ホワイトノクターン

海子

文字の大きさ
上 下
37 / 67
7.鈴蘭の祈り

しおりを挟む
 六月上旬のある夜、シャンデリアの輝く王宮の一室で、ニコルがハープの弦を弾く傍らのソファには、フィリップの姿があった。 
ニコルの奏でる、流れるようなハープの音色は、今夜も現実を遠ざけ、夢の世界へと誘うかのような時間を、生み出していた。
演奏を終えて、ニコルが弦から指を下ろし、フィリップの顔に視線を移しても、フィリップは、演奏が終わったことに気づいていない様子で、じっと、何かを考え込んでいた。 
「考え事が、おありなのですか?」
そのニコルの声で、フィリップは、はっと我に返った。 
「あ、ごめん・・・、ちょっと、気になることがあって・・・。本当に、ごめん。聞いていなかったわけじゃないんだ」
「私は、詰っているのではありませんわ、フィリップ様。何だか、思い詰めたようなお顔をなさっていたので、心配になりました」 
「それは、女官長として?恋人として?」 
フィリップは、ニコルの方へ腕を差し出した。
両方でございます、とニコルはフィリップの腕の中へ、迎え入れられ、込み上げる甘い感情に、眼を閉じた。 
「今夜は・・・、君とこうしていると、罪悪感に捕われるよ」 
「罪悪感?」 
思いがけないフィリップの言葉に、ニコルはフィリップの胸の中から、顔を上げた。 
「王都から国境へ、軍隊を派遣することが決まった。明日の午後、派遣される者の氏名の発表がある。彼らは、再来週には、国境に向かうことになる。現在、国境警備にあたっている連隊、旅団を主軸に、師団を編成し、体制を整える」
「それは、つまり・・・」 
「戦争になる可能性が、高くなってきた」 
「戦争・・・」
八年前、グラディウスとの戦闘で婚約者を戦争で失ったニコルには、その言葉が重く響いた。
「召集された者たちは、愛する家族を故郷に残し、国境へ赴く。そして、戦争が始まれば、大勢の若者が、命を落とすことになる。だけど、国を守るには、戦うしかない。自分たちの国は、自分たちで守るしかない。国土を侵略され、王都アルカンスィエルが敵の手に落ちるようなことは、二度とあってはいけない」 
「致し方ないことではございますが・・・、本当に、胸が痛みます」 
ニコルは、その美しい青い瞳を伏せた。 
素性を知られてはならないため、かつて、少佐であったオリヴァーという婚約者を、グラディウスとの戦いで亡くしたということを、ニコルは、フィリップに話してはいなかった。 
けれども、戦いが始まるかもしれないということを耳にすれば、帰って来なかった婚約者のことを、思い出さずにはいられなかった。
「君には、苦労をかけるね。近頃は、何かと慌ただしくて、君に迷惑をかけ通しだ」
「勿体ないお言葉でございます、フィリップ様。私は、迷惑だなどと思ったことはございません。こうして・・・、お傍で過ごせるだけで、幸せでございます」 
そう言いつつ、ニコルはフィリップの胸に頬を寄せた。 
「本当に・・・、君の言う通りだ」 
フィリップは、ニコルを抱く腕に、力を込めた。 
そうして、間もなく、愛する者たちを残して、戦地へと赴く者たちを思い、祈りの言葉を唱えた。



