ここからが問題だ。相手の能力が全く分からない。
分かっていることとして、ボウガンの矢が消えたこと。そして、たくさん出ては消える人影。後は綺麗に整備された公園。
安易に考えれば、物体を消す能力だが、それだけでは人影が現れた理由が分からない。
もう少し様子を見ながら能力者を探そう。
「真奈、今相手はどこら辺にいるか分かる?」
能力を再び解除して問いかける。
「うーん......人らしき反応が何個かあって、うまく判別できないなぁ......」
「どっちの方に反応が多い?」
「左側の方が多いよ」
「ありがとう」
ぼくはまっすぐ走り出した。木々の奥のまっすぐ目の前に人影が見えたのだ。
きっと、これも本体ではないのだろうが、何かの仕掛けがあることは確かだ。
ボシュ
不意に地面を踏みしめる感覚がなくなった。
落とし穴か......
また落ちる感覚だ。そして、落とし穴なら......
下を見ると、竹槍が10本くらい刺さっていた。急いで近くに手を差し込む。壁が土だったため簡単に刺さった。
そのままの勢いで足も壁に突き刺す。
ザザザザッ
何とか止まることが出来た。危なかった......
下を見ると、竹が光っていた。神々しくというよりはおどろおどろしい感じだ。その光が消えた時、現れたのはかぐや姫ではなく、爆弾だった。
ドカン
あれ......?思ってたより火力出なかったな。
ザラザラ......
まさか......
土が上方からバラバラと落ちてくる。このままだと生き埋めに......
次の瞬間、視界が真っ暗になった。
体ががっちり固定されてるな......
もぞもぞと動いてどこかに出れないかと探ってみると、手が空気に触れた感覚があった。少し飛び出た手を周りに引っ掛けてなんとか生き埋め状態を脱却した。
「ここは何なんだ?」
そこには不思議な光景が広がっていた。
「ど、どど、どうしたの?」
抱き着かれたままぼくは問いかける。
「えー。いーでしょー」
確かに悪い気はしない。それどころか、比奈に抱きつかれているような気がして照れてしまう。けれど、しばらくすると、妙な罪悪感が押し寄せてきた。
「真奈、そろそろ離れて......」
真奈がぼくから離れる。
「急にどうしたの? 照れちゃった?」
「いや、何でもない」
気づいたら体のだるさやイライラが取れていた。頭がスッキリとしてくる。
そうだ。能力教えないと。
「ぼくの能力は、周りの人から見て10秒ズレる能力だよ。でも、能力がバレると無効化されるんだ」
「なるほど。でも、今は別に何ともないけど」
「あ、それは今能力の効果を発動してないからだと思う。今から能力発動するね」
ぼくはズレを復活させる。
「あれ? 凛、おんなじこと2回言ってるよ?」
「ほんとに?」
「おーい? 凛おかしくなっちゃった?」
おかしいな......見えてないみたいだ。一旦ズレを解除するか。
「おかしくないよ」
「ほんとだ。普通になった」
もしかすると、能力がバレるっていうのにも別の条件があるのかもしれない。
とりあえず誤魔化しておこう。
「ちょっとさっきの説明ミスってたみたい。とりあえず、10秒分くらい先の行動をしてることを考えて動いてくれると助かるかな」
「うーん......難しそうだけどやってみる」
「ありがとう」
さて、ここからが問題だ。相手の能力が全く分からない。
分かっていることとして、ボウガンの矢が消えたこと。そして、たくさん出ては消える人影。後は綺麗に整備された公園。
安易に考えれば、物体を消す能力だが、それだけでは人影が現れた理由が分からない。
もう少し様子を見ながら能力者を探そう。
「真奈、今相手はどこら辺にいるか分かる?」
能力を再び解除して問いかける。
「うーん......人らしき反応が何個かあって、うまく判別できないなぁ......」
「どっちの方に反応が多い?」
「左側の方が多いよ」
「ありがとう」
ぼくはまっすぐ走り出した。木々の奥のまっすぐ目の前に人影が見えたのだ。
きっと、これも本体ではないのだろうが、何かの仕掛けがあることは確かだ。
ボシュ
不意に地面を踏みしめる感覚がなくなった。
落とし穴か......
また落ちる感覚だ。そして、落とし穴なら......
下を見ると、竹槍が10本くらい刺さっていた。急いで近くに手を差し込む。壁が土だったため簡単に刺さった。
そのままの勢いで足も壁に突き刺す。
ザザザザッ
何とか止まることが出来た。危なかった......
