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21.新国王 フィリップ
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「こんなところで何をしてるんだ、青年」
草原で、寝転がっているフィリップの顔を、真上から見下ろす者があった。
「セザール」
セザールは、同じ部隊に所属する、歩兵だった。
セザールは、アルカンスィエルの出身の歩兵で、フィリップよりも四歳年上だった。
ひょろっと背が高く、焦げ茶色の髪と眼を持ち、話好きで、手先が器用な男だった。
フィリップの軍服は、もちろん真新しいものではなく、袖丈が若干長く、ボタンがひとつ外れていたのだが、それに気がついたセザールは、貸してみろよ、とフィリップから軍服を預かると、どこからか針と糸を持ち出して、ものの数十分で、それらを直してみせた。
フィリップは、貴族であり、士官学校の生徒でもあったが、自ら望んで最前線の歩兵として、戦いに参加していた。
フィリップは、士官学校の生徒であったことや、貴族であることは伏せていたし、歳若く、いわば部隊の新参者で、古参の兵士に顎で使われたとしても仕方のない立場だったが、面倒見のいいセザールは、人一倍真面目で素直なフィリップを何かと庇っては、気にかけてくれた。
「明日はアルカンスィエルだぞ。いよいよだ」
「そうだね」
「なんだよ、元気ないな」
「アルマンのことを、考えていたんだ」
アルマンは、一週間前の戦闘で亡くなった仲間だった。
セザールは、黙った。
そして、フィリップの側に腰を下ろした。
「あいつは、残念だった」
「朝、いや、数時間前に、話していた人が、当たり前のように亡くなる。何十人、何百人っていう人間が、あっと言う間に亡くなっていく。これが、戦争なんだって・・・」
「おまえ、実戦は初めてなんだな。最初は、ショックも大きい。でも、そのうち、慣れていく」
「そうかな」
「そんなもんさ。俺も、そうだった。俺の最初の戦いは、酷いものだった。敵も味方も、死体の山さ。仲間もたくさん死んだ。俺は、しばらく涙と吐き気が止まらなかった」
「セザール・・・」
「何故って、考えるのは馬鹿げてる」
「俺たちに、戦う意味なんてない。お偉方にはあるんだとしても。俺らは、目の前の敵を、ただ殺るだけだ。殺らなければ、殺られる」
「僕には、わからないな・・・」
セザールは、勇気付けるように、フィリップの肩を叩いた。
「情けない顔するなよ。わからなけりゃ、わからないでいいんだ。難しく考えるな。おまえ、女はいないのか?」
セザールは、にやっと笑って、尋ねてきた。
「いきなり、何?」
「女のためだと思えば、いいんだ。そうすりゃ、力が湧く。いいものを見せてやろうか?」
セザールは、軍服の内側のポケットに、手を入れ、折りたたんだ紙片を取り出した。
紙片を開くと、ふっくらとした頬の、愛らしい笑顔の若い女が描かれていた。
「セザールが書いたの?」
「ああ、中々うまいだろ?」
その絵は、うまく特徴をつかんでいるように見えた。
「俺の婚約者だ。ルイーズって言うんだ」
「へえ・・・」
「この戦闘が終わったら、グラディウスの奴らさえ追っ払ったら、俺は除隊する。除隊して、彼女と結婚する」
「それは・・・、おめでとう。本当に、おめでとう」
「彼女の家が、靴屋でね。親父さんが、中々、認めてくれなかったんだ。娘の婿には、後継ぎになる職人じゃないと、ってね。兵隊じゃ、命の保証はないし。だから、俺は、靴職人として、親父さんに弟子入りすることになったんだ。おかしいだろ?この歳で、靴屋に弟子入りなんて」
