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カールソン王子が現れました。
しおりを挟む城の中に入ると、たくさんの執事やメイド達が出迎えてくれた。アーロン王子に連れられ、謁見の間へと向かう。
謁見の間ではアーロン王子の父、ギルダーツ王が待っていた。
「リローナ、よく来てくれた。そなたの事は、兵士達から聞いておる。アーロンの笑顔が見られるようになったのも、そなたのおかげだ。」
「いいえ、アーロン王子に救われたのは私の方です。この国の温かい人達にも救われました。」
「リローナ…」
アーロン王子はリローナの顔をじっと見つめた。
「わはははは!こんな息子の顔を見るのは初めてだ。」
ギルダーツ王は玉座から立ち上がり、リローナの前まで歩み寄り、リローナの手を握って涙ぐんだ。
「リローナよ、息子を…アーロンを頼んだぞ。」
ギルダーツ王は、母を失ったアーロンがずっと心配だった。大好きだった母を失い塞ぎ込むアーロンを見ているのがつらかった。そんなアーロンを笑顔に変えてくれたリローナにずっと会いたいと思っていた。
「王様…こんな私を受け入れてくれてありがとうございます。誠心誠意、アーロン王子とこの国の為に尽くしたいと思います。」
「父上…そろそろ手を離してください!」
アーロン王子は不機嫌そうな顔で、リローナの手を握っていたギルダーツ王の手を離した。
「まさかお前…ヤキモチを妬いているのか?全く、我が子ながら心が狭いな。」
「たとえ父上であっても、リローナに触れることは許しません!」
「わかったわかった。もう下がりなさい。」
ギルダーツ王は、呆れ顔で玉座に戻って行った。
アーロン王子とリローナの結婚式は、一ヶ月後のアーロンの誕生日に決まった。
「リローナ様。お客様がお見えになっております。」
リローナ付きになったメイドのシャルが、起きたばかりのリローナに告げた。
「こんな朝早くにお客様?応接室にお通ししてください。」
「そうするつもりだったのですが…」
シャルの返答は歯切れが悪い…。
「迎えに来たぞ、リローナ!!」
無造作に部屋の扉が開かれた!
「え…!?カールソン王子!?」
カールソン王子はリローナの部屋にずかずかと入ってくる。
「リローナ、なんて美しいんだ!やっぱり私の婚約者はお前だけだ!」
リローナがカールソン王子に呆れ果てて何も言えずにいると、
「リローナは私の婚約者ですが、何かご用でも?」
部屋の入口には、アーロン王子が立っていた。
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