魔法使いの約束

衣更月

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 キュ、キュ、キュ、とコーヒーカップを洗っている横で、季実子さんはコーヒー豆の在庫をチェックしている。
 お客さんは6人。
 3人は女子会とばかりに談笑を楽しむ奥様方だ。近くのヨガスタジオで汗を掻いた帰り、カフェSweet Timeでのお茶をルーティンとする常連さんである。
 ヨガが趣味というだけあって、3人ともスレンダーで若々しい。それでも、耳を澄ますと「高校生の娘がね」と聞こえたりするから、それなりの年齢なのだろう。全然見えなけど…。
 2人は、メガネをかけた中年男性と新人っぽいサラリーマンの組み合わせ。共にダーク系のスーツを着て、コーヒーを飲みながら資料に目を通して打ち合わせをしている。
 何かの営業っぽい。
 最後の1人は、アイドルかと見紛うほどのイケメンだ。
 イケメン刺客現る…、と脳内にイケボナレーションが巡ったのは仕方ない。
 身長は高くはないが、低くもない。平均的なものだと思う。暗めの栗色の髪に、長い睫毛の影を落とす鳶色の瞳。男の癖に…というと叱られそうだけど、羨ましいほど肌理細やかな美肌だ。きっとニキビとは無縁の人生に違いない。
 杢グレーのニットセーターと白いロングTシャツの重ね着に、黒いスキニーパンツ。椅子の背にかけるのは、黒いモンスターコート。
 全体的に黒だけど、イケメンに良く似合うと思う。
 ただ、床に置いた藍色の角ばったリュックサックを見ると、高校生っぽくもある。
 それでも、なんという目の保養。なんという顔の良さ。
 緩みそうになる頬に力を込め、カウンターに座るイケメンを視界の外に追いやりながらコーヒーカップを洗う。
「そういえば…」と、奥様方から零れた深刻な声に、耳が傾く。
「昨夜もサイレンが鳴ってたわ」
「例の不審火?」
 今では何処に行っても、誰かが話題にしている。
 それなのに、未だに放火と明言できないのは、出火している箇所が火の手が上がっても不思議ではない場所だからだ。以前から煙草のポイ捨てが問題視されたいたゴミ置き場に、注意もスルーされる公園の焚火跡の近く。河川敷のバーベキューで放置されたゴミ。不法投棄された石油ストーブと、どれもマナーを問題視される場所で、小火が起きている。
 故意に火を点けて逃げる人を目撃したという通報はない。
 今のところは大事に至ってはいないけど、乾燥注意報が続いている中、いつ大火事になってもおかしくはない。
「うちの地区、夜警パトロールの時間を変更するって話が来てるのよ。今までは夜の10時までの”火の用心”運動が、明日から夜通しだって…」
「夜通し…!」
「お巡りさんも見回りしてるんじゃない?今朝早く、家の前をパトカーが通ってたもの。サイレンを鳴らさないで、赤色灯だけ点灯させ、徐行してる感じで」
「これから天気が荒れるっていうし…。強風と乾燥で火が点いたらと思うと怖いわ。年末に火事なんて…冗談でも想像したくないわ」
「放火かしら…」
 ぼそり、と声のトーンが低くなる。
 膝を突き合わせ、顔を寄せ合い、「3年前みたいな」とぼそぼそと声を潜める。
 ここでそのワードを聞くのは、これで2度目になる。それだけ、3年前の事件は安穏とした田舎町には衝撃だった。
 事の起こりは3年前の11月下旬。ゴミ捨て場の小火から始まった。原因は煙草のポイ捨てによる失火だという噂が広まり、大した関心は集まらなかったと記憶する。
 町中が異変を察知したのは、12月に入ってからだ。
 小火が1週間に2件、3件と立て続いたのだ。中には煙草のポイ捨てや火の不始末では済まない出火もあり、学校でも放火の話題で持ち切りだった。
 当時の私は、そんな噂に疎かったと思う。
 秋頃から祖父が体調を崩したのだ。咳き込むことが多くなった祖父は、検査に検査を重ね、肺癌の告知を受けた。
 祖父が入院した頃、北風に乗ってサイレンが絶え間なく聞こえて来るのに気が付いた。しばらくして、連続放火が起きていると知った。
 乾燥と強風が、簡単に火の手を拡大させた。
