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権力
しおりを挟む「さすが私の婚約者だ!」
噂が広まり、リーアを自分の婚約者にしようとギアルがまたリーアに近付いきた。
「……ギアル様、もうやめてください。私はギアル様の婚約者ではありません。」
「何を言っているのだ?リーアは私の婚約者ではないか!」
「私には心に決めた方がいらっしゃいます。」
「ホーク王子の事か?」
え……!?どうしてギアル様がホーク王子の事を!?
「飾りだけの王子など忘れろ!すぐにこの国から追放されるのだぞ?私の妻になれば、何不自由ない暮らしが待っている!」
「そんなもの、私は望んでいません!それに、ホーク王子はこの国の王になるお方です!」
「何を言っている!!」
怒りが滲んだ声が聞こえて来た!声の主は、ゆっくりとこちらへ向かって歩いて来た。
「ロード公爵様!」
ロード公爵様って、マリヤ様のお父様!?
「お前がリーアだな。お前のようなものが大聖女になろうとは思わぬ事だ。そこの伯爵家にでも嫁いで、それなりの暮らしをしなさい。」
本当にこの人がマリヤ様のお父様なの!?マリヤ様はあんなにも素敵な方なのに……。
「申し訳ありませんが、私はギアル様と結婚するつもりはありませんし、大聖女になるつもりです。」
「な……!?誰にそんな口を聞いているかわかっているのか!?」
「他にご用がないようでしたら、これで失礼致します。」
リーアはロード公爵に丁寧に頭を下げ、その場を去った。
「ロード公爵様、大丈夫です!リーアは必ず私のものにしますので!」
「黙れ!お前などどうでもいい!あの小娘をどうにかしなくては!」
初めてマリヤを脅かす存在が現れ、ロード公爵は焦っていた。
部屋へと戻ったリーアの手は震えていた。
すごく怖かった……でも、これでいいんだ。マリヤ様が王位を継いだら、ホーク王子が追放されなくてはならない理由が分かった気がした。
ホーク王子にそんな気がなくても、周りの人達が納得しない。それはマリヤ様にも言えることだったんだ。権力とは、人を惑わせるものなのだと実感した。
王家の者が大聖女にならない限り、ホーク王子が王位を継ぐのだから、マリヤ様が手を抜けばと考えた事もあった。だけど、大聖女……女王の座を欲している王族は何人もいる。
マリヤ様が手を抜いたところで、ほかの王家の者が大聖女になってしまったら意味がない。
だから私が大聖女にならなくちゃいけないんだ!
その頃、リーアが大聖女候補になった事を、ホーク王子に知らされていた。
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