セザールは、可笑しそうに笑ったが、その顔は、希望に輝いていた。
「セザールなら、大丈夫さ。きっと、アルカンスィエルで、一番の靴職人になれるよ」
「そう思うか?」
「本当にそう思うよ。セザールが、靴職人になったら、きっと買いに行くよ」
「お前が客なら、とびきり上等なの作ってやる。支払いも、上等に頼むぜ」
「友達なら、安くしてくれるんじゃないの?」
「こいつ・・・」
セザールが、笑いながら、フィリップに飛びついた。
ふたりとも、声を立てて笑った。
その時、
「こんなところにいたのか。お偉い人がお呼びのようだぜ、フィリップ」
と、同じ部隊の者がフィリップを、探しに来た。
なんだろうと、考えてはみたものの、呼び出される理由について、一向に心当たりがなかった。
「調子はどうかね、デュヴィラール伯爵」
自身の天幕の中に、フィリップを呼び出したのは、サヴァティエ総司令官だった。
サヴァティエ総司令官の両端には、三十代半ばのふたりの息子、エルネストとジュリアンが立っていた。
司令官、将校たちの野営は、さすがに歩兵のフィリップたちに比べて、広さがあり、頑丈に作られてあったが、それでも、豪邸の暮らしに慣れた貴族にとっては、快適さからは、程遠いに違いないと、フィリップは思った。
「お気遣い、ありがとうございます、サヴァティエ総司令官殿。不自由なく、過ごせております」
敬礼の後、直立不動でフィリップは答えた。
「建前はいい、デュヴィラール伯爵。いや、フィリップ。望むなら、前線から戻してやる」
フィリップの瞳が一瞬揺らいだのを、サヴァティエ総司令官は、見逃さなかった。
髪こそ白かったが、六十八歳とは思えぬ、屈強な体躯の持ち主のサヴァティエ総司令官だった。
そして、そのくすんだ青い瞳には、軍人として、政治家としての老獪さも、潜んでいた。
「どうする、フィリップ?」
「正直・・・辛いです。さっきまで話していた仲間が、次々と無残に死んで行く。次は、自分かも知れない。そう思うと、眠れなくなるんです」
サヴァティエ総司令官は、黙って聞いていた。
「覚悟は、出来ているつもりでした。人の死を、これまで見たことないわけじゃない。士官学校で、落馬して、首の骨を折って死んだ友人もいます。ユースティティアを離れる前には、廃兵院で、傷病兵の手当てをしていました。もちろん、亡くなっていく人もいました。でも、それとは訳が違う」
「つまり?」
「前線では、大勢の者が無差別に、死ぬ。人としてではなく、まるで・・・、まるで、皆、もののように死んで行きます。人格も、人としての尊厳も否定されて、死んで行く。敵も味方も関係なく・・・」
「今更、何を言うんだね、デュヴィラール伯爵」
サヴァティエ総司令官とフィリップの会話に口を挟んで来たのは、サヴァティエ総司令官の長男エルネストだった。
「君は、卑しくも軍人の卵だろう。グラディウスの者どもを、蹴散らすのが仕事だ。くだらん感傷にひたるんじゃない」
「この戦に、負けるわけにはいかないんだ。負ければ、グラディウスの思うつぼだ。ユースティティアが滅亡するんだ。君は、そんなこともわからんのかね。そんな弱気で、明日の重大な決戦を、どう戦い抜くのだ」
エルネストの後に続いて、フィリップを非難したのは、弟のジュリアンだった。
エルネストやジュリアンの言っていることが、分からない訳では、なかった。
言われていることは、もっともだと思った。
フィリップ自身も、ユースティティアを取り戻すために、戦いに身を投じているのだから。
それでも、無数の死を目の当たりにして、何故と思わずにいられなかった。
この失われゆく尊い命と引き換えに得るものは、一体何なのだ?
