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初めての登校
しおりを挟む「ここが、王立学園か……」
お城みたいに豪華な学園。さすが、貴族の令息や令嬢が通う学園だけあるね。
「ねえ、あの方……ロバートソン伯爵のご令嬢よね?」
「歳が上だけど、1年生みたいよ。」
「妹のシンディ様と違って、出来が悪いらしいわ。」
早速、うわさの的になってるし……
こういうとこは、どこの世界も同じなのね。
教室に入り、席に着く。
この学園は、どの席に座ってもいいらしいから、とりあえず後ろの席に座った。
教室でもコソコソと噂されてるけど、気にしない。私は勉強をする為に、この学園に入った。
出来が悪いなんて、もう言わせない。
それに、エルザは出来が悪くなんかなかった。エルザの部屋には沢山の本があって、出来が悪い人間が理解出来るような本じゃない。
エルザの体……頭の中に、沢山の知識があったから、全く知らない文字を私にも簡単に読む事が出来た。出来が悪いんじゃなく、両親がエルザを見ようともしなかっただけ。
今日の授業が終わった。
正直な感想……めちゃくちゃ簡単だった。
来週、試験があるらしいから、そこで良い成績をとって、両親とシンディをびっくりさせよう。
試験の内容は全学年同じで、その試験の結果がこの学園での順位になる。何だか楽しくなって来た!
さて、帰ろうかな。
そう思って教室を出ると、
「トロイ様ったら、ふふふっ」
「シンディがあまりに綺麗だから。」
堂々とイチャつく、元婚約者のトロイとシンディが廊下にいた。
「あら、お姉様。今帰り?」
シンディの教室は、ここからだいぶ離れてるし、学年が違うトロイの教室も遠いはず。
シンディはわざわざ私に、トロイとイチャイチャしてる所を見せたかったのね。
「あなたはここで何をしているの? せっかく私が黙っていてあげてるのに、もう少し時間を置かないと、はしたないってみんなにバレるわよ。」
最初からエルザのものが欲しかっただけのシンディが、我慢出来るはずないよね。
私を傷つけるために、私に自慢するために、わざとここでイチャイチャしてたんだろうし。
「お姉様に魅力がなかったから、トロイ様は私を選んだのよ。はしたないなんて、誰も思わないわ。」
思わない人はおかしい。
まあ、この世界はおかしい人だらけだけどね。
「魅力があってよかったわね。じゃ、私帰るわ。」
何の興味もない元婚約者が、シンディと何をしようが私には関係ないし興味もない。
「ちょっと待ちなさいよ! 平気なフリしたって無駄よ! お姉様がトロイ様を慕ってたの知ってるんだから!!」
でしょうね。だから、トロイを奪ったんでしょ。
でも見当違いなのよ。今はエルザだけどエルザじゃないんだから。
「あら残念。私はトロイ様に何の興味もないわ。
トロイ様、わがままでどうしようもない妹だけど、よろしくお願いします。」
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