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気づいてしまいました。
しおりを挟む「リローナは、エヴァンの孫じゃないだろー!!」
アーロン王子は片膝を着いたまま、エヴァンを睨みつけた。
「王子様の愛は証明されました。ですがまだ、問題が残っております。リローナの気持ちを考え、祖父のわしがお止めしたまでです。」
真面目な顔で祖父と言い切るエヴァンに、つっこむ事をやめ、立ち上がるアーロン王子。
エヴァンは女神と人間が結ばれるということが、どういう事になるかを考えていた。
アーロンは第一王子である為、いずれこの国の国王となる。
アーロン王子と結婚するという事は、リローナは王妃になるということ。
生まれてくる子は半神になる…その子が王になったら?
強すぎる王が国を治めれば、他国とのバランスが崩れる事になる。
他国同士が協力して、この国を攻めて来る事になるかもしれない。
当人同士だけで決められる結婚ではない…。
「王子様、リローナは元の姿に戻ったばかりです。少し休ませてあげましょう。」
「…分かった。」
エヴァンの真剣な面持ちに、アーロン王子はエヴァンの言うことに従うことにした。
「リローナ、色々な事を一気に聞いて、今は頭を整理するのも大変だろう。今日はゆっくり休んで、これからの事は明日話そう。」
「…はい。」
アーロン王子はリローナがベッドへと横になる所を見届け、エヴァンと共に部屋を出た。
リローナの部屋を後にし、ダイニングの椅子に座り、アーロン王子は静かに話し始めた。
「エヴァンが心配している事はわかっている。だが、リローナでなくてはダメなんだ…。」
アーロン王子は、エヴァンの考えていた事を全て分かっていた。
「王子様の気持ちは分かっております。リローナは本当にいい子です。わしは幼い頃から王子様を見てきました…2人を祝福して差し上げたいと心から思っております…。」
アーロン王子とエヴァンが、部屋を出ていった後、リローナはシモンの話を振り返っていた。
『アリア様の名も、アリア様の歳も魔王には知られている。だから、フラン公爵家にいるのは危険と判断し、呪いの話をしました。』
あれはヒダリヤの壊滅と、何か関係があるのかもしれない…
リローナはベッドから起き上がり、2人に気づかれぬよう、窓から抜け出した。
もしもヒダリヤが襲われたのが、私のせいだとしたら?
もしかしてあの時会った魔人が…?
最悪な考えが、頭の中に浮かび上がってくる。
私のせいで入れ替わったアリアが…
確かめなくちゃ!
そう思ったリローナは、ヒダリヤへと走り出していた。
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