そう考えずには、いられなかった。
「ふん、まあいい。では、明日から、エルネストにつけ。前線から戻してやる」
「いえ・・・、それは、結構です、総司令官殿」
フィリップは、サヴァティエ総司令官の申し出を、すぐさま断った。
「何?」
ぎょろりとした眼で、サヴァティエ総司令官は、フィリップを見上げた。
「誤解を招くような発言をして、申し訳ありませんでした。私は、前線から、退くつもりはないのです。辛くて、苦しいのは確かなのですが・・・、逃げるつもりはありません。仲間を見捨てて逃げることは、できません」
「君は、変わっている。真面目すぎるのか・・・、愚かなのか」
サヴァティエ総司令官の言葉に、思わずフィリップは笑った。
「友人が、教えてくれたのです。逃げてはいけないのだと。逃げれば、命は助かる。けれども、残るのは、命と後悔だけなのだと。その通りだと思います」
フィリップの脳裏に、髭面のハリーの顔が、甦った。
「残るのは、命と後悔・・・か」
「お気遣い、感謝いたします、総司令官殿」
そう言って、フィリップは、サヴァティエ総司令官に笑顔を向けてから、立ち去った。
「全く、デュヴィラール伯爵ときたら、父上のせっかくの配慮を、無下に断るとは、呆れたものだ。それに、あのように弱い心持ちを、恥ずかしげもなく話すとは、情けないにも程がある。軍人の風上にも置けない」
「まあ、兄上。デュヴィラール伯爵は、移り気で辛抱のない、ギョーム王の息子で、ユースティティアをこのような苦難に陥れた、ジャン王の弟ですぞ。しかもまだ、十七歳。最初から、期待などする方が、間違っている。父上も、あまり肩入れなさらない方が、身のためでございます。その分、我々が何倍もの働きを、お見せしますゆえ・・・」
その、二人の息子の声を、黙って聞いていた、サヴァティエ総司令官だった。
けれども、やがて、すっと、椅子から立ち上がり、
「半分は、ギョーム王の血が流れている。けれども、もう半分は、未だ誉れ高いギョーム王の公妾、ル・ヴォー子爵夫人モニク殿の一人息子だ。わしが見たところ、モニク殿の血が濃いようだ。それに・・・」
と、言葉を切って、
「少なくとも、思慮深く、勇敢であることは間違いないらしい」
そう呟いた。
草原で、寝転がっているフィリップの顔を、真上から見下ろす者があった。
「セザール」
セザールは、同じ部隊に所属する、歩兵だった。
セザールは、アルカンスィエルの出身の歩兵で、フィリップよりも四歳年上だった。
ひょろっと背が高く、焦げ茶色の髪と眼を持ち、話好きで、手先が器用な男だった。
フィリップの軍服は、もちろん真新しいものではなく、袖丈が若干長く、ボタンがひとつ外れていたのだが、それに気がついたセザールは、貸してみろよ、とフィリップから軍服を預かると、どこからか針と糸を持ち出して、ものの数十分で、それらを直してみせた。
フィリップは、貴族であり、士官学校の生徒でもあったが、自ら望んで最前線の歩兵として、戦いに参加していた。
フィリップは、士官学校の生徒であったことや、貴族であることは伏せていたし、歳若く、いわば部隊の新参者で、古参の兵士に顎で使われたとしても仕方のない立場だったが、面倒見のいいセザールは、人一倍真面目で素直なフィリップを何かと庇っては、気にかけてくれた。
「明日はアルカンスィエルだぞ。いよいよだ」
「そうだね」
「なんだよ、元気ないな」
「アルマンのことを、考えていたんだ」
アルマンは、一週間前の戦闘で亡くなった仲間だった。
セザールは、黙った。
そして、フィリップの側に腰を下ろした。
「あいつは、残念だった」
「朝、いや、数時間前に、話していた人が、当たり前のように亡くなる。何十人、何百人っていう人間が、あっと言う間に亡くなっていく。これが、戦争なんだって・・・」
「おまえ、実戦は初めてなんだな。最初は、ショックも大きい。でも、そのうち、慣れていく」
