旦那様は私ではなく妹が好きなのですね。

藍川みいな

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アイリスの進化

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 アイリスは手のひらに集まった光を、一つ目巨人へと放った!!
 光は一つ目巨人の身体を覆い尽くし、光が消えた時には一つ目巨人の身体は跡形もなく消えていた。

 「はぁはぁ...やった...の?」

 力を使い、疲れ果てたアイリスはその場にへたり込む。

 「あんたやっぱりすげーな。」

 ギルはアイリスに手を差し出し、立たせる。
 
 「ギルが無事で本当によかった!」

 満面の笑みのアイリスを見て、ギルの心に何かが生まれた。

 「あ、当たり前だ。俺は強いからな!」

 照れていることを隠すようにそう言いながら、アイリスの手を離した。

 「また襲われたら困るから、馬車に戻るぞ。」

 なんだか少し、いつもと違うギルに戸惑いながら、ギルの後について馬車へと戻った。
 荷台に乗り、横になる。

 ...近い。
 この状況で眠れる自信がない。

 食料が多く積まれているため、否が応でも距離が近くなる。

 眠れそうにないのは、ギルも同じだった。
  
 そして朝が来た...

 「......」「.........」

 寝不足の2人は、目の下にクマが出来ていた。

 この状況が10日も続くなんて...身体が持たない!

 そう思っていたが、次の日は2人ともあまりの寝不足で、爆睡したのだった。

 町を出てから5日経った頃、

 「ギル...何かいます!」

 「魔物か?!」

 「沢山の魔物と......この感じは、人間も何人かいるようです!」

 アイリスとギルは、急いでその場所に向かった!
 
 「...くっ!」

 そこへ行くと、巨大蟻の魔物に襲われている商人達がいた!
 ギルは魔物に勢いよく斬りかかる!

 ズバッッッ!!!

 「あ、あなたは?!」

 商人達は驚き戸惑っている。
 ギル1人では数が多すぎる...。
 アイリスは魔力を両手へと集中した。
 右手には光の弓が、左手には光の矢が現れた!
 アイリスは光の矢を巨大蟻へと放った!
 矢に当たった巨大蟻は、光に包まれ消滅していく。

 「あんた、どんどん進化してくな!」

 ギルも他の巨大蟻を次々倒して行く。

 「思い描いた形に出来るみたいなんです!だから、早く撃てる弓矢にしました!」

 アイリスも次々と矢を放ち、巨大蟻を倒し続けた。

 「これで終わりです!」

 アイリスは最後の一匹に、弓矢を放った!
 光に包まれ、巨大蟻は全滅した。

 「はぁはぁ...何とか全部倒せたな。あんたら、無事か?」

 商人達は深々と頭を下げた!

 「ありがとうございました!助かりました!」

 「...アイリスお嬢様。」

 商人のひとりが、アイリスへと近づいた。

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