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カレンが大切な両親
しおりを挟む「お父様……どうされたのですか?」
いつお帰りになっていたのでしょう?
カレンが婚約を破棄された時は、まだ会場にいたはずなのですが……
「カレンを陥れたそうだな!?」
カレンがお父様に泣きついたのですね。
先に帰って私を叱るように、仕向けたようです。
「私は何もしていません。」
「嘘をつくな! アンドレをカレンに譲り、お前はリュード公爵の婚約者になったそうではないか! 最初から、いらなくなったアンドレをカレンに押し付けるつもりだったんだな!」
どうしてそんな事を、仰るのでしょう?
お父様も、カレンがアンドレ様を欲しがった事を知っているはずなのに……
他は変えることが出来たのに、両親だけは変わりませんでした。そんなに私は、嫌われていたのでしょうか。
「お忘れですか? カレンがアンドレ様を好きだと、はっきり言っていたではないですか。」
「そのアンドレに婚約破棄をされたのに、お前には新しい婚約者か!? リュード公爵を、カレンに譲れ!」
「私はお父様の娘ではないのですか!? どうしてカレンばかり、可愛がるの!?」
「バカな子ね。カレンが可愛いからに、決まっているじゃない。私もお父様も、サンドラなどいらなかった。あんたの顔、陰気臭いのよね。」
それなら、最初から私など生まなければよかったのに……
そうしたら、あんなに辛い思いをしなくてすんだ。
「随分、酷いですね。」
「リュード公爵!? なぜ、ここに!?」
お帰りになったはずじゃ?
リュード公爵は、サンドラの肩を抱き寄せた。
「婚約をしたのだから、ご両親に挨拶をと思い戻って来たのですが……まさか、私の婚約者がご両親にここまで侮辱されているとは、思ってもみませんでした。」
サンドラと一緒にいたリュード公爵を見ていたため、門番はすんなり通していた。
「サンドラは私達の子よ。どんな風に扱ったって、かまわないでしょう?」
「よさないか!
妻が申し訳ありません!」
「先程、私をカレン嬢に譲れと言っていましたね。悪いが、カレン嬢に全く興味はない。
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「すぐに……ですか?」
「こんな所に、サンドラを置いてはおけない。私の邸に、連れて行きます。よろしいですね?」
「……はい。」
「あなた!?」
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リュード公爵は、結婚の同意書にサインをさせ、
「行こう、サンドラ!」
サンドラの手を取り、バーク侯爵邸を出て馬車にもう一度乗り込んだ。
「勝手な事をして、すまなかった。」
馬車は静かに走り出す。
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