〖完結〗冤罪で断罪された侯爵令嬢は、やり直しを希望します。

藍川みいな

文字の大きさ
上 下
4 / 14

婚約者!?

しおりを挟む

 えっと……何でそうなるのでしょう?

 「リュード公爵は、冗談がお好きなんですね。」

 「冗談でこんな事を言うほど、非常識ではありませんよ。私はサンドラ嬢が、気になったから会いに来ました。話してみて、あなたと結婚したいと思ったのです。真剣に考えてみていただけませんか?」

 全くわけが分かりません。
 やり直す前は、リュード公爵とお話した事すらありませんでした。
 ですが、リュード公爵はカレンの想い人。復讐するなら迷わず婚約ですね。

 「私で良かったら、よろしくお願いします。」

 その様子を、カレンはずっと見ていた。
 自分が狙っていたリュードが、まさか姉のサンドラを選ぶとは思ってもみなかった。

 「許せない……」

 小さくそう呟いた。
 
 そして……

 「本日は、グレンダー侯爵家主催のパーティーへとお越しいただき、ありがとうございます。皆様に発表したい事があります。」

 アンドレ様が壇上へと上がり、挨拶をした後、本題に入りました。

 「私は、サンドラと幼い頃から仲が良く、婚約をしていました。ですが、サンドラの妹、カレンによって、私達の婚約を邪魔された。カレンとの婚約は、破棄する! カレンと結婚するなど、考えられない!」

 「な!? アンドレ様、これはどういう事なのですか!? アンドレ様が、お姉様なんかより、私を愛していると仰ったんじゃないですか!!」

 カレンの慌てている所を見たのは、初めてかもしれません。

 「ふざけるな! お前は俺を騙した! 絶対に許さないからな!」

 私の時とは、だいぶ違う感じになりましたね……
 
 「俺はサンドラともう一度婚約をする!」

 アンドレはカレンを振り払い、サンドラの元へ向かおうとした瞬間

 「悪いが、それはムリだ。」

 リュード公爵はサンドラの前に立ち、言い放った!

 「リュード公爵がなぜそんな事を?」

 「先程、サンドラ嬢は私と婚約をしたからです。まさか、私の婚約者を奪おうとするおつもりですか?」

 ザワザワザワザワ……

 「リュード公爵の婚約者!?」
 「これは面白いな。カレン嬢はずっとリュード公爵を追いかけていたが、相手にされなくてサンドラの婚約者を奪った。その婚約者にも捨てられ、リュード公爵はサンドラと婚約か。」
 「サンドラ嬢の婚約者を奪ったって本当!? 他に好きな人がいたのに、姉の婚約者を奪うなんて、なんて性悪なんでしょう……」

 この人達は、婚約破棄された方が悪いと思っている。私はただ、アンドレ様を信じ、愛していただけなのに、散々酷いことを言われました。
 今回はカレンが悪いけれど、善悪の区別すら出来ない人達です。だから、簡単に騙される。

 「お姉様は私のことが嫌いだから、こんな事をするのですか? リュード公爵は、私の愛する人だとわかっていて……婚約したのですか?」 

 今度は泣き落としをするようです。
 でも、それは逆効果よ。

 「カレン様は、頭がおかしいの?」
 「サンドラ嬢の愛する人を奪っておきながら、今更何を言ってるんだ!?」
 「サンドラ様は、カレン様を思ってアンドレ様を譲ったそうよ。それなのに、サンドラ様を責めるなんて……」