 翌朝の十時前、ヴィクトルはユースティティア陸軍アルカンスィエル練兵場内にある馬術訓練場にいた。
十時から始まる訓練のため、厩舎付近では、騎兵たちが各々手際よく、その準備に取り掛かっており、ヴィクトルもそのひとりだったが、馬を曳き、厩舎を出て、鐙に足を掛けて騎乗したところで、シャリエ大尉、と声がかかった。
「シャリエ大尉、ティボー大佐がお呼びです。すぐ騎兵科本部まで、来てください」
ヴィクトルに声をかけたのは、ティボー大佐からの使いだった。 
ユースティティア陸軍アルカンスィエル練兵場騎兵科に籍を置くティボー大佐は、実質的に、騎兵科を取り仕切る責任者だった。 
ヴィクトルに、呼び出される心当たりはなかったが、時期が時期だけに、国境関係の話だろうと、見当はついた。
ティボー大佐からの呼び出しを上官に報告し、ヴィクトルは、騎兵科本部の建物内にある、ティボー大佐の部屋へと赴いた。 
帽子を取り、ドアの外から名乗ると、すぐに、入れ、と返事があり、ヴィクトルは、身体を折る敬礼をして入室した後、ティボー大佐の言葉を待った。 
数々の実績と、英雄譚を持つ、百戦錬磨のティボー大佐は、 
「進級だ。おめでとう」 
まるで、世間話でもするかのような口調で、ヴィクトルにそう告げた。
予想しなかった事態に、ヴィクトルは、一瞬言葉に詰まり、そして、気を引き締めた。
「聞こえなかったか、シャリエ大尉?昨日の会議で、満場一致、少佐に進級が決まった。感想は?」
「国王陛下と祖国への忠誠を胸に、研鑽を積みます」 
「模範解答だな」 
ティボー大佐は、笑みを浮かべた。
「進級についての詳細は、午後、ビュラン少佐から、説明を受けろ」 
「分かりました」
「いや・・・、待て。午後からは、慌ただしくなるだろう。明朝、ビュラン少佐を訪ねるように。ビュラン少佐にも、そう伝えておく」
「午後に、何か?」 
ヴィクトルの把握する限り、午後に特別な予定は組まれていなかった。
ティボー大佐は、しばらくヴィクトルの顔をじっと眺めた後、まあ、いいだろう、と机の引き出しを開けて、名簿を取り出し、ヴィクトルに差し出した。
「国境へ派遣が決まった。午後二時に氏名を発表する。派遣は、再来週だ」
名簿には、再来週、ユースティティア陸軍アルカンスィエル練兵場から、国境へと派遣される騎兵の名前が、兵、下士官、士官、の順に連なっていた。 
名簿に眼を通すヴィクトルの傍で、秋だな、とティボー大佐が呟いた。
それはつまり、戦闘は、秋になるだろう、との見通しだった。
名簿は、アルファベット順に記載されており、ヴィクトルは、自分の名前の頭文字のページを繰った。
そこに自分の名前があることを、当然のごとく考えていた。
けれども、ヴィクトルの名前はなかった。 
「私の名前が、ありません」 
ヴィクトルは、事務方のミスだとさえ思った。 
「君は、もうしばらくここだ」 
「何故です?」 
「戦術上の判断だ。君には、後発部隊で指揮を取ってもらう」 
ティボー大佐のその言葉は、暗に、長引くということを示唆していた。 
分かりました、と、答え、名簿を返そうとした時、ヴィクトルの眼が、その名前の上で止まった。
「何だ?」
ティボー大佐の問いに、ヴィクトルは、いえ、と短く答え、何事もなかったかのように、そのまま名簿を閉じて返した。 
下がっていい、との言葉に、失礼しますと、退出した後、ヴィクトルは、歩き出した。 
次第に、その歩みは早くなり、すれ違う者が、思わず振り返るほどだった。 
ちょうど、騎兵科本部の建物を出たところで、ジュネ少佐に出くわした。
「ヴィクトル、そんなに慌ててどこに行くんだ?」 
「王宮です」 
「何?」
「ブルークレール宮殿です。国王陛下から、至急の呼び出しがありました」 
「国王陛下から?」
驚いた様子のジュネ少佐をそのままにして、ヴィクトルは、厩舎へと行き、王宮の、フィリップの元へと向かい、手綱を取った。 



