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決着

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 シオン様とオルフェ様は、部屋のベランダに隠れて見張ってくれています。
 カレンがいつ現れてもいいように、私はベッドに横たわり目をつぶる。

 心臓がバクバクいってる。
 本当は、危ないからとシオン様に止められてしまいました。でも私は、決着をつけなければ前に進めないと思いました。
 本当に毒を飲んで、カレンに殺されかけたという事も出来たけど、それは同時にルチアも共犯にしてしまう。
こうするしかないのだと、懸命にお願いして分かって頂きました。
 こんなに無防備で待ってるのに、全然怖くない。やり直した事で、信頼して身を任せられる人が、こんなにもたくさん出来た。
 今の私は、本当に幸せです。

 カチャ……

 そんな事を考えていると、ドアの開く音が聞こえて来た。ノックもせずに静かに入って来たのだから、カレンで間違いない。

 カレンがベッドのそばまで来たのを感じます。
 すると、カレンはペラペラと話し出しました。

 「お姉様、お可哀想。私の愛する人を奪った報いね。ねえ、知ってる? お父様達が、お姉様を嫌ってる理由。幼い頃からお姉様に虐められ、お姉様は私のものを何でも奪うの……そう私が毎日言ってきたから。そうとも知らずに、私を可愛がるお姉様を見てるとおかしかったわ。ふふふっ。
 お姉様さえいなければ、私はこんな風にはなっていない。これでも最初はお姉様に、憧れていたのよ。成績優秀で美人で気立てが良くて……私とは全く違うお姉様が、だんだん憎くなっていった。だから、お姉様のもの全てを奪いたくなった。でも気付いたの。お姉様がいたら、私はずっとお姉様を追いかけているだけだって。だから……死んで?」

 カレンはナイフを取り出し、ナイフを持つ手を大きく振り上げた!!

 「そこまでだ!!」

 シオン様とオルフェ様が部屋へと突入し、カレンを取りおさえようとする!

 「な、なんなのよこれは!?」

 カレンは何がなんだか分からず、ナイフを振り回し暴れる。

 「もう終わりよ、カレン。諦めて!」

 意識不明だと思っていたサンドラが起き上がった事で、カレンは全てを理解したようだ。

 「……騙したのね!! 諦める? 冗談じゃないわ! 皆殺してやる!」

 ナイフを振り上げ、ベッドから起き上がったサンドラへと向かって走り出した!
 サンドラをシオンが抱きしめる……

 グサッ!!!

 ポタ……ポタポタっ……

 「ルチアーーーーーーーーーッ!!!」



 
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