 犯人が逮捕される2ヵ月の間に、小火が9件。家屋全焼が4件。重軽傷者が子供を含む3名。死者2名を出した。
 逮捕されたのは、なんと私の通う学校の3年生だった。受験ストレスによる放火と聞いた。その家族は町に住めなくなり、どこかへ引っ越したという。それも致し方ない。田舎というのは助け合い精神の良い面もあれば、異分子を村八分に追い込む恐ろしい面もある。万引きだって滅多に起きないような田舎には、連続放火犯は稀代の悪党の烙印を押されてしまう。死者が出たのなら尚の事だ。犯人が未成年なら、親の責任だと非難の的にもなる。
 当時の私は、そんな大騒動を遠巻きに見ながら、祖父の入院する病院に通っていた。
「あ、でも」と、私を回顧から引き戻す声が聞こえた。
「あれが原因かも知れないわよ?」
 ずず、とコーヒーを飲み、「例のユーマ」と派手な花柄のセーターを着た女性がにまりと笑う。
 そこから不審火の話題が、件のオカルトへと転がる。
「原因って、何もできないわよ。凧でしょ?」「違う。風船だと思うわ」「テレビでムササビみたいに人が飛んでる映像見たわよ?」などなど、これだと思えるものを上げていく。
「宇宙人よ」と1人が言えば、どっと笑いが起きた。
「ETに憧れたわ」「一緒に自転車で飛ぶのよね」と、オカルト談義から映画談義へと移って行く。
 女性の会話というのは、1つの話題をとことん追求することはない。例外はコイバナくらいか。あとは、ころころと話題が二転も三転もする。このお客さんたちも、既に何転したか分からないほどの話題を口にしている。
 一応、声量は控えめだけど、女性が集えば姦しい。
 季実子さんが「ごめんなさいね」と、イケメンに小声で謝った。
 イケメンは微笑み、ゆるく頭を振る。
 両手で包み込むように持つカップには、砂糖もミルクもなしのブレンドコーヒーが1口ほど残っている。
 かちゃり、とカップをソーサーに戻し、イケメンが「実は」と季実子さんを見上げた。 
 全ての仕草が計算づくに思えるほどに絵になる。
「捜してるんですよ。UMA」
 顔も良ければ声も良い。
 どきどきと魅入ってしまう私は、簡単にイケメン刺客の罠に嵌りそうだ。この人が刺客とは思わないけど、若手俳優や駆け出し中のモデルの可能性は捨てきれない。残念ながら、モデルというには背が低くはあるけど…。
 年下は趣味じゃないのか、季実子さんはイケメンの魅力に靡く様子はない。いつもの営業スマイルが、「興味があるの?」と砕けた口調で訊く。
「フライング…なんとか」
「フライング・ヒューマノイド」と、イケメンが訂正する。
「そう、それ。フライング・ヒューマノイド」
「そういうの好きなんですよ。UFOとかもひっくるめて。近場で目撃情報が多発したら、行動を起こさなきゃ損じゃないですか」
 見た目はカフェで静かに文学小説をめくっていそうなのに、なかなかアグレッシブなイケメンだ。
 好感が持てる。
「何か情報はないですか?」
 大人びた表情が、途端に少年のような無垢さを帯びる。
 このイケメンは、篁さんと違って自分の武器を正確に把握している。偏見ながらに、世渡りが巧そうだ。恋人だって2、3人いるんじゃないだろうか。
 イケメンに魅了されることのない季実子さんも、なかなかに恐ろしい。
「私は見たことがないのよね」と頬に手を当て、「お客さんの話を聞くくらい」と肩を竦める。
「噂では、目撃される場所もばらばら。共通点は夜ってことかしら?」
「夜かぁ」
 イケメンは残念そうだ。
 コートのポケットからスマホを取り出して、「夜じゃ撮影は厳しいかな…」と唇を尖らせる。
「撮影以前に、おうちの人が心配するんじゃない?」
 イケメンはにこにこ微笑んでいる。
「高校生でしょ?」
 季実子さんがずばっと訊けば、イケメンは「はい」と屈託なく笑う。
「よく大学生に間違われるのですが…。初めてですよ。制服も着ていないのに高校生だって言われたの」
「こう見えても客商売だもの。いろんな人を見てるから、なんとなく分かるの」
「なるほど」
「最近は物騒なことも起きているし、夜に出歩くのは止めた方がいいわよ」