下を見ると、竹が光っていた。神々しくというよりはおどろおどろしい感じだ。その光が消えた時、現れたのはかぐや姫ではなく、爆弾だった。
ドカン
あれ......?思ってたより火力出なかったな。
ザラザラ......
まさか......
土が上方からバラバラと落ちてくる。このままだと生き埋めに......
次の瞬間、視界が真っ暗になった。
体ががっちり固定されてるな......
もぞもぞと動いてどこかに出れないかと探ってみると、手が空気に触れた感覚があった。少し飛び出た手を周りに引っ掛けてなんとか生き埋め状態を脱却した。
「ここは何なんだ?」
そこには不思議な光景が広がっていた。
0
この作品の感想を投稿する
みんなの感想(2件)
あなたにおすすめの小説
JKメイドはご主人様のオモチャ 命令ひとつで脱がされて、触られて、好きにされて――
のぞみ
恋愛
「今日から、お前は俺のメイドだ。ベッドの上でもな」
高校二年生の蒼井ひなたは、借金に追われた家族の代わりに、ある大富豪の家で住み込みメイドとして働くことに。
そこは、まるでおとぎ話に出てきそうな大きな洋館。
でも、そこで待っていたのは、同じ高校に通うちょっと有名な男の子――完璧だけど性格が超ドSな御曹司、天城 蓮だった。
昼間は生徒会長、夜は…ご主人様?
しかも、彼の命令はちょっと普通じゃない。
「掃除だけじゃダメだろ? ご主人様の癒しも、メイドの大事な仕事だろ?」
手を握られるたび、耳元で囁かれるたび、心臓がバクバクする。
なのに、ひなたの体はどんどん反応してしまって…。
怒ったり照れたりしながらも、次第に蓮に惹かれていくひなた。
だけど、彼にはまだ知られていない秘密があって――
「…ほんとは、ずっと前から、私…」
ただのメイドなんかじゃ終わりたくない。
恋と欲望が交差する、ちょっぴり危険な主従ラブストーリー。
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
敵に貞操を奪われて癒しの力を失うはずだった聖女ですが、なぜか前より漲っています
藤谷 要
恋愛
サルサン国の聖女たちは、隣国に征服される際に自国の王の命で殺されそうになった。ところが、侵略軍将帥のマトルヘル侯爵に助けられた。それから聖女たちは侵略国に仕えるようになったが、一か月後に筆頭聖女だったルミネラは命の恩人の侯爵へ嫁ぐように国王から命じられる。
結婚披露宴では、陛下に側妃として嫁いだ旧サルサン国王女が出席していたが、彼女は侯爵に腕を絡めて「陛下の手がつかなかったら一年後に妻にしてほしい」と頼んでいた。しかも、侯爵はその手を振り払いもしない。
聖女は愛のない交わりで神の加護を失うとされているので、当然白い結婚だと思っていたが、初夜に侯爵のメイアスから体の関係を迫られる。彼は命の恩人だったので、ルミネラはそのまま彼を受け入れた。
侯爵がかつての恋人に似ていたとはいえ、侯爵と孤児だった彼は全く別人。愛のない交わりだったので、当然力を失うと思っていたが、なぜか以前よりも力が漲っていた。
※全11話 2万字程度の話です。
つまらなかった乙女ゲームに転生しちゃったので、サクッと終わらすことにしました
蒼羽咲
ファンタジー
つまらなかった乙女ゲームに転生⁈
絵に惚れ込み、一目惚れキャラのためにハードまで買ったが内容が超つまらなかった残念な乙女ゲームに転生してしまった。
絵は超好みだ。内容はご都合主義の聖女なお花畑主人公。攻略イケメンも顔は良いがちょろい対象ばかり。てこたぁ逆にめちゃくちゃ住み心地のいい場所になるのでは⁈と気づき、テンションが一気に上がる!!
聖女など面倒な事はする気はない!サクッと攻略終わらせてぐーたら生活をGETするぞ!
ご都合主義ならチョロい!と、野望を胸に動き出す!!
