〖完結〗不幸な令嬢と中身が入れかわった私は、イキナリ婚約破棄されました。あなたになんか興味ありませんよ?

藍川みいな

文字の大きさ
上 下
10 / 16

学園生活

しおりを挟む

 トロイが暴露した事は瞬く間に貴族の間に広まっていった。シンディは学園に通う事も出来なくなり、部屋から出なくなった。

 「シンディ、出て来てちょうだい。一緒に食事をしましょう。」

 両親は相変わらずシンディを可愛がっているけど、シンディはもうまともな貴族には嫁げなくなった。

 「エルザ、何をしているんだ? まさか、学園に行くつもりか!? シンディが酷い目にあったというのに、お前は心配じゃないのか!?」

 あんた達は、エルザがシンディに酷い目に合わされたのに心配したの? 私にとっても、エルザにとってもあんた達なんか家族なんかじゃない!

 「大切に育てた愛するシンディが、尻軽だって知った気分はどう? 私はあんた達を家族だなんて思ってないわ。あんた達が私を家族だと思ってないのと一緒。私の事は放っておいて!」

 「何だと!? エルザ! 待ちなさい!」

 呼び止める父親を無視して学園へと向かう。
 試験の結果が出たら、あんな所出てってやる!
 シンディとトロイは自滅して、両親は恥をかいた挙句に他の貴族達から距離を置かれた。
 シンディは私が自分より幸せなのが許せなかったんだから、私の成績を見てショックを受ければいい。
 そしたらもう、あの家族とはお別れ!

 学園に着くと、また人集りが出来ていた。あの中にシンディはいないから、少しだけ気が楽。

 「おはよう、エルザ。」

 「おはようございます。あの、もう待たないでください。」

 「それは無理だよ。俺に惚れさせなきゃいけないからね。……なんて、ただ君に会いたいだけなんだけど。」

 臭いセリフ。だけどなんだか、嫌な気はしない。
 でも、明日からは学園には来ない。
 私はエルザの復讐のために、この学園に通っていただけだから、目的が達成されたら来る必要はない。これが終わったら、私は私の人生を生きるから。

 「教室に行きましょう。」

 カインに会うのもこれが最後だから、少しだけ優しくしてあげる。

 「素直なエルザも可愛い。」

 素直って何?
 自分で言うのもなんだけど、趣味悪くない?

 「私はいつも可愛いわ。」

 嫌いになってくれたら楽なのに。
 
 「そうだね。君は何をしても可愛い。」

 溺愛ですね……
 周りの女の子達が羨ましそうに私を見てる。
 シンディの件があったから、私を悪く言う人は誰もいなくなった。だからこの学園も、少し居心地が良くなってたけど、あの両親がお金を払ってくれてるから通えてる学園には、もういられない。
 
 「はいはい、ありがとうございます。遅刻しますよ。」

 
しおりを挟む
感想 28

あなたにおすすめの小説

【完結】婚約破棄される未来見えてるので最初から婚約しないルートを選びます

21時完結
恋愛
レイリーナ・フォン・アーデルバルトは、美しく品格高い公爵令嬢。しかし、彼女はこの世界が乙女ゲームの世界であり、自分がその悪役令嬢であることを知っている。ある日、夢で見た記憶が現実となり、レイリーナとしての人生が始まる。彼女の使命は、悲惨な結末を避けて幸せを掴むこと。 エドウィン王子との婚約を避けるため、レイリーナは彼との接触を避けようとするが、彼の深い愛情に次第に心を開いていく。エドウィン王子から婚約を申し込まれるも、レイリーナは即答を避け、未来を築くために時間を求める。 悪役令嬢としての運命を変えるため、レイリーナはエドウィンとの関係を慎重に築きながら、新しい道を模索する。運命を超えて真実の愛を掴むため、彼女は一人の女性として成長し、幸せな未来を目指して歩み続ける。