「そうですね」
 イケメンは素直に頷き、残りのコーヒーを飲み干した。
「でも残念」
 そう呟いたイケメンの顔は、どこかで見たことがある気がした。
 テレビか雑誌かSNSか…。
 胸の奥をもやもやさせながら、「ご馳走様でした」と帰って行ったイケメンを見送った。


「ただいま」
 玄関の引き戸を開ければ、黒のダメ出しが飛んで来た。「てめぇは弱火を知らねぇのか!」や「学習しろ!」や「焦げてんだろうが!」の濁声に遅れて、甘辛い香りが鼻孔を擽る。
 どうやら篁さんが料理のリベンジをしているらしい。
 洗面所で手を洗って、改めて、「ただいま」と台所に入る。
「お帰り」
 そう微笑んで振り返った篁さんは、驚くほどイケメンだった。
 片手に菜箸を持っているけど、思わず心臓が飛び跳ねたほどだ。
 今までと何が違うのだろうかと息を詰めて観察すれば、例の死んだ魚のような目が生き生きとしている。たったそれだけで、纏う雰囲気がハイスペックイケメンに変貌するから凄い。
「……どうしたんです?なんだか機嫌が良さそう」
「え?そうかな?」
「目処が立ったんだよ」
 椅子の背に止まる黒が、「そうじゃねぇだろ」と盛り付けを指示する。
 黒が視線を投げる先には、使い込まれたレシピ本が開かれている。祖母が買ってくれた【レッスン!365日のレシピ本】だ。料理初心者向けの、包丁の握り方や野菜の切り方をレクチャーしつつ、ハンバーグや肉じゃがなどの基礎固めの料理から簡単な副菜、汁物を含めた400品目が載っている。
 篁さんが腕を揮ったのは、豚肉巻きだ。巻いている具材は、アスパラガスと長ネギ。若菜さんがお裾分けしてくれた野菜だ。
 レシピ本の写真と比べれば、丸々と太った肉巻きだし、焦げもあるけど、甘辛い香りが食欲をそそる。お味噌汁は玉葱とじゃが芋で、縁の焦げた目玉焼きにはウインナーがトッピングされている。
「ちゃんと火は通ってるよ。黒が味見してくれたからね」
「おうよ。オレっちは生焼けでもイケる口だからな」
 カラスジョークなのか、黒は胸に翼を当てて笑う。
「黒のお墨付きなら安心ね。篁さんもありがとうございます」
 ぺこりと頭を下げて、居間に荷物を置く。脱いだコートは、あとで部屋に持って上がればいい。それよりも、テレビが見たい。
 炬燵机の上のリモコンを拾い上げて、テレビを点ける。
「なんか面白れぇのがあんのか?」
「地元のニュースをね…」
 音量を2つ上げる。
 県内の神社だ。巫女さんが御朱印の用意をしているのを、カメラが追いかけている。三箇日限定で、金字を走らせた半紙を配るのだ。御朱印帳に直に書くのではなく、貼るタイプになる。
 リポーターは年越しの高揚感を隠すことなく、着々と進む新年の準備を伝え始めた。
 他のチャンネルに変えても、活気づいた年の瀬の様子が映る。
「何が見てぇんだ?」
「お店でお客さんが話したの。また不審火だって。そのニュースがやってないかなって」
「不審火?例の幽霊騒動の?」
 私の隣に篁さんが立ち、篁さんの頭に黒が止まった。
「最近多いんですよ」
「知らなかった」
「この家は端っこにあるからなぁ。サイレンも聞こえねぇから、ニュースや新聞を見るか、噂話に聞き耳立てておかねぇと分かんねぇよな」
 黒の言う通りだ。
 よほど近場を緊急車両が通らなければ、サイレンの音は聞こえて来ない。風が強い日は尚更だ。
「放火か?」と、黒が私を見下ろす。
「不審火。放火だっていう決定的証拠がないみたい」
 どの番組もスポーツコーナーに入ったので、テレビを消した。
「今のところは小火ばかりなんだけど、3年前に連続放火があったから、みんなピリピリしてるのよ」
「マジか。こんな田舎で放火なんて信じらんねぇな。意外と治安悪いのか?」
「後にも先にも、大きな事件は3年前のそれだけよ」
 1人と1羽の心配そうな視線に、私は苦笑する。
 と、ピンポンとチャイムが鳴った。この時間帯に人が来るのは珍しい。
「はぁい」と玄関へ向かえば、見知った中肉中背のシルエットがすりガラス越しに分かった。1人は隣人の舛木さんだ。隣人と言っても、100メートルほど坂道を下った先になる。