 カレンは皆に白い目で見られ、私の横を通り、会場から出て行く……

 「これで終わりだと、思わないでね。」

 横を通る時、他の人には聞こえないような小声で、カレンは私に宣戦布告した。

しおりを挟む
感想 53

あなたにおすすめの小説

転生悪役令嬢に仕立て上げられた幸運の女神様は家門から勘当されたので、自由に生きるため、もう、ほっといてください。今更戻ってこいは遅いです

青の雀
ファンタジー
公爵令嬢ステファニー・エストロゲンは、学園の卒業パーティで第2王子のマリオットから突然、婚約破棄を告げられる それも事実ではない男爵令嬢のリリアーヌ嬢を苛めたという冤罪を掛けられ、問答無用でマリオットから殴り飛ばされ意識を失ってしまう そのショックで、ステファニーは前世社畜OL だった記憶を思い出し、日本料理を提供するファミリーレストランを開業することを思いつく 公爵令嬢として、持ち出せる宝石をなぜか物心ついたときには、すでに貯めていて、それを原資として開業するつもりでいる この国では婚約破棄された令嬢は、キズモノとして扱われることから、なんとか自立しようと修道院回避のために幼いときから貯金していたみたいだった 足取り重く公爵邸に帰ったステファニーに待ち構えていたのが、父からの勘当宣告で…… エストロゲン家では、昔から異能をもって生まれてくるということを当然としている家柄で、異能を持たないステファニーは、前から肩身の狭い思いをしていた 修道院へ行くか、勘当を甘んじて受け入れるか、二者択一を迫られたステファニーは翌早朝にこっそり、家を出た ステファニー自身は忘れているが、実は女神の化身で何代前の過去に人間との恋でいさかいがあり、無念が残っていたので、神界に帰らず、人間界の中で転生を繰り返すうちに、自分自身が女神であるということを忘れている エストロゲン家の人々は、ステファニーの恩恵を受け異能を覚醒したということを知らない ステファニーを追い出したことにより、次々に異能が消えていく…… 4/20ようやく誤字チェックが完了しました もしまだ、何かお気づきの点がありましたら、ご報告お待ち申し上げておりますm(_)m いったん終了します 思いがけずに長くなってしまいましたので、各単元ごとはショートショートなのですが(笑) 平民女性に転生して、下剋上をするという話も面白いかなぁと 気が向いたら書きますね

婚約者様。現在社交界で広まっている噂について、大事なお話があります

柚木ゆず
恋愛
 婚約者様へ。  昨夜参加したリーベニア侯爵家主催の夜会で、私に関するとある噂が広まりつつあると知りました。  そちらについて、とても大事なお話がありますので――。これから伺いますね?

【完結】で、私がその方に嫌がらせをする理由をお聞かせいただいても?

Debby
恋愛
キャナリィ・ウィスタリア侯爵令嬢とクラレット・メイズ伯爵令嬢は困惑していた。 最近何故か良く目にする平民の生徒──エボニーがいる。 とても可愛らしい女子生徒であるが視界の隅をウロウロしていたりジッと見られたりするため嫌でも目に入る。立場的に視線を集めることも多いため、わざわざ声をかけることでも無いと放置していた。 クラレットから自分に任せて欲しいと言われたことも理由のひとつだ。 しかし一度だけ声をかけたことを皮切りに身に覚えの無い噂が学園内を駆け巡る。 次期フロスティ公爵夫人として日頃から所作にも気を付けているキャナリィはそのような噂を信じられてしまうなんてと反省するが、それはキャナリィが婚約者であるフロスティ公爵令息のジェードと仲の良いエボニーに嫉妬しての所業だと言われ── 「私がその方に嫌がらせをする理由をお聞かせいただいても?」 そう問うたキャナリィは 「それはこちらの台詞だ。どうしてエボニーを執拗に苛めるのだ」 逆にジェードに問い返されたのだった。 ★★★★★★ 覗いて下さりありがとうございます。 女性向けHOTランキングで最高20位までいくことができました。(本編) 沢山の方に読んでいただけて嬉しかったので、続き?を書きました(*^^*) ★花言葉は「恋の勝利」  本編より過去→未来  ジェードとクラレットのお話 ★ジェード様の憂鬱【読み切り】  ジェードの暗躍?(エボニーのお相手)のお話