 王宮の執務室で、提出された議案に眼を通していたフィリップの元へ、ゴダール侍従長が歩み寄って来たかと思うと、シャリエ大尉が参っています、と、告げた。
「ヴィクトルが?」 
フィリップは、書類から顔を上げた。
会う約束はなかった。
頭を巡らせてみても、親友の突然の来訪に、心当たりはなかった。
「何かあったのか?」 
案内されてきたヴィクトルを見て、侍従へ、飲み物の支度を命じかけたフィリップに、
「もてなしは結構だ。人払いを頼む」 
ヴィクトルは、早口で、そう告げた。 
何の前触れもなく、日中、突然訪ねて来たかと思うと、硬い表情を崩さず、人払いを頼むヴィクトルに、何か深刻な話があるのだと言うことは、フィリップにも想像がついた。
フィリップが人払いをし、侍従が部屋の扉を閉めて出て行くと、 
「報奨をもらいに来た」
立ったままで、ヴィクトルはすぐに、そう切り出した。 
「報奨?」
「以前、暗殺者の手から、お前を守った。あの時、お前がやると言った報奨だ」 
「・・・いいよ、それで?」 
「俺は進級が決まった。それに、今日、午後に発表される国境への派遣士官に、俺の名前がなかった。俺の進級を取り消して、国境への派遣士官に俺を入れろ」 
「それは・・・」
「代わりに、名簿に名前のある、マクシム・フランソワ・ド・ラ・ギーユを大尉に進級させて、近衛に入れろ。ラ・ギーユ中尉を王都に留めておいてくれ。それが、報奨だ」 
何故、まるで罰に等しいような報奨を望むのか。 
何故、自ら、死に近づくようなことを望むのか。 
その、ヴィクトルの行為を、理解できるものはなかった。
フィリップ以外には。
「ラ・ギーユ中尉を王都へ留めるのは、ミレーヌのためか?」 
フィリップの問いかけに、ヴィクトルは答えなかった。
だから、フィリップは、もう一度尋ねた。
「彼女を、愛しているのか?」 
「そうだ」 
「ヴィクトル・・・」
「俺は、ミレーヌを愛している」 
それは、深い想いの籠った、静かな声だった。 
「だが、最初から、俺の出る幕はない。彼女は、ラ・ギーユ中尉を慕い、その想いは実った。俺に出来ることは、彼女の幸せを、願うことだけだ」
「だから、ラ・ギーユ中尉を王都に留めて、その代わりに、君が国境に赴くのか?それは、筋が違うだろう。それは、君の望みかもしれないが、ラ・ギーユ中尉の希望じゃない。以前、僕は耳にしたことがある」



 名門貴族ラ・ギーユ家の嫡男マクシムには、大尉への昇進と、エリート集団とも言うべき、国王・王宮警護を担う近衛隊への着任を推す声が、早くから聞こえた。
父親が、現役の中将を勤めるマクシムが望めば、既に、その地位を得ることが出来ていたに違いなかった。
けれども、それらの声を聞き流して、マクシムは辺境任務を続けた。
それは、マクシムのプライドだった。 
家柄と、親の威光で、高い地位を与えられたと囁かれることを、マクシムは何よりも嫌った。 
いずれは、父の様にラ・ギーユ家という家柄に相応しい階級に、着くことになるのだとしても、然るべき実力と経験を積んでおきたいという、マクシムの意地だった。



 「自分のプライドのために、家庭を犠牲にするべきではない。生き残るべき者は、生き残って、家族を養い、幸せな家庭を築く役割がある」 
フィリップから、マクシムの持つ心意気を聞いたヴィクトルだったが、同調はしなかった。
「君自身が、その役割を担うつもりはないのか?」 
「軍人を志した時に、俺は、その役割を放棄した。軍人を志した時から、この命は国に捧げてある。俺は自分の亡き後、妻子を路頭に迷わせる気はない。俺は、今更、家庭を築き、家族を養うつもりもない」 
「君は・・・、本当にそれでいいのか?」
軍人としては、国に忠誠を誓い、その信念を貫き通す、見事な生き様だと思った。 
けれども、親友としては、頑なに、愛に背を向け続けて生きるその姿が、どうしようもなく哀しく映った。 
「本望だ」
「ヴィクトル・・・」
「俺は、与えられた人生を、騎兵として全うする。それが、俺のただひとつの望みだ」 
ヴィクトルの確固たるその信念を、覆すことは、誰にもできなかった。