「そうかな」
「そんなもんさ。俺も、そうだった。俺の最初の戦いは、酷いものだった。敵も味方も、死体の山さ。仲間もたくさん死んだ。俺は、しばらく涙と吐き気が止まらなかった」
「セザール・・・」
「何故って、考えるのは馬鹿げてる」
「俺たちに、戦う意味なんてない。お偉方にはあるんだとしても。俺らは、目の前の敵を、ただ殺るだけだ。殺らなければ、殺られる」
「僕には、わからないな・・・」
セザールは、勇気付けるように、フィリップの肩を叩いた。
「情けない顔するなよ。わからなけりゃ、わからないでいいんだ。難しく考えるな。おまえ、女はいないのか?」
セザールは、にやっと笑って、尋ねてきた。
「いきなり、何?」
「女のためだと思えば、いいんだ。そうすりゃ、力が湧く。いいものを見せてやろうか?」
セザールは、軍服の内側のポケットに、手を入れ、折りたたんだ紙片を取り出した。
紙片を開くと、ふっくらとした頬の、愛らしい笑顔の若い女が描かれていた。
「セザールが書いたの?」
「ああ、中々うまいだろ?」
その絵は、うまく特徴をつかんでいるように見えた。
「俺の婚約者だ。ルイーズって言うんだ」
「へえ・・・」
「この戦闘が終わったら、グラディウスの奴らさえ追っ払ったら、俺は除隊する。除隊して、彼女と結婚する」
「それは・・・、おめでとう。本当に、おめでとう」
「彼女の家が、靴屋でね。親父さんが、中々、認めてくれなかったんだ。娘の婿には、後継ぎになる職人じゃないと、ってね。兵隊じゃ、命の保証はないし。だから、俺は、靴職人として、親父さんに弟子入りすることになったんだ。おかしいだろ?この歳で、靴屋に弟子入りなんて」
セザールは、可笑しそうに笑ったが、その顔は、希望に輝いていた。
「セザールなら、大丈夫さ。きっと、アルカンスィエルで、一番の靴職人になれるよ」
「そう思うか?」
「本当にそう思うよ。セザールが、靴職人になったら、きっと買いに行くよ」
「お前が客なら、とびきり上等なの作ってやる。支払いも、上等に頼むぜ」
「友達なら、安くしてくれるんじゃないの?」
「こいつ・・・」
セザールが、笑いながら、フィリップに飛びついた。
ふたりとも、声を立てて笑った。
その時、
「こんなところにいたのか。お偉い人がお呼びのようだぜ、フィリップ」
と、同じ部隊の者がフィリップを、探しに来た。
なんだろうと、考えてはみたものの、呼び出される理由について、一向に心当たりがなかった。
「調子はどうかね、デュヴィラール伯爵」
自身の天幕の中に、フィリップを呼び出したのは、サヴァティエ総司令官だった。
サヴァティエ総司令官の両端には、三十代半ばのふたりの息子、エルネストとジュリアンが立っていた。
司令官、将校たちの野営は、さすがに歩兵のフィリップたちに比べて、広さがあり、頑丈に作られてあったが、それでも、豪邸の暮らしに慣れた貴族にとっては、快適さからは、程遠いに違いないと、フィリップは思った。
「お気遣い、ありがとうございます、サヴァティエ総司令官殿。不自由なく、過ごせております」
敬礼の後、直立不動でフィリップは答えた。
「建前はいい、デュヴィラール伯爵。いや、フィリップ。望むなら、前線から戻してやる」
フィリップの瞳が一瞬揺らいだのを、サヴァティエ総司令官は、見逃さなかった。
髪こそ白かったが、六十八歳とは思えぬ、屈強な体躯の持ち主のサヴァティエ総司令官だった。
そして、そのくすんだ青い瞳には、軍人として、政治家としての老獪さも、潜んでいた。
「どうする、フィリップ?」
「正直・・・辛いです。さっきまで話していた仲間が、次々と無残に死んで行く。次は、自分かも知れない。そう思うと、眠れなくなるんです」
サヴァティエ総司令官は、黙って聞いていた。