【完結】私から全てを奪った妹は、地獄を見るようです。

凛 伊緒
恋愛
「サリーエ。すまないが、君との婚約を破棄させてもらう!」 リデイトリア公爵家が開催した、パーティー。 その最中、私の婚約者ガイディアス・リデイトリア様が他の貴族の方々の前でそう宣言した。 当然、注目は私達に向く。 ガイディアス様の隣には、私の実の妹がいた-- 「私はシファナと共にありたい。」 「分かりました……どうぞお幸せに。私は先に帰らせていただきますわ。…失礼致します。」 (私からどれだけ奪えば、気が済むのだろう……。) 妹に宝石類を、服を、婚約者を……全てを奪われたサリーエ。 しかし彼女は、妹を最後まで責めなかった。 そんな地獄のような日々を送ってきたサリーエは、とある人との出会いにより、運命が大きく変わっていく。 それとは逆に、妹は-- ※全11話構成です。 ※作者がシステムに不慣れな時に書いたものなので、ネタバレの嫌な方はコメント欄を見ないようにしていただければと思います……。

幼馴染が夫を奪った後に時間が戻ったので、婚約を破棄します

天宮有
恋愛
バハムス王子の婚約者になった私ルーミエは、様々な問題を魔法で解決していた。 結婚式で起きた問題を解決した際に、私は全ての魔力を失ってしまう。 中断していた結婚式が再開すると「魔力のない者とは関わりたくない」とバハムスが言い出す。 そしてバハムスは、幼馴染のメリタを妻にしていた。 これはメリタの計画で、私からバハムスを奪うことに成功する。 私は城から追い出されると、今まで力になってくれた魔法使いのジトアがやって来る。 ずっと好きだったと告白されて、私のために時間を戻す魔法を編み出したようだ。 ジトアの魔法により時間を戻すことに成功して、私がバハムスの妻になってない時だった。 幼馴染と婚約者の本心を知ったから、私は婚約を破棄します。

婚約破棄をされた悪役令嬢は、すべてを見捨てることにした

アルト
ファンタジー
今から七年前。 婚約者である王太子の都合により、ありもしない罪を着せられ、国外追放に処された一人の令嬢がいた。偽りの悪業の経歴を押し付けられ、人里に彼女の居場所はどこにもなかった。 そして彼女は、『魔の森』と呼ばれる魔窟へと足を踏み入れる。 そして現在。 『魔の森』に住まうとある女性を訪ねてとある集団が彼女の勧誘にと向かっていた。 彼らの正体は女神からの神託を受け、結成された魔王討伐パーティー。神託により指名された最後の一人の勧誘にと足を運んでいたのだが——。

もう私、好きなようにさせていただきますね? 〜とりあえず、元婚約者はコテンパン〜

野菜ばたけ@既刊5冊📚好評発売中!
ファンタジー
「婚約破棄ですね、はいどうぞ」 婚約者から、婚約破棄を言い渡されたので、そういう対応を致しました。 もう面倒だし、食い下がる事も辞めたのですが、まぁ家族が許してくれたから全ては大団円ですね。 ……え? いまさら何ですか? 殿下。 そんな虫のいいお話に、まさか私が「はい分かりました」と頷くとは思っていませんよね? もう私の、使い潰されるだけの生活からは解放されたのです。 だって私はもう貴方の婚約者ではありませんから。 これはそうやって、自らが得た自由の為に戦う令嬢の物語。 ※本作はそれぞれ違うタイプのざまぁをお届けする、『野菜の夏休みざまぁ』作品、4作の内の1作です。    他作品は検索画面で『野菜の夏休みざまぁ』と打つとヒット致します。

完結 王族の醜聞がメシウマ過ぎる件

音爽(ネソウ)
恋愛
王太子は言う。 『お前みたいなつまらない女など要らない、だが優秀さはかってやろう。第二妃として存分に働けよ』 『ごめんなさぁい、貴女は私の代わりに公儀をやってねぇ。だってそれしか取り柄がないんだしぃ』 公務のほとんどを丸投げにする宣言をして、正妃になるはずのアンドレイナ・サンドリーニを蹴落とし正妃の座に就いたベネッタ・ルニッチは高笑いした。王太子は彼女を第二妃として迎えると宣言したのである。 もちろん、そんな事は罷りならないと王は反対したのだが、その言葉を退けて彼女は同意をしてしまう。 屈辱的なことを敢えて受け入れたアンドレイナの真意とは…… *表紙絵自作

処理中です...