 その日の午後二時に発表される予定だった、国境へ派遣される者の氏名は、都合により午後三時を過ぎて、ようやく発表された。
午後三時過ぎ、兵科ごとに別れた、兵、下士官、士官それぞれの待機場所で、国境派遣が正式に発表、そして、名簿が配布されたのだった。
名簿を手にした者には、傍らから、俺の名前はあるかと、問う者が絶えなかったが、騎兵科士官の待機場所も同様で、配布された名簿を手にした士官には、士官が群がり、配布された名簿に、自分の名前を見つけた者、見つからなかった者各々の胸に、様々な感情が過ぎり、互いに声をかけ合い、激励し合い、士気を上げる時間になった。 
その中には、マクシムの姿もあった。
混雑の合間を縫って、ちょっと失礼と、ようやく名簿を借りて、マクシムは、アルファベットを繰った。 
マクシムの名前の頭文字の欄に、マクシム・フランソワ・ド・ラ・ギーユという名前はなかった。
「ない・・・、か」 
マクシムは、士気を削がれたような、拍子抜けしたような、妙な気分になった。
ふと、視線を感じて顔を上げると、隅から、マクシムをじっと見つめる、二十歳くらいの若い男の姿があった。 
軍属の制服を身に着けたその男は、ビュラン少佐の指示で、派遣名簿を配布したことから、事務を担当する者と思われた。 
男はマクシムと視線が合うと、慌てて眼を逸らした。
最初は、気のせいかと思ったが、何気なく、もう一度その男へ視線を向けると、やはり急いで、視線を逸らした。
その若い男に、見覚えはなかった。
その視線を訝しく思いつつも、マクシムは、声をかけることはせず、そのまま士官の集う輪の中に、混じった。 

しおりを挟む
感想 2

あなたにおすすめの小説

父親が再婚したことで地獄の日々が始まってしまいましたが……ある日その状況は一変しました。

四季
恋愛
父親が再婚したことで地獄の日々が始まってしまいましたが……ある日その状況は一変しました。

サンタクロースが寝ている間にやってくる、本当の理由

フルーツパフェ
大衆娯楽
 クリスマスイブの聖夜、子供達が寝静まった頃。  トナカイに牽かせたそりと共に、サンタクロースは町中の子供達の家を訪れる。  いかなる家庭の子供も平等に、そしてプレゼントを無償で渡すこの老人はしかしなぜ、子供達が寝静まった頃に現れるのだろうか。  考えてみれば、サンタクロースが何者かを説明できる大人はどれだけいるだろう。  赤い服に白髭、トナカイのそり――知っていることと言えば、せいぜいその程度の外見的特徴だろう。  言い換えればそれに当てはまる存在は全て、サンタクロースということになる。  たとえ、その心の奥底に邪心を孕んでいたとしても。

小さなことから〜露出〜えみ〜

サイコロ
恋愛
私の露出… 毎日更新していこうと思います よろしくおねがいします 感想等お待ちしております 取り入れて欲しい内容なども 書いてくださいね よりみなさんにお近く 考えやすく

ちょっと大人な体験談はこちらです

神崎未緒里
恋愛
本当にあった!?かもしれない ちょっと大人な体験談です。 日常に突然訪れる刺激的な体験。 少し非日常を覗いてみませんか? あなたにもこんな瞬間が訪れるかもしれませんよ? ※本作品ではPixai.artで作成した生成AI画像ならびに  Pixabay並びにUnsplshのロイヤリティフリーの画像を使用しています。 ※不定期更新です。 ※文章中の人物名・地名・年代・建物名・商品名・設定などはすべて架空のものです。