 舛木さんの隣の背の高いシルエットは分からない。
「輝ちゃん。俺だぁ」
 少しハスキーな野太い声は間違いなく舛木さんだ。
 鍵を解錠し、からからと戸を開ける。
 こげ茶色のダウンジャケットに、マフラーをぐるぐる巻きにした舛木さんが、薄くなった頭髪を北風に煽られながら立っている。
「こんばんは。どうしたんですか?」
「冷えるねぇ」
 手を擦り合わせ、玄関に入って来た舛木さんの後ろに、見知らぬ男性が立っている。見た目は30代半ばか後半くらい。長身にツーブロックの強面ながらに、私と目が合うと「こんばんは」と丁寧に頭を下げてくれた。
「近藤製材所の倅の賢治くんだ」
 製材所は、集落から少し離れた山の中腹にある。小学生の頃は、夏になると製材所でカブトムシを採っていた。カブトムシは山の中より、処理待ちの大木や大鋸屑おがくずの中にいるのだ。成虫より、幼虫や蛹がいっぱいいた記憶がある。
 当然、見つかれば説教コースだったけど、ここら辺の子供たちはみんな製材所にお世話になっている。
「賢治くんは、今日からしばらく親父さんの代わりに、ピンチヒッターで来てくれたんだ」
「ピンチヒッター?」
「夜回りだよ。火の用心活動」
 舛木さんは言って、近藤さんと視線を交わすと渋面を作った。
「不審火が多発しているのは知ってるよな?」
「ニュースでちらっと見ました。噂も耳にしましたし…」
 回覧板が回って来る月初めには、まだ不審火は出ていなかった。12月25日から30日の火の用心活動についてのみ記されていた。
 私が不安そうな顔をしていたからか、舛木さんは困ったように眉尻を下げた。
「放火とは断定されてないが、俺たちは放火だと思ってる。ここんとこ多発しているのは、犯人が放火に慣れた・・・と見てる。まだ3年前みたいな大胆な行動には出てないが、それも時間の問題だろ」
「うちは製材所だから、乾燥した日に大鋸屑にでも火を点けられたお終いだ」
「そこに火が点いたら、風向き次第で村中に飛び火しかねない」
 2人はイライラと危機感を募らせている。
「3年前があるだけに…な。この地区でも警戒するに越したことないから、時間を延長して火の用心の警邏に出ることになったんだ」
 カフェのお客さんも、そんな話をしていた。
 夜通しで見回るのだと。
「私も出ますか?」
「いやいや。輝ちゃんには不審火が多発しているから注意して欲しいって言いに来ただけだ。警邏も、こっちまでは上って来ないから。忠司さんたちがいなくなって心細いだろうけど…」
「わざわざありがとうございます」
 頭を下げる。
 祖父母がいなくなっても、私がここで一人暮らしが出来ているのは、たくさんの人たちの支えがあるからだ。特に舛木さんは、何かある度に気に掛けてくれる。
「何が起こるか分からないから、バケツに水を汲んでおくといいよ」
 近藤さんが言う。
 強面ながらに、心底心配そうに眉宇を寄せている。
 村はずれの一軒家で、身内を亡くして一人暮らしという情報は得ているのだろう。初対面だけど、近藤さんの優しさが伝わる。
 ありがたいことだと思う。
「まぁ、輝ちゃん一人なら心配だったが、今は違うんだろ?」
 舛木さんがへの字に口を曲げる。
「噂なんてあてにならないから無視してたんだが…」
 舛木さんの目は三和土に揃えられた男性用のワーキングブーツと、私が履くには大きすぎる長靴を見ている。
 噂が真実だった証拠だ。
「下らない男なら追い出してやろうかと思ったが、畑仕事してるようだしな」
 土がこびり付いた長靴に、舛木さんは微妙な表情だ。
 一応、「従兄です」と言ってみたけど今更だ。近藤さんは「それは良かった」と頷き、舛木さんも「ヒモはヒモでも動けるヒモなら、いないよりマシだろ」と不承不承に頷く。
 やっぱり舛木さんの聞いた噂は、”輝ちゃんちにヒモ男がいる”というものだったらしい。
「輝ちゃんを泣かせたらタダじゃおかねぇぞ!」
 舛木さんは家の奥へと声を張り上げ、「火の用事しろよ」と帰って行った。
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