+++++
・重複投稿・土曜配信 (たま~に水曜…不定期更新)
断罪まであと10分、私は処刑台の上で「ライブ配信」を開始した〜前世インフルエンサーの悪役令嬢、支持率100%でクズ王子を逆処刑する〜
深渡 ケイ
ファンタジー
断罪まで、あと10分。
処刑台の上で跪く悪役令嬢スカーレットは、笑っていた。
なぜなら彼女は――
前世で“トップインフルエンサー”だったから。
処刑の瞬間、彼女が起動したのは禁忌の精霊石。
空に展開された巨大モニターが、全世界同時ライブ配信を開始する。
タイトルは――
『断罪なう』。
王子の不貞、聖女の偽善、王家の腐敗。
すべてを“証拠付き・リアルタイム”で暴露する配信に、
国民の「いいね(=精霊力)」が集まり始める。
そして宣言される、前代未聞のルール。
支持率が上がるほど、処刑は不可能になる。
処刑台は舞台へ。
断罪はエンタメへ。
悪役令嬢は、世界をひっくり返す配信者となった。
これは、
処刑されるはずだった悪役令嬢が、
“ライブ配信”で王子と王国を公開処刑する物語。
支持率100%の先に待つのは、復讐か、革命か、
それとも――自由か。
今日結婚した夫から2年経ったら出ていけと言われました
四折 柊
恋愛
子爵令嬢であるコーデリアは高位貴族である公爵家から是非にと望まれ結婚した。美しくもなく身分の低い自分が何故? 理由は分からないが自分にひどい扱いをする実家を出て幸せになれるかもしれないと淡い期待を抱く。ところがそこには思惑があり……。公爵は本当に愛する女性を妻にするためにコーデリアを利用したのだ。夫となった男は言った。「お前と本当の夫婦になるつもりはない。2年後には公爵邸から国外へ出ていってもらう。そして二度と戻ってくるな」と。(いいんですか? それは私にとって……ご褒美です!)
十三回目の人生でようやく自分が悪役令嬢ポジと気づいたので、もう殿下の邪魔はしませんから構わないで下さい!
翠玉 結
恋愛
公爵令嬢である私、エリーザは挙式前夜の式典で命を落とした。
「貴様とは、婚約破棄する」と残酷な事を突きつける婚約者、王太子殿下クラウド様の手によって。
そしてそれが一度ではなく、何度も繰り返していることに気が付いたのは〖十三回目〗の人生。
死んだ理由…それは、毎回悪役令嬢というポジションで立ち振る舞い、殿下の恋路を邪魔していたいたからだった。
どう頑張ろうと、殿下からの愛を受け取ることなく死ぬ。
その結末をが分かっているならもう二度と同じ過ちは繰り返さない!
そして死なない!!
そう思って殿下と関わらないようにしていたのに、
何故か前の記憶とは違って、まさかのご執心で溺愛ルートまっしぐらで?!
「殿下!私、死にたくありません!」
✼••┈┈┈┈••✼••┈┈┈┈••✼
※他サイトより転載した作品です。
無能妃候補は辞退したい
水綴(ミツヅリ)
ファンタジー
貴族の嗜み・教養がとにかく身に付かず、社交会にも出してもらえない無能侯爵令嬢メイヴィス・ラングラーは、死んだ姉の代わりに15歳で王太子妃候補として王宮へ迎え入れられる。
しかし王太子サイラスには周囲から正妃最有力候補と囁かれる公爵令嬢クリスタがおり、王太子妃候補とは名ばかりの茶番レース。
帰る場所のないメイヴィスは、サイラスとクリスタが正式に婚約を発表する3年後までひっそりと王宮で過ごすことに。
誰もが不出来な自分を見下す中、誰とも関わりたくないメイヴィスはサイラスとも他の王太子妃候補たちとも距離を取るが……。
果たしてメイヴィスは王宮を出られるのか?
誰にも愛されないひとりぼっちの無気力令嬢が愛を得るまでの話。
この作品は「小説家になろう」「カクヨム」にも掲載しています。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる
本作については削除予定があるため、新規のレンタルはできません。
このユーザをミュートしますか?
※ミュートすると該当ユーザの「小説・投稿漫画・感想・コメント」が非表示になります。ミュートしたことは相手にはわかりません。またいつでもミュート解除できます。
※一部ミュート対象外の箇所がございます。ミュートの対象範囲についての詳細はヘルプにてご確認ください。
※ミュートしてもお気に入りやしおりは解除されません。既にお気に入りやしおりを使用している場合はすべて解除してからミュートを行うようにしてください。
作品登録しときますね♪ゆっくり読ませてもらいます(^^)
こんにちは、「白猫」です!
読む方では「黒猫」という名前でやっています!
この作品、以前「最新の作品」のところから読ませていただきました!
今度、時間がある時に感想を書きますね!