精霊に愛されし侯爵令嬢が、王太子殿下と婚約解消に至るまで〜私の婚約者には想い人がいた〜

水都 ミナト
恋愛
精霊王を信仰する王国で、マナの扱いに長けた侯爵家の娘・ナターシャ。彼女は五歳でレイモンド王太子殿下の婚約者に抜擢された。 だが、レイモンドはアイシャ公爵令嬢と想い合っていた。アイシャはマナの扱いが苦手で王族の婚約者としては相応しくないとされており、叶わない恋であった。 とある事件をきっかけに、ナターシャは二人にある提案を持ち掛けるーーー これはレイモンドとアイシャ、そしてナターシャがそれぞれの幸せを掴むまでのお話。 ※1万字程度のお話です。 ※他サイトでも投稿しております。

もう私、好きなようにさせていただきますね? 〜とりあえず、元婚約者はコテンパン〜

野菜ばたけ@既刊5冊📚好評発売中!
ファンタジー
「婚約破棄ですね、はいどうぞ」 婚約者から、婚約破棄を言い渡されたので、そういう対応を致しました。 もう面倒だし、食い下がる事も辞めたのですが、まぁ家族が許してくれたから全ては大団円ですね。 ……え? いまさら何ですか? 殿下。 そんな虫のいいお話に、まさか私が「はい分かりました」と頷くとは思っていませんよね? もう私の、使い潰されるだけの生活からは解放されたのです。 だって私はもう貴方の婚約者ではありませんから。 これはそうやって、自らが得た自由の為に戦う令嬢の物語。 ※本作はそれぞれ違うタイプのざまぁをお届けする、『野菜の夏休みざまぁ』作品、4作の内の1作です。    他作品は検索画面で『野菜の夏休みざまぁ』と打つとヒット致します。

婚約破棄をされるのですね、そのお相手は誰ですの?

恋愛
フリュー王国で公爵の地位を授かるノースン家の次女であるハルメノア・ノースン公爵令嬢が開いていた茶会に乗り込み突如婚約破棄を申し出たフリュー王国第二王子エザーノ・フリューに戸惑うハルメノア公爵令嬢 この婚約破棄はどうなる? ザッ思いつき作品 恋愛要素は薄めです、ごめんなさい。

【完結】婚約を解消して進路変更を希望いたします

宇水涼麻
ファンタジー
三ヶ月後に卒業を迎える学園の食堂では卒業後の進路についての話題がそここで繰り広げられている。 しかし、一つのテーブルそんなものは関係ないとばかりに四人の生徒が戯れていた。 そこへ美しく気品ある三人の女子生徒が近付いた。 彼女たちの卒業後の進路はどうなるのだろうか? 中世ヨーロッパ風のお話です。 HOTにランクインしました。ありがとうございます! ファンタジーの週間人気部門で1位になりました。みなさまのおかげです! ありがとうございます!

婚約破棄されましたが、私はあなたの婚約者じゃありませんよ?

柴野
恋愛
「シャルロット・アンディース公爵令嬢!!! 今ここでお前との婚約を破棄するッ!」  ある日のこと、学園の新入生歓迎パーティーで婚約破棄を突きつけられた公爵令嬢シャルロット。でも……。 「私はあなたの婚約者じゃありませんよ? どなたかとお間違いなのでは? ――そこにいる女性があなたの婚約者だと思うのですが」 「え!?」 ※ざまぁ100%です。 ※小説家になろう、カクヨムに重複投稿しています。

[完結]君に好きだと伝えたい〜婚約破棄?そうですか、貴方に愛を返せない私のせいですね〜

日向はび
恋愛
表情は動かず、愛の言葉は囁けない。そんな呪いをかけられた伯爵令嬢の元に愛する人から婚約破棄の手紙がとどく。さらに彼は腹違いの妹と恋をしているという。絶望しながらも、全ては自分の責任と別れを決意した令嬢は愛するひとに別れを告げるために彼の家へ訪れる。そこで煌めくナイフの切っ先を目にした彼女は、愛する人を守るためその身をナイフの前に曝け出すのだった。

伯爵様は、私と婚約破棄して妹と添い遂げたいそうです。――どうぞお好きに。ああ、後悔は今更、もう遅いですよ?

銀灰
恋愛
婚約者の伯爵ダニエルは、私と婚約破棄し、下心の見え透いた愛嬌を振り撒く私の妹と添い遂げたいそうです。 どうぞ、お好きに。 ――その結果は……?

処理中です...