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マリアナ
しおりを挟む用が済んだら帰れると思ったのか、べらべらと話し出した。
「マリアナとは王都に出て来てすぐに出会った。ここでは知り合いもなく、不安だった所にマリアナが声をかけてきたんだ。」
「ちょっと!何あんたべらべら喋ってんのよ!!」
「お前のせいでこんな事になってんだろ!!お前は俺の金ヅルでしかなかったんだよ!俺はお前を金で抱いてやってたんだ!!」
モラウは最初から、お金をくれるからマリアナと付き合って来た。
私のお父様の援助金がセイバン様からマリアナに、そしてモラウに流れていたなんて……。
「モラウ様、お帰りになって頂いて結構です。ご案内致します。」
ミランダは淡々とした口調でモラウを送り出す。
「よっしゃ!あ、それと子供の事だけど……」
「黙りなさいよ!さっさと出てけッ!!」
マリアナは凄い剣幕で怒り出した!
「続けてください。セイバン様も聞きたいですよね?」
「あ……ああ……。そうだな。聞かせてくれ。」
ここまで来たら、セイバンも全てを知りたかった。
「やめてー!!」
マリアナは叫んだ……が、
「その子供は侯爵様の子じゃねーよ。なあ、使用人君。」
「「「 !!? 」」」
その場にいたマリアナ以外の全員が、シューベントを見る!
「じゃ、俺は失礼します。」
モラウは大きな爆弾を落として帰って行った。
「シューベントさん、どういう事ですか?」
「ぼぼぼ……ぼくは……」
「君の子なのか?」
セイバンは少しだけ怒りの滲んだ声で、シューベントに尋ねた。
「ぼぼぼ……ぼく……」
「男だろ!ハッキリしろ!」
バンッ!!
キーファはシューベントの尻を叩いた!
「ぼ、ぼくの子ですぅ!!」
やっぱり……
「マリアナ……どういう事だ?」
「セイバン様信じて!あの子は私たちの子よ!!」
マリアナは認めるわけにはいかなかった。認めてしまったら全て失う。
既に浮気相手の二人を失って、なりふりかまってなどいられなかった。
「セイバン様を愛しています。私にはセイバン様しかいません!」
涙を流しながら、セイバンの目をじっと見る……。
何も知らなかったら、私でも騙されてしまいそうなくらいの演技力。みんなこの演技に引っかかったんだろうな。
「マリアナさん、迫真の演技をされてるのにごめんなさい。残念ながらあなたが嘘を言ってることは、証明出来るの。だって、セイバン様は子供を作れない身体なんですもの。」
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