極悪家庭教師の溺愛レッスン~悪魔な彼はお隣さん~

恵喜 どうこ
恋愛
「高校合格のお礼をくれない?」 そう言っておねだりしてきたのはお隣の家庭教師のお兄ちゃん。 私よりも10歳上のお兄ちゃんはずっと憧れの人だったんだけど、好きだという告白もないままに男女の関係に発展してしまった私は苦しくて、どうしようもなくて、彼の一挙手一投足にただ振り回されてしまっていた。 葵は私のことを本当はどう思ってるの? 私は葵のことをどう思ってるの? 意地悪なカテキョに翻弄されっぱなし。 こうなったら確かめなくちゃ! 葵の気持ちも、自分の気持ちも! だけど甘い誘惑が多すぎて―― ちょっぴりスパイスをきかせた大人の男と女子高生のラブストーリーです。

イケメン彼氏は年上消防士!鍛え上げられた体は、夜の体力まで別物!?

すずなり。
恋愛
私が働く食堂にやってくる消防士さんたち。 翔馬「俺、チャーハン。」 宏斗「俺もー。」 航平「俺、から揚げつけてー。」 優弥「俺はスープ付き。」 みんなガタイがよく、男前。 ひなた「はーいっ。ちょっと待ってくださいねーっ。」 慌ただしい昼時を過ぎると、私の仕事は終わる。 終わった後、私は行かなきゃいけないところがある。 ひなた「すみませーん、子供のお迎えにきましたー。」 保育園に迎えに行かなきゃいけない子、『太陽』。 私は子供と一緒に・・・暮らしてる。 ーーーーーーーーーーーーーーーー 翔馬「おいおい嘘だろ?」 宏斗「子供・・・いたんだ・・。」 航平「いくつん時の子だよ・・・・。」 優弥「マジか・・・。」 消防署で開かれたお祭りに連れて行った太陽。 太陽の存在を知った一人の消防士さんが・・・私に言った。 「俺は太陽がいてもいい。・・・太陽の『パパ』になる。」 「俺はひなたが好きだ。・・・絶対振り向かせるから覚悟しとけよ?」 ※お話に出てくる内容は、全て想像の世界です。現実世界とは何ら関係ありません。 ※感想やコメントは受け付けることができません。 メンタルが薄氷なもので・・・すみません。 言葉も足りませんが読んでいただけたら幸いです。 楽しんでいただけたら嬉しく思います。

【R18】純粋無垢なプリンセスは、婚礼した冷徹と噂される美麗国王に三日三晩の初夜で蕩かされるほど溺愛される

奏音 美都
恋愛
数々の困難を乗り越えて、ようやく誓約の儀を交わしたグレートブルタン国のプリンセスであるルチアとシュタート王国、国王のクロード。 けれど、それぞれの執務に追われ、誓約の儀から二ヶ月経っても夫婦の時間を過ごせずにいた。 そんなある日、ルチアの元にクロードから別邸への招待状が届けられる。そこで三日三晩の甘い蕩かされるような初夜を過ごしながら、クロードの過去を知ることになる。 2人の出会いを描いた作品はこちら 「純粋無垢なプリンセスを野盗から助け出したのは、冷徹と噂される美麗国王でした」https://www.alphapolis.co.jp/novel/702276663/443443630 2人の誓約の儀を描いた作品はこちら 「純粋無垢なプリンセスは、冷徹と噂される美麗国王と誓約の儀を結ぶ」 https://www.alphapolis.co.jp/novel/702276663/183445041

【完結】辺境伯令嬢は新聞で婚約破棄を知った

五色ひわ
恋愛
 辺境伯令嬢としてのんびり領地で暮らしてきたアメリアは、カフェで見せられた新聞で自身の婚約破棄を知った。真実を確かめるため、アメリアは3年ぶりに王都へと旅立った。 ※本編34話、番外編『皇太子殿下の苦悩』31+1話、おまけ4話

処理中です...