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これから
しおりを挟むレイチェルは実家に戻り、父ブース伯爵に全てを話した。ブース伯爵は激怒し、借金だけでなく、援助してきた全てのお金の返済を求めた。
その事にセイバンは素直に従い、邸を売り払い、残った借金を一生かけて返していくつもりのようだ。
何もかも失ったセイバン様は、仕事を見つけ働いているとミランダから聞いた。
「おい!そこを片付けといてくれ!」
「はい!すぐ片付けます!」
セイバンは食堂で働いていた。
「借金を返して、お金を沢山稼いで、いつかレイチェルを迎えに行く!」
「おい!喋ってないで手を動かせ!」
「すみません!今やります!」
セイバンは、レイチェルの笑顔に一瞬で惚れてしまっていた。……どんなに頑張ったところで、レイチェルが振り向いてくれることはないだろう。
マリアナの子は、あのオドオドしていたシューベントがひきとり育てている。シューベントにも他の浮気相手にもセイバンにも捨てられたマリアナは、子育てを放棄し行方をくらませたからだ。
四人の男を騙し金銭を騙し取り、子を捨てた悪女。
この辺境の地にも、マリアナの噂が広まっていた。噂を流したのは、あの男爵令息の仕業だろう。きっともう、マリアナはこの国で暮らすことは出来ない。
あれから毎日のように、キーファ様が会いに来てくださっている。
「キーファ様、気を使ってくださって嬉しいですが、私とばかり会っていたら変な噂がたってしまいますよ?」
「幼なじみと会って、何が悪いんだ?」
「キーファ様はいつも、私の顔を見てお話してくださいますよね。キーファ様と結婚すればよかったな!なんて……」
その言葉にキーファの顔が真っ赤になった!
「え……!?冗談なのに、そんなお顔されたらどうしていいか分からなくなります……。」
「し、仕方ないだろ!?そんな事を急に言われたら、誰だって照れる!」
「……照れているのですか?」
二人の恋はここから始まりそうな予感……!?
END
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