騎士団長のお抱え薬師

衣更月

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見回り

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 聖属性は”光の属性”と言われる通り、治癒魔法を発動すると仄かな光を放つ。
 魔力量の多い貴族の場合だと、目も眩むような光が溢れるのだと聞いたこともある。
 でも、私の魔力量ではヒカリゴケ程度の光しか生じない。
 それでも、聖属性と接する機会がない獣人には目を見張るものがあるらしい。「すげぇ…」と小さな声を零しながら、癒えていく傷口をしげしげと見ている。
「ありがとうございます…。助かり、ました」
 疲弊した声を零し、項垂れるように頭を下げたのは、冒険者パーティー”希望エスポワール”のリーダー、ネイト・ノックスだ。
 希望エスポワールは4人組で、クロムウェル公爵家運営のドメニク孤児院の出身者で構成されている。
 パーティーランクはC。
 最年長のネイトは17才でCランクということだ。
 残りの3人もCランクとDランクで、森へ行くには実力不足が否めない。
 そもそも、ハノンやクロムウェル領などで言う森とは”帰らずの森”、または”魔女の森”のことで、Cランク以下は森へ行く許可は出ない。
 例え獣人でも、それは変わらないらしいけど、獣人のポテンシャルをもってすればCランク以下でも魔物を狩れる。
 ということで、魔物討伐の手が足りていない今、Cランク以下の冒険者たちが一攫千金狙いに駆け回っている。
 森に入らずとも高額取引となる魔物が出没しているのだから、これを逃す手はないのだ。
 結果、怪我人が絶えない。
 希望エスポワールは、無謀にも恐鳥モアに挑んでしまった。それも恐鳥モア最大種のディノルニスだ。
 ディノルニスは体長4メートルの大型種に属し、魔物レベルは3。飛ぶための翼はないけど、強靭な脚には鋭い蹴爪がある。武器は蹴りと、太くも鋭い嘴。細長い首と小さな頭が縦横無尽に攻撃を繰り出し、死角から蹴りがくるのだ。
 希望エスポワールは、所詮は”鳥”相手だとディノルニスを侮り、あわや全滅に陥りかけた。
 まぁ、そんなディノルニスは、ジャレッド団長に首を断ち切られて息絶えているけど。
 焦げ茶色の羽があちこちに散り、少しだけトウモロコシ畑に損害が出ている以外は、死者も出なかった。重軽傷を負った4人も治したので、被害は最小限に収められたと言える。
「さすがは第2騎士団の団長様だ」
恐鳥モアが出て死人が出なかったんだ」
「お前たちも落ち込むな。相手が悪かったんだよ」
 駆けつけて来た猟師たちが、地べたに座り込んだ希望エスポワールたちの肩を叩く。
 恐怖で腰を抜かしているというより、実力不足による自己嫌悪に陥っている感じかな。特にネイトは、ディノルニスの力量を見誤るという判断ミスを犯した。リーダーである以上、パーティー全滅を回避すべく的確な判断能力が求められる。
 それは騎士団も同じで、第2騎士団はジャレッド団長の指揮如何によって任務中の生存率が変わる。
 だからだろうか。ジャレッド団長の顔つきは、いつにも増して険しい。
 体躯に見合った大ぶりの剣の血を拭い、鞘に納める様は、絵本の魔王みたいな怖さがある。
「なぜ退避しなかった?」
「……す、すみません。俺の判断ミスで…」
「なぜ退避をしなかったと訊いたんだ。相手が鳥だと見くびったか?1人が内臓が見えるほど腹を裂かれた重症。2人が裂傷と骨折で、うち1人が気絶。最後の1人が脳震盪か。俺たちが間に合わなければ全滅だった」
「……すみません…すみません…っ!」
 ネイトは涙と鼻水を垂らして、地面に蹲った。
 全滅という言葉は重い。