「覚悟は、出来ているつもりでした。人の死を、これまで見たことないわけじゃない。士官学校で、落馬して、首の骨を折って死んだ友人もいます。ユースティティアを離れる前には、廃兵院で、傷病兵の手当てをしていました。もちろん、亡くなっていく人もいました。でも、それとは訳が違う」
「つまり?」
「前線では、大勢の者が無差別に、死ぬ。人としてではなく、まるで・・・、まるで、皆、もののように死んで行きます。人格も、人としての尊厳も否定されて、死んで行く。敵も味方も関係なく・・・」
「今更、何を言うんだね、デュヴィラール伯爵」
サヴァティエ総司令官とフィリップの会話に口を挟んで来たのは、サヴァティエ総司令官の長男エルネストだった。
「君は、卑しくも軍人の卵だろう。グラディウスの者どもを、蹴散らすのが仕事だ。くだらん感傷にひたるんじゃない」
「この戦に、負けるわけにはいかないんだ。負ければ、グラディウスの思うつぼだ。ユースティティアが滅亡するんだ。君は、そんなこともわからんのかね。そんな弱気で、明日の重大な決戦を、どう戦い抜くのだ」
エルネストの後に続いて、フィリップを非難したのは、弟のジュリアンだった。
エルネストやジュリアンの言っていることが、分からない訳では、なかった。
言われていることは、もっともだと思った。
フィリップ自身も、ユースティティアを取り戻すために、戦いに身を投じているのだから。
それでも、無数の死を目の当たりにして、何故と思わずにいられなかった。
この失われゆく尊い命と引き換えに得るものは、一体何なのだ?
そう考えずには、いられなかった。
「ふん、まあいい。では、明日から、エルネストにつけ。前線から戻してやる」
「いえ・・・、それは、結構です、総司令官殿」
フィリップは、サヴァティエ総司令官の申し出を、すぐさま断った。
「何?」
ぎょろりとした眼で、サヴァティエ総司令官は、フィリップを見上げた。
「誤解を招くような発言をして、申し訳ありませんでした。私は、前線から、退くつもりはないのです。辛くて、苦しいのは確かなのですが・・・、逃げるつもりはありません。仲間を見捨てて逃げることは、できません」
「君は、変わっている。真面目すぎるのか・・・、愚かなのか」
サヴァティエ総司令官の言葉に、思わずフィリップは笑った。
「友人が、教えてくれたのです。逃げてはいけないのだと。逃げれば、命は助かる。けれども、残るのは、命と後悔だけなのだと。その通りだと思います」
フィリップの脳裏に、髭面のハリーの顔が、甦った。
「残るのは、命と後悔・・・か」
「お気遣い、感謝いたします、総司令官殿」
そう言って、フィリップは、サヴァティエ総司令官に笑顔を向けてから、立ち去った。
「全く、デュヴィラール伯爵ときたら、父上のせっかくの配慮を、無下に断るとは、呆れたものだ。それに、あのように弱い心持ちを、恥ずかしげもなく話すとは、情けないにも程がある。軍人の風上にも置けない」
「まあ、兄上。デュヴィラール伯爵は、移り気で辛抱のない、ギョーム王の息子で、ユースティティアをこのような苦難に陥れた、ジャン王の弟ですぞ。しかもまだ、十七歳。最初から、期待などする方が、間違っている。父上も、あまり肩入れなさらない方が、身のためでございます。その分、我々が何倍もの働きを、お見せしますゆえ・・・」
その、二人の息子の声を、黙って聞いていた、サヴァティエ総司令官だった。
けれども、やがて、すっと、椅子から立ち上がり、
「半分は、ギョーム王の血が流れている。けれども、もう半分は、未だ誉れ高いギョーム王の公妾、ル・ヴォー子爵夫人モニク殿の一人息子だ。わしが見たところ、モニク殿の血が濃いようだ。それに・・・」
と、言葉を切って、
「少なくとも、思慮深く、勇敢であることは間違いないらしい」
そう呟いた。
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