「まぁ、これも経験だな。退避しなかったのは相手の力量を見極める目も知識もなかった実力不足からだ」
 苦笑まじりに口を挟んだのは、獣人にしては小柄な男性だ。
 白髪交じりの黒髪に、日に焼けた小麦色の肌。目尻の下がった面差しから、温和なイメージが湧く50代後半ほどの男性だ。
「ギムか」
 どうやらジャレッド団長の顔見知りらしい。
 ギムと呼ばれた男性は、「ご無沙汰しております」と笑った。
「儂はちょいと向こうのトウモロコシ畑にいましてね。今季は農夫でなくて猟師として、小型の魔物と獣から作物と農夫を守る役目を担っているんです」
 ギムは言って、”ちょいと向こう”を指さした。
 私の目には、”ちょいと”ではない距離があるけど、獣人には”ちょいと”の距離らしい。
 目を凝らすと、トウモロコシの収穫作業に勤しむ筋骨隆々の農夫たちが精を出しているのが見える。キラリ、と光るのは、農夫が手にする鉈だろう。そして、農夫とは別に、弓矢や槍を手にした猟師が畑の周囲を見回している。
 ギムも肩に弓、背中に矢筒を背負っている。
「いやぁ、恐鳥モアの絶叫が聞こえて驚きました」
「絶叫…」
 私が零した声に、ギムはにこりと笑う。
恐鳥モアの威嚇とか怒りの声は、ギョアアア!と、それはそれは耳障りなのですよ。で、慌てて此方の方を見れば、トウモロコシ畑から恐鳥モアの頭が飛び出している。さらに驚いたのは、若い冒険者が陣形を組んで立ち向かおうとしてるってんで、慌てて騎士様やベテランの冒険者を探したんですよ」
 たまたま「見回りについて来い」とジャレッド団長に連れられ、第2騎士団近くを見て回っていたのだ。そこに、泡を食った農夫が駆けつけて来たという経緯がある。
 ジャレッド団長曰く、駆けて来た農夫は俊足のウサギ獣人だったらしい。
 赤系統の瞳は、ウサギ獣人の特徴でもあるのだとか。
 その農夫が報告に来るまでもなく、恐鳥モアの絶叫はジャレッド団長の耳にも届いていたそうだ。ただ、近場の騎士が対応しているだろうと暢気に構えていれば、不運にも騎士がいない空白地帯だと判明。
「ここらは出ても小型種なので、まさか大型種が出るとは…我々も驚いているところです」
 ギムは苦い顔で、巨体を横たえるディノルニスに目を向ける。
「まずは、若い者には魔物の種類と危険度を徹底的に周知させなければいけないでしょうな。恐鳥モアのように早々お目にかかれない種が、こうして出てくると、低ランクの冒険者は対応できません」
「低ランクだと恐鳥モアを知らないのか?」
 ジャレッド団長が眉間に皺を刻み、微かに首を傾げた。
「ギルドは定期的に勉強会を開いてますが、森に入ることが出来るのはBランクからです。それ以下の冒険者は、田畑や人里近くに出る魔物くらいしか勉強しないのですよ。冒険者組合の規約では、Cランク以下の魔物討伐は好ましくないとあるのですがね。実戦で知識を増やそうとする若い冒険者は少なくありません。まぁ、結果は御覧の通りです」
 ギムの言葉に、希望エスポワールの面々は唇を噛んで俯いている。
 ハノンではFランクから魔物の脅威を習うので、こういうのをカルチャーショックというのかも。
 私がハノンの冒険者ギルドで即席チームに入れてもらった時も、Bランクのリーダーを中心に、中型種以上の魔物とは決して対峙しなかった。魔物の恐ろしさを頭に叩き込まれているからだ。
 なので、即席チームは各々が掲げるターゲットを絞って行動した。小型種の魔物や獣であったり、薬草であったり、鉱石であったり。無理なくを徹底して行動していた。
 それを思うと、少しばかり無謀な獣人冒険者に危機感が募る。
 ちらり、とジャレッド団長とギムを見やれば、2人も苦い表情をしている。
「あの…ギムさんは冒険者なんですか?」
「儂か?儂は引退した元Bランカーですよ。お嬢さん。冒険者に夢を抱いてたが、どうにも性に合わずBまで行って辞めたんです。今は農夫兼猟師です」
 ギムさんは頭を掻いて、「それでですな、団長様」とジャレッド団長に向き直る。
「儂のところのヴォーゲル村、その隣のコムズ村とローリック村の3村で、自警団を作ろうって話が出てるんですよ。今はこうして腕に覚えがある者が交代で見張ってるが、効率が悪い。自警団を作りたいが、勝手に作っていいのかどうか…。嘆願書を出せばいいんでしょうけど、なにぶん学が足りない。村長も悩んでいる次第で。こうして団長様に会えたので、不敬とは思いつつ相談させてもらいました」
「自警団か。クロムウェル領内は騎士団があるとは言え、この辺りは常に騎士が巡回するカスティーロとは違うからな。今日のような場面もあるだろう。俺から公爵に伝えよう。面倒な規約が生ずるとは思うが、創立に問題ないだろう」
「感謝いたします」
 ギムは嬉しそうに頬を綻ばせて、恭しく頭を下げる。
 ハノンの自警団は悪漢に重点を置いて対策を練っていたけど、こっちでは対魔物かな。
 猛省中の4人組は、この後、ギルド長とかにも説教されるんだと思う。ジャレッド団長も、これで終わりにせず公爵家としてギルドに教育の徹底を求めるはずだ。
 そして、ディノルニスだ。
「ジャレッド団長。あれはどうするんですか?」
 私も初めて見る大型種なので、ディノルニスの活用法は分からない。
「ディノルニスは嘴と爪、骨は武器に加工できる。肉は臭みは少ないが筋張って硬い。干し肉には不向きだな」
「保存食にはならないんですね」
「煮込み料理に向いた肉だからな。ギム。ディノルニスの処分を任せられるか?」
「頂けるのでしたら喜んで!」
 ギムは喜色満面だ。
 話を聞いていた他の猟師も喜んでいる。
「この鳥の肉は調理工程が面倒で、煮込むのに3日もかかりますが、手間暇をかければ美味しくなるのですよ」
 じゅるり、とヨダレの音がしそうな顔つきで、ギムは”ちょいと向こう”のトウモロコシ畑に向かって手を振り、右手の人差し指を曲げて口に添えた。
 ピューイピュピューイピュイ!と甲高い指笛が響く。
 すると、あちらこちらから指笛が微かに聞こえた。
「これで手の空いた者が回収、解体してくれます。儂たちは至急、血抜きします」
 指笛は遠くの人たちとの伝達方法だったらしい。
 こっそりと指を咥えて吹いてみたけど、「ふーっ!」と息の音しかしなかった。
 すると、今度はジャレッド団長が親指と人差し指で輪を作り、ヒューヒュイ!と指笛を鳴らす。これに反応したのは、ディノルニスが薙ぎ倒した高さ3メートル近いトウモロコシを食んでいた月毛の馬、ヴェンティだ。 
 傷んだトウモロコシをばりぼりと食べつつ、こちらに歩いて来る。
「ギム。悪いが、少しばかりこいつらの説教を頼む。次は死にかねないからな」
「お任せ下さい」 
 ジャレッド団長はギムの返答に満足気に頷き、徐に私を抱え上げるとヴェンティに乗せる。
 子ども扱いが過ぎるけど、私の足ではあぶみには届かない。小ぶりの鞍上でお尻の位置を整え、鞍の前部に付けられたグリップを握る。 
 ジャレッド団長が後ろの鞍に飛び乗れば、ヴェンティは軽やかな足取りで歩きだした。
 今日のヴェンティは私の股ずれを気遣ってくれているのか、とても優しい。
 まぁ、手綱を握っているのはジャレッド団長だけど…。
「このまま帰るんですか?」
「いや。1ヵ所寄りたいところがある。それより、魔力の方はどうだ?」
「軽い怪我くらいなら治せますけど、さっきみたいな重傷は無理です。魔力を使いすぎて、ちょっと気怠いです」
「イヴのお陰で死者が出ずに済んだ。礼を言う」
 たぶん、微笑んでいるのだろう。
 そんな柔らかな口調で、ジャレッド団長は私の頭